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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

45P/本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星

2016年12月31日 | 彗星
昨日の月齢1.0の月撮影ミッション終了後…、

12月31日に近日点を通過する45P/本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星の撮影にもチャレンジしてみました。本日の薄明終了時刻は18時00分、その時点での45P周期彗星の高度はわずかに8.7°です。か~なり厳しい条件です。

ただいまの時刻は17時30分、空はまだ青みが残っていますが撮影してみましょう。

45Pはやぎ座のど真ん中にいます。金星からファインダーで星を辿って導入することにしましょう。

45Pファーストショット 

2016.12.30 17:26-28(4枚コンポジット 露出55sec) SE200N D90 ISO1000

ふ~む、尾が画角からはみ出しています。写っている尾は20分程度ですがかなり伸びているようです。

上記写真を撮影した範囲はこちら(ステラナビゲーター10)


月撮影の直後なので北極星での極軸合わせをまだしていません。ピントも目分量だったのですが、
ピントだけは上記写真撮影後にバーティノフマスクであわせました。時間の都合上、極軸はそのままです。

近日点通過1日前の45P/本田・ムルコス・パジュサコバ彗星

2016.12.30 17:47(2枚コンポジット 露出40sec) SE200N D90 ISO1600 トリミング

日心距離 0.53291 au、地心距離 0.72918 au


雲が流れてくるようになり、撮影は何度も中断です。ふう~。
彗星の高度も10°を切ったので、そろそろ本日の撮影会は終了のようです。

本日のラストショット

2016.12.30 17:50&17:59(2枚コンポジット 露出50sec) SE200N D90 ISO1600

45P/本田・ムルコス・パジュサコバ彗星は近日点通過後、2月上旬に明け方の空に戻ってきます。
日心距離は 1auほどに遠ざかりますが、地心距離は 0.08auまで近づきます。撮影好期は
2月8日~13日ごろかな。肉眼彗星になるほど明るくはありませんが、7等級まで明るくなる
予想も出ていますので期待しましょう。

さ~て、今年もあと5時間となりました。来年はどんな天体現象が見られるでしょうか。
来年もたま~にアップしていきますので、時間があるときにお寄りいただければ幸いです。

今年も、このブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。

それでは皆さん、よいお年を~!

運命づけられた彗星:SUNGRAZING COMET

2016年08月05日 | 彗星
太陽観測衛星SOHOが太陽に突入する彗星を捉えました。
これほど大きい彗星は久しぶりなのでメモしておくことにしましょう。

以下「Spaceweather.com(20016/8/3)」の記事より

「運命づけられた彗星」
太陽が今まさに小さな彗星を飲み込もうとしています。運命づけられた太陽をかすめる彗星は
SOHO画面に突然姿を現しました。

「今回の彗星は、サングレージング・コメットとしては21年間の観測の中でもっとも明るい彗星と言っても過言ではありません。」とthe Naval Research Lab in Washington DCのKarl Battams博士が述べています。

この運命づけられた彗星は太陽をかすめる軌道にあるクロイツ群です。これらの彗星を研究した19世紀のドイツ人の天文学者にちなんで名付けられています。この小さな彗星は2000年前に太陽をかすめて粉砕した巨大な彗星の断片です。これらの断片となった小さな彗星は太陽のそばを通ってほぼ毎日崩壊しています。 大部分は見ることができないくらい小さいのですが、時折このような大きい断片をSOHOの画面で見ることができます。
今後、加速度的に蒸発が進むため、長く生き残ることは出来ません。

翌日の「Spaceweather.com(20016/8/4)」記事より

「彗星の完全な崩壊」
8月4日、サングレージング彗星は太陽にダイブして完全に消滅しました。

秒速600kmの速さで太陽に突入した彗星はその後姿を現すことはありませんでした。彗星の明るさは-5等級にも達し、その明るさは太陽に飛び込むクロイツ群としてはTOP5に入ると考えられます。

ふ~むふむ、久々のクロイツ群ですね~。2010年に立て続けに彗星が飛び込んで話題になったことがありましたが、それ以来ではないでしょうか?→「運命づけられた彗星」「SUNGRAZING COMET

それにしても太陽に飛び込む映像は、あの…彗星(*)を彷彿とさせて切ない気持ちになってしまいますね。
そろそろ来ないかな~ 、とびきり大きなほうき星…。


C2013 US10 カタリナ彗星

2016年01月17日 | 彗星
1月16-17日はC2013 US10カタリナ彗星の地球最接近&M101接近の日です。

昼間は雪がちらつく曇り空だったので、今日は無理かな~と諦めていたのですが、
23時に夜空をチェックすると、まさかのドピ~カン…、みごとな快星です。どひゃ~、

今からでは、遠征はちと無理なので、自宅de撮影会としましょう。トホホ…です。

何はともあれ、まずは双眼鏡でカタリナ彗星をウオッチングしてみましょう。ふ~む、ふむ、
かなり暗いですね~。光害がさんさんと降り注ぐ仙台ではかなり厳しいターゲットです。

先週の土曜日は、天気予報を信頼して遠征準備をした後に、どん曇り…
今週は、絶対晴れないだろうと確信した後のドピ~カン…、どーも読みが裏目です。

とにかく撮影しましょう。現在の高度は約30°方位は北東です。おっと…カタリナ彗星は
庭木越しに見える外灯の上にあります。最悪のコンディションですが、とりあえずの1枚…

C2013 US10 カタリナ彗星ファーストショット(焦点距離200mm相当)

2016.1.16.23:51:29 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO1600 10sec

彗星位置を示した写真はこちら→photo   撮影時の SQM 17.60

さて、仙台の空で8.2等級のM101(回転花火銀河)を写すのは至難の業ですが、
チャレンジしてみましょう。コンポジット&画像処理をすればあぶり出せるかもしれません。

…ふう、どうでしょう? 何とか位置が分かる程度…ですね~。

おおぐま座M101(回転花火銀河)に近づくC2013 US10 カタリナ彗星

2016.1.17.0:32-0:34 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO1600 30sec×4

さてここからは20cm反射望遠鏡にチェンジして撮影しましょう。LPS-P2フィルタを装着しての撮影です。

地球に0.72AUまで近づいたC2013 US10 カタリナ彗星

2016.1.17. 01:15:43 SE200N LPS-P2 D90 ISO1600 120sec

すでに太陽からは1.387 AUも離れています。

2016.1.17. 01:34-0:40 SE200N LPS-P2 D90 ISO1600 310sec

深淵の宇宙へ向かうカタリナ彗星、現在の速度は秒速35 km/sです。

2016.1.17. 02:19:06 SE200N LPS-P2 D90 ISO1600 69sec

C/2014 Q1パンスターズ彗星のその後…

2015年07月25日 | 彗星
日本からは、ほぼ撮影ができなかったC/2014 Q1パンスターズ彗星…
南半球では簡単に撮影できているようです。またしてもアンラッキーな北半球です。

撮影レポートを読むと、肉眼で見ることはでないが、双眼鏡では確認できるとのこと…
双眼鏡で確認できた尾の長さは2°、写真では4.5°だったそうです。

南半球のウオッチャーさんたちが撮影した写真を時系列で並べてみました。
この彗星…、もし地球に接近していたらかなりのグレートコメットになったことでしょうね。

Spaceweather.com REALTIME IMAGE GALLERYより
2015年7月14日

Taken by michael jäger on July 14, 2015 @ Farm Tivoli Namibia

2015年7月15日

Taken by Michael Mattiazzo on July 15, 2015 @ Swan Hill, Australia

2015年7月15日

Taken by michael jaeger on July 15, 2015 @ farm tivoli namibia

2015年7月16日

Taken by Lui Weber on July 16, 2015 @ Weipa QLD

2015年7月17日

Taken by michael jaeg on July 17, 2015 @ farm tivoli namibia


2015年7月17日

Taken by Yuri Beletsky on July 17, 2015 @ Chile


以下 Michael JaegerのHPより
2015年7月18日

Shaped like a flock of flying geese, only it’s flying dust. A more detailed photo of Comet C/2014 Q1 PanSTARRS from July 18, 2015. The ion or gas tail stretches to the left. The primary dust tail overlaps the gas tail. The Type III dust tail juts off to the upper left of the coma. Click for hi res version. Credit: Michael Jaeger

2015年7月19日

July 19, 2015 from Swan Hill, Victoria, Australia.
Details: 40mm lens, ISO 3200, 30-seconds exposure. Credit: Michael Mattiazzo

2015年7月19日

Telephoto lens view of the comet clearly shows it has three tails. The longest is the ion or gas tail. A shorter dust or Type II tail is superimposed on the gas tail closer to the comet’s head (it bows out a bit before overlapping the ion tail). A third, yellow-colored Type III dust plume appears to the right of the head. Credit: Michael Mattiazzo

Visual tail lengths through 25x100mm binoculars: 2° degree long ion tail (Type I) superimposed on a 1° dust tail (Type II) in PA 104 and a 1° degree long dust trail (Type III) in PA 23. The photographic length of the ion tail is >4.5°.” - See more at: http://astrobob.areavoices.com/2015/07/19/meet-the-most-beautiful-comet-youll-never-see-c2014-q1-panstarrs/#sthash.mLWfNJLk.dpuf


EARTHSKY // TODAY'S IMAGE(RELEASE DATE: JUL 24, 2015)より
2015年7月19日

Venus, moon, Jupiter, comet. The comet is in the lower left of this photo, which was taken by Amit Ashok Kamble on July 19, 2015. He wrote: “It wasn’t visible much visually but was a good view through binoculars, ‘scopes and camera. It’s fascinating how it has two tails.” Visit Amit Kamble Photography on Facebook.

2015年7月22日

Venus (brightest), Jupiter (second-brightest) and star Regulus make a triangle. The comet is to their left. Composite image – created from two images (sky and landscape) – taken on July 22, 2015 by Marco Nero in New South Wales, Australia. Canon EOS 6D with Canon EF 85mm f/1.2L USM II lens.

Spaceweather.com REALTIME IMAGE GALLERYより
2015年7月23日

Taken by iAN Griffin on July 23, 2015 @ Portobello, New Zealand

Michael Jaegerさんが述べているように、 Type Ⅰ  Type II  Type Ⅲの尾がはっきり出ています。どことなくヘール・ボップ彗星を彷彿とさせる形状ですね。

C/2014 Q1パンスターズ彗星 捜索隊 その2

2015年07月13日 | 彗星
7月12日、昼間はそれほど空の状況が良くなかったのですが、夕方になって
西の空が晴れてきたので、捜索隊が急遽スクランブル出動しました。

撮影地は自宅から車で5分ほどのところ、いつもの夕空撮影地です。
西北西の方位に山と樹木があるのでイマイチですが、撮影決行です。

現在時刻は19時52分、日没45分後を過ぎています。
西空に金星と木星が見えますがその他の星は肉眼では見えません。

2015.7.12.19:48:16 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 6sec

方位を確認して、C/2014Q1パンスターズ彗星があると思われる方向にカメラを向けましたが…

星はひとつも写っていません。今日も層状の雲があります。

2015.7.12.19:52:13 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1sec

初めて星が写ったのは19時57分、昨日よりは空の状態がいいようです。

2015.7.12.19:57:31 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1.3sec

帰宅後、ステラナビで確認すると、しし座のアルテルフ(4.3等)が写っていました。
しか~し、一番下の電線付近にあるはずの、かに座の4等星(右はさみにある恒星)が写っていません。この時間、C/2014Q1パンスターズ彗星はすでに木の陰(山の陰?)にありました。

2015.7.12.19:58:13 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1.3sec

かに座の4等級が写ったのは20時01分、しかも強調処理をしてやっと出てきました。

2015.7.12.20:01:45 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 4sec

この時間はステラナビゲーターが示す4等級が見え始める時間と一致していました。ということは、C/2014Q1パンスターズ彗星が4等級まで明るくなっていたとしても、見え始める時間には高度が1.2°しかないことになります。以上のことからC/2014Q1パンスターズ彗星を撮影することは地上では無理という結論になります。ざ~んねん、大化けしてれば話は違ったのですがね~。

C/2014 Q1パンスターズ彗星 捜索隊

2015年07月11日 | 彗星
みなさん、こんにちは。久々のブログ更新です。

さて以前「2015年見たい天体現象」第4弾!で紹介した「C/2014 Q1 パンスターズ彗星」の
近日点通過(7/6)から5日が過ぎましたが、西の夕空にその姿を現しているのでしょうか?

本日は、梅雨の時期としてはめずらしい停滞ぎみの高気圧に覆われて、雲ひとつない快晴と
なりましたので、C/2014 Q1 パンスターズ彗星の捜索に出かけました。

7月11日現在のC/2014 Q1 パンスターズ彗星情報は以下のとおり…

ふ~む、ふむ、地球からの距離1.213AU、最新の観測等級は6.0等級ですか…
当初の予想ほど、明るくなっていませんね~、この等級では厳しいかも…です。

とりあえず出かけましょう、捜索隊が向かった先は、西の空が開けているいつもの撮影場所…、

昼間はどピーカンでしたが、湿度の多いまったりとした空気だったので、
夕方になると予想どおり雲が出てきました。青空の部分も透明度はよくありません。


本日の機材はこちら

マルチプレートDXウッディ調(*)には Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm、
望遠鏡はお手軽テレスコープMK90です。

本日、仙台では気温が31.8℃まで上がり真夏日になりましたが、そのせいなのか、
ものすごい数の虫が集まっています。蚊柱がカメラを覆っています。

写真に写っている黒い点が虫です。その虫を食べようとギンヤンマが突進して、
時々カメラや顔に当たってきます。トホホですが、とりあえず虫は無視です。

まもなく太陽が沈みます。日没時刻は19:04、沈む方位は119°です。
この山の位置がC/2014 Q1を探すポイントになります。

2015.7.11.18:52:43 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 1/4000sec

相変わらず雲があります。本日の勝負どころは、日没45分後から彗星の高度が1°に
なるまでの、わずか15分間です。

日没45分後になりました。
彗星の高度は3° 方位は117°のはずですが…雲があり確認できません。

2015.7.11.19:50:23 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 2.3sec

日没後50分になりました。
う~ん残念、C/2014 Q1はその姿を現すことはありませんでした。

2015.7.11.19:57:57 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 5sec

今回は雲がクリアにならなかったので見えませんでしたが、雲がなかったとしても
見えなかったと思われます。C/2014 Q1は当初の予想をはるかに下回り、最新の観測
等級が6.0等級と発表されています。この数値が正しいとすると高度2~3°では
大気減光で光度は8.0等級クラスになります。これでは日没5~60分後の空で写すには
冬空並みの透明度が必要です。

C/2014 Q1はオールトの雲から初めて降りてくる彗星と考えられています。アイソン彗星の
ときもそうでしたが、このタイプの彗星は木星より遠いところで揮発が始まるが、太陽に近づい
たときにあまり揮発しない傾向があるようです。今後の彗星光度予想の参考になりますね。

ラブジョイ彗星(C2014/Q2)1/24観望記録

2015年01月25日 | 彗星
本日の観測地は蕪栗沼近辺です。
GPV予報によると晴れるのは日没から21時頃までなので早めの準備開始です。

ふ~むふむ、今日は五日月ですか~、予想以上に明るい月明かりです。ラブジョイ彗星撮影の前にアウトバーストした15Pフィンレー彗星を撮影しようと思っていたのですが、これでは無理ですね~。とりあえずチャレンジしてみましょう。

今日は風もないのでバーティノフマスクでピン合わせはバッチリです。(ベテルギウス)

2015.1.24. 17:47:24 SE200N D90 ISO3600 10sec

月齢3.6の月、月没時刻は21時20分です。

2015.1.24. 17:55:40 SE200N D90 ISO400 1/250sec

本日のソラノクラサは天頂付近で19.32、月の周辺が18.55でした。
フィンレー彗星(15P)と月の角距離は4°という悪条件でしたがとりあえず撮影してみました。

…写っていましたが、一応位置が分かるかな? 程度の写真です。

2015.1.24. 18:05:40 SE200N D90 ISO1600 30sec

さて、メインのラブジョイ彗星はどうでしょう。今日はさんかく座の近くまで来ているはずです。ふむ、双眼鏡ではかなり大きく見えています。やや暗くなったような気がしますが、肉眼でも十分確認できます。尾は双眼鏡でも見えません。

予報より早く雲がやってきたので、雲間を待っての撮影となりました。19時を過ぎると、雲量が6~7になり、19時30分すぎに撮影を終了させました。

本日撮影した画像はコンポジット処理をしました。画像処理はナチュラルさを出すため軽めの処理にしてあります。


2015.1.24. 18:17:27-18:18:43 SE200N D90 ISO1600 30sec、60sec コンポジット



2015.1.24. 18:17:27-18:21:13 SE200N D90 ISO1600 30sec、60sec 90sec コンポジット



2015.1.24. 18:17:27-18:21:13 SE200N D90 ISO1600 30sec、60sec 90sec 彗星核基準

ラブジョイ彗星(C2014/Q2)1/17観望記録

2015年01月18日 | 彗星
ふ~むふむ、今日(1/17)は夕方から全県エリアで雪模様ですね~。
GPV予報を見ると、晴れるのは石巻北部から登米市付近までのごく一部です。

今日は午後から登米市に行く用事があるので、その帰り際に撮影を試みることにしましょう。

移動中

さて、時刻は18時を過ぎました。撮影場所は登米市東部の広大な田んぼが広がる地域です。今のところ空は晴れていますが、かなりの強風です。気温はすでに-3°です。

ソラノクラサは19.82です。ほうき星を撮影するにはもう少し暗い空がほしいところですが妥協しましょう。さっそく双眼鏡で確認してみましょう…。

ありました! プレアデス星団の西側10度のところ、おひつじ座とおうし座の境界付近にいます。中央集光が強くかなり大きな視直径です。しか~し、ほうき星の尾は確認できません。

今日は、最初に20cm反射で撮影して、最後にズームレンズで撮影をすることにしましょう。
ふう、想像以上の寒さです。完全防備で来たにもかかわらず、強風による寒さで手がかじかみ、セッティング途中で何度か車に避難するありさまでした。

ピンあわせはベテルギウスにしましょう。今回はバーティノフマスクを持参しましたが、強風で飛ばされる可能性があるため使用不可です。トホホ…、おっと気温が-6°になりました。

あちゃ~、問題発生です。強風のためアイピースから覗いたベテルギウスが揺れてます。寒さで体がブルブルでしたが、望遠鏡もブルブルでした。こ~れでは長時間露出ができません。

…というわけで、撮影した画像はメトカーフ追尾をしたわけでもないのに星像がびよ~んと伸びる始末で…、まともな写真が1枚も撮れませんでした。強風が治まるのを車の中で待っている間に望遠鏡がおじぎをしたりと散々でした。

強風が治まる気配がいっこうにないので、20cm反射をあきらめてズームレンズをセット完了した直後に全天曇りとなり撮影終了となりました。

結果的に、何とか見られる写真は下の2枚だけでした。

7380万km彼方のラブジョイ彗星(C/2014Q2)

2015.1.17. 19:20:30 SE200N D90 ISO3200 30sec

近日点通過13日前(日心距離1.3AU)のラブジョイ彗星(C/2014Q2)

2015.1.17. 19:21:47 SE200N D90 ISO3200 70sec

ラブジョイ彗星(C/2014Q2)の近日点通過は1月30日です。それまでに尾の形がさらに変化する可能性があるので、まだまだ目が離せません。来週も天候の状態が良いときは撮影を試みることにしましょう。

ラブジョイ彗星(C2014/Q2)観望記録

2015年01月11日 | 彗星
ふ~むふむ、風がかなり強いようですね~。雪雲も流れ込んでいるので
観測地は石巻方面か県北方面が妥当ですかね~。

時刻は17時を過ぎました。いそぎましょう、本日彗星を撮影できる時間は、
薄明終了の18時08分から月出の21時24分までです。
必要もないのに仮眠を取ってしまったので出遅れてしまいました。

なにげなく妻に「ほうき星の撮影に行くけど、行って見る~?」と聞いたら意外にも
「うん、行く~。」というお言葉をいただいたため本日はレアな星見隊メンバーとなりました。

17時30分、宙ガールを1名乗せていざ出発です。観測地は蕪栗沼方面です。

移動中~

ふう、18時30分過ぎに蕪栗沼近辺に着きました。スカイクオリティメーター(*)でソラノクラサを計ってみると、天頂で20.12、おうし座付近で19.95でした。まずまずの暗さです。さっそく双眼鏡でラブジョイ彗星(C2014/Q2)を見てみましょう…、

ほひょ、肉眼で見えてます。にじんだシミが空に浮かんでいます。けっこう明るいです。
しか~し、双眼鏡で見ても尾は見えません。では、すぐ撮影に取りかかることにしましょう。

ラブジョイ彗星(C2014/Q2)ファーストショット(焦点距離50mm相当)

2015.1.10. 19:28:27 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm(50mm) F4.5 ISO3200 120sec

セカンドショット(焦点距離105mm相当)

2015.1.10. 19:31:09 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm(105mm) F4.5 ISO3200 124sec

かすかに尾が出ているようです。さらにズームアップしましょう。

焦点距離200mmで撮影したラブジョイ彗星(C2014/Q2)

2015.1.10. 19:43:04 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm(200mm) F4.5 ISO3200 122sec

おっと忘れてました、宙ガールさんにほうき星解説です。どーも、ほうき星はあっというまに天空を駆け抜けていくものだと思っていたらしく、「動いてるの?動かないの?」という質問を真っ先にされました。ほうき星も流れ星のように夜空を高速で移動すると思っている人はけっこういるようです。過去に同じような質問をされたことが何度かあります。

最大焦点距離300mmで撮影したラブジョイ彗星(C2014/Q2)

2015.1.10. 19:53:36 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm(300mm) F4.5 ISO3200 94sec

むむ、コマのすぐそばに複数の尾が写っています。こ~れは予想外です。今日はズームレンズだけの撮影にしようと思っていましたが、20cm反射望遠鏡で撮影することにしましょう。気温は-5℃ですので、これから撮影機材をコンバートするのは過酷ですが、頑張ってみましょう。

ふう、30分強の時間でセッティング完了です。バーティノフマスクを持ってきていないのでピン合わせはテキトーです。極軸もビミョーにずれている感じですが、そのまま続行です。

ほひょ、なかなかエキサイティングな尾を伸ばしているようです。

地球に7100万kmまで近づいたラブジョイ彗星(C2014/Q2)

2015.1.10. 20:37:12 SE200N D90 ISO1600 91sec

本日のベストショット

2015.1.10. 20:38:59 SE200N D90 ISO1600 123sec

さて、そろそろ月が昇ってくる時間です。
体も芯まで冷えたのでラブジョイ彗星観望会はお開きにすることにしましょう。

あっ、宙ガールさんはかなり早い時間に観望会を終えていたようですね。

サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)その2

2014年11月08日 | 彗星
Spacewerther.comにC/2013 A1関連の記事が載っていたので要約してみました。

「MARTIAN METEOR SHOWER(火星上の流星雨)」: Friday, Nov. 7, 2014
「NASAはサイディングスプリング彗星が火星に最接近した時に火星上でに何が起こったかについて記者会見を行いました。

各国の火星探査機は様々なカメラ、レーダーおよび各種のセンサーを使用して観測を行い多くの発見がありましたが、その中で特筆すべき事象は、NASAのMAVEN宇宙船によって検知された「壮観な流星雨」です。MAVENは、彗星が最接近したときに火星の影に避難していたので実際の火星の大気で光の筋を観測していませんが、表側に移動した際、惑星の地表150km上空にMgイオン(隕石煙の要素)の強烈な層が浮かんでいるのを見つけました。

これらのスモークは崩壊する流星物体によって流されたイオン化マグネシウムおよび他の金属で作られていました。「データは数トンのコメット・ダストが火星大気中に堆積したことを示しています。」コロラド州ボルダーの大学でMavenのイメージング紫外線分光を行っているニック・シュナイダーが述べています。「もし火星上に人間がいたならば、流星嵐といわれる一時間あたり数千もの流星が見られたかもしれません。」さらに「今回の流星はナトリウムイオンが豊富だったので、流星群が火星の空に黄色の残光を生み出したであろう」と彼は推測しています。

NASA惑星科学部長官ジムグリーンは「探査機が観測をしていない最接近時には科学者が予想している以上のコメットダストがヒットしていたはずです。」と述べています。ESAのマーズエクスプレスが搭載しているレーダーおよびNASAのマーズリコネサンスもまた流星関連のイオンを検出しています。メイブンを含む各種の探査機は今もデータ収集を継続しています。今後のアップデートをお待ちください。」

ふ~むふむ、やはり火星上で流星雨が起きていたのですね。今回は彗星の尾の中を火星が通過していたのでひょっとしたらと思ってはいましたが、1時間あたり数千という数は、2001年のしし座流星群の1500個/hをはるかに超えています。さぞ壮観な眺めだったことでしょう。なんでもナトリウムイオンが豊富だったため黄色の残光が残ったとのこと…、ということは、昼間の空→赤色、夕焼け→青色、薄暮→黄色、と変わったのでしょうか? まるで信号機のようです…。

今回の観測では、Mavenが直接サンプリングに成功して、火星の大気中に降った彗星塵のいくつかの組成を決定することができたそうです。探査機の中性ガスとイオン質量分析によって、彗星塵から、ナトリウム、マグネシウム、鉄などの8つの異なるタイプの金属イオンが検出されたということです。これは人類が初めてオールト雲彗星のダスト組成物の直接分析に成功したことを意味しています。

各種の探査機は今もデータ収集を継続しているということなので、今後のさらなる発表を待つことにしましょう。