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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

スペースシップ・ツー 4度目の宇宙圏飛行テスト成功!

2021年07月12日 | 宇宙開発
スペースシップ・ツー(VSS Unity)が4度目となる宇宙圏へのテスト飛行を成功させた。

VSS Unityの宇宙圏への飛行記録
 期日  搭乗者数 到達高度
①2018.12.13  2名 82.7km
②2019.2.22 3名 89.9km
③2021.5.22 4名 89.2km
④2021.7.11 6名 86.0km(暫定値)

 昨日の飛行はLIVE配信されてたのでその映像からスペースシップ・ツーによる宇宙飛行は
どのようなフライトだったのかメモしておくことにしましょう。

母船に吊り下げられた状態で高度15kmまで上昇!ここまでは離陸から約45分間かかります。

離陸は飛行機と同じなので45分間は成層圏までのフライトをゆっくり楽しめますね。


母船からリリース! 今回のリリース高度は46,393ft(14,140m)

ここから宇宙飛行が始まります。

ロケットモーター点火15秒後  高度は47,265ft(14,406m) 時速はマッハ1.3!

リリース直後は高度が低下しますが点火10秒後から機体は宇宙へ向けて急上昇します。

ロケットモーター点火25秒後 高度57,714ft(17.5km)時速マッハ1.7!

音速を超える速さで成層圏を上昇します。速度の増加とともにGが強くなっていきます。

ロケットモーター点火55秒後 高度117,335ft(35.7km)時速マッハ3.0!

上昇中の最大重力加速度は3.5G(体重の3.5倍)最大速度はマッハ3.3です。

ロケットモーター点火75秒後 高度174,673ft(53.7km)時速マッハ2.6!

成層圏界面(高度50km)を超えて中間圏に突入しました。宇宙はすぐそこです!

ロケット点火86秒後 メインエンジン・カットオフ! ここから無重力状態が4分間続きます。

エンジンは停止しましが、機体は最大高度(アポジ-)まで上昇を続けます。

ロケット点火2分32秒後 最大高度282,339ft(86.0km)に到達! 80kmから上は熱圏です。

アポジーを過ぎると機体は尾翼を立ててシャトルコックのような姿勢で自由落下します。

ロケット点火3分27秒後( メインエンジン・カットオフ2分後)の船内の様子

みなさん無重力と宇宙から見る地球を楽しんでいます。無重力はあと2分間続きます。

尾翼を立てて(フェザリング)で大気圏突入(Re-ENTRY)するスペースシップ・ツー

ロケット点火4分24秒後 高度114,321ft(34.8km)時速マッハ2.4、無重力体験終了です。

ロケット点火5分05秒後 高度65,672ft(20.0km)時速マッハ0.5

わずか30秒でマッハ2.4からマッハ0.6まで急減速します。帰還時は約6Gの重力加速度が
約90秒間続きます。これはつらいかも…ファイト~!

ロケット点火10分44秒後 高度18,664ft(5.7km)

高度50,000m、まもなく着陸態勢です。みなさん宇宙飛行の余韻を楽しんでいるようです。


ロケット点火12分55秒後 高度9,591ft(2,923m)

スペースポート(宇宙港)に戻ってきました。最終着陸態勢に入ります。

ロケット点火14分18秒後 タッチダウン!

着陸はとてもスムーズです。15分間の宇宙飛行終了で~す。



とても美しい機体ですね。先日ロールアウトした3号機は全体が鏡面仕上げです。



この機体のベースとなったスペースシップ・ワンはバート・ルタン氏の設計でフェザリ
ング技術を考案したのもバート・ルタン氏です。


バート・ルタン氏が設計した他に類を見ない唯一無二の宇宙往還機… 間近で見て見たい!



リチャード・ブランソン氏でなくても降りたときはこのガッツポーズが出ますよね!

今後さらに2回のテスト飛行を重ねていよいよ来年から商業宇宙飛行を始める予定だそうです。
すでに20人の日本人が予約しているそうですが、日本人第1号は誰になるのか楽しみですね。

ISS多目的実験モジュール「ナウカ(NAUKA)」

2021年07月10日 | 宇宙開発
7月21日23時54分(JST)にロシアの多目的実験モジュール「ナウカ(NAUKA)」がリフトオフする。


計画では7月29日22時26分頃ISSにドッキングする予定になっている。


 ナウカはもともとISSのロシア基幹モジュール「ザーリャ」のバックアップモジュールとして組み立てられていたものだが1998年11月にザーリャが無事リフトオフしたことでその後は完成すること無く放置されていたものである。2004年に70%完成していたこのモジュールを多目的科学実験棟に変更する案が可決され2007年の打ち上げを予定していたが次々と欠陥が見つかって修理を重ねること15年、やっと今年ISSへ向けてリフトオフすることになったいわく付きの宇宙船である。(大丈夫か~?)


こちらがロシアモジュールの現在の状況、
ナウカがドッキングするのはピアースが接続している部分だが…


 接続ポートにあるピアースは不要となるので23日にプログレスがピアースを接続したままアンドックしてそのまま大気圏に突入して廃棄されます。

 ナウカがドッキングすることでISSは最終完成形となりますがここに来て気になる情報を入手しました。なんと、ロシアのユーリ・ボリソフ副首相が2021年4月18日付けで「ロシアは2025年にISSプロジェクトから撤退する」と正式に発表していたそうです。

 その理由としては「ロシアモジュールは老朽化が進んでおり、このままでは人命に関わる大きな事故に繋がる懸念がある」とのこと。ロスコスモス最高経営責任者(CEO)は「ISSはもって7〜10年間だろう。宇宙飛行士の命を危険にさらすことはできない。」とコメントしているようです。

 え!? あと4年でISSから手を引くの?じゃあなんでナウカをドッキングさせるの?という疑問を誰しもが思うところだが、ロスコスモスによると2024年に新しい宇宙ステーションの基幹モジュールを打ち上げる予定になっていて、ナウカは2025年にISSからアンドックして新しい宇宙ステーションへ移動させる計画のようです。

 なぬ~、ロシアモジュール部はどうなるの~ 無償貸与? 賃貸? for SALE! ですか~? まさかの廃棄・焼却処分!?… それはないですよね~?

 ロシアの次世代宇宙ステーションROSS(Russian Orbital Service Station)は高度400キロメートル、傾斜角98度の極軌道を飛行する。

ROSSの第1段階構想図 2025-2030(4つのモジュールで構成されている)


ROSSの第2段階構想図 2030-2035(完成形は7つのモジュールで構成)
最大 4 人が宿泊できる宇宙観光客用商用モジュールも検討されている。

第2段階構想図ではソユーズが次世代ソユーズに変わっている。

次世代ソユーズ「フェデシア」は2024年の運用開始を目指して現在開発中です。


フェデシアは最大6人乗りでパラシュートによる軟着陸ではなく逆噴射ロケットで着陸する。


2024年以降のISS運用がどのようになるのか興味深いところですが、ロシアの2024年ISS撤退は決定事項ではないという情報もちらほら聞こえます。まだ未知数のところが多々ありますが、ISSプロジェクトの転換期であることは間違いないようですね。

 さて、ナウカとISSのランデブー飛行をぜひ撮影したいところですが、残念ながらこの期間に好条件の通過はありません。拡大撮影は無理としても並行して飛行している様子が取れるチャンスはありますので、天気の具合を見ながらチャレンジしてみることにしましょう。


7月11日にスペースシップ・ツーがフルキャビン宇宙飛行を実施!

2021年07月02日 | 宇宙開発
今、民間宇宙飛行競争が熱くなっている。

7月20日にジェフ・ベゾスが自前のロケットで行う初の宇宙飛行を目前にして、ヴァージン・ギャラクティック社の会長リチャード・ブランソンが自身を含む6名で7月11日に宇宙飛行を行うと発表した。

左からデイブ・マッケイ(チーフパイロット)、コリン・ベネット(リードオペレーションエンジニア)、ベス・モーゼス(チーフ宇宙飛行士インストラクター)、リチャード・ブランソン(ヴァージン・ギャラクティック創設者)、シリシャ・バンドラ(政府問題および研究業務担当副社長)、マイケル・マスッチ(パイロット)(photo: AP)


リチャード・ブランソンが乗り込むスペースシップ2号機「VSS Unity」は2018年12月13日に高度82.7kmに到達して「史上初めて宇宙に到達した民間の乗客を乗せるための宇宙船」と認定された機体である。


2019年2月22日にはパイロット2名の他にベス・モーゼス(チーフ宇宙飛行士インストラクター・初の女性民間宇宙飛行士。上記写真中央)をパッセンジャー・キャビンに乗せて89.9kmへのテスト飛行を成功させた。今年の5月22日には3回目となるテスト飛行で2名のパイロット(Kelly LatimerとMichael Masucci)とキャビンに2名のクルー(CJ SturckowとDave Mackay)を乗せて高度89.23kmに到達した。上記写真は3回目の飛行の様子である。

そして今回はパッセンジャー・キャビンに定員である4名を乗せて行う最終テスト飛行となるが、あえてリチャード・ブランソン自身が乗り込んでブルーオリジンより先に宇宙に行くことはジェフ・ベゾスへの対抗心以外の何物でも無い。

その気持ちは良くわかる。本来、民間宇宙旅行ビジネスをリードしていたのはヴァージン・ギャラクティック社であり、すでに500人を超える予約者が搭乗を待っている状態である。ブルーオリジンに先を越させる訳にはいかないのである。2014年に起きたテスト飛行での墜落事故(パイロット1名死亡)がなければもっと早い時期に商業宇宙旅行が軌道に乗っていたはずなのだから…

7月11日の飛行はLIVE中継を行うと発表があった。出発は日本時間の7月11日22時である。民間宇宙旅行元年である2021年のメインイベントがいよいよ始まる。7月20日にリフトオフするブルーオリジンにもここに来てサプライズの発表があった。

なんと、ジェフ・ベゾスが名誉ゲストとしてウォーリー・ファンク(82歳)を招待したのである。

ブルーオリジンのツイッターより

ウォーリー・ファンクは「マーキュリー13」の一人である。アメリカ初の宇宙飛行士となる「マーキュリー7」の影に女性メンバーで構成された「マーキュリ-13」がいたことは今回初めて知った。

彼女らは厳しいテストに合格して女性宇宙飛行士候補となったが結局女性であるがために宇宙へ行くことは出来なかった。アメリカ初の女性宇宙飛行士は1983年にSTS-7で飛行したサリー・ライド宇宙飛行士であるが、その時はすでに年をとっていたためマーキュリー13の彼女たちが宇宙へ行くことはなかった。しかし、彼女たちから宇宙への情熱が冷めることはなかった。

ウォリー・ファンクは79歳の時に「星に囲まれて浮かぶのが、私の目標」と手が届くはずだった宇宙への思いをいまだに熱く語っている。現在マーキュリ-13で存命しているのはウォリー・ファンクとジーン・ノラ・ジェッセンの2人だけである。ジェッセンは黄斑変性症のためパイロットを引退している。

ウォリー・ファンクは長年の夢を叶えて(みんなが果たせなかった思いも胸に秘めて)7月20日に憧れの宇宙へ出発する。

余談であるが、ウォリー・ファンクは宇宙飛行士テストで伝説の宇宙飛行士ジョン・グレンより高得点を取っていた。そして女性が宇宙飛行士になることを最も反対していたのがジョン・グレンである。今回ジョン・グレンが持っている最高齢宇宙飛行士の記録(77歳)を塗り替えてウォリー・ファンクが最高齢宇宙飛行士(82歳)となるのだから、ジェフ・ベゾスも粋なことをしてくれるものである。

日本人宇宙旅行者はユーミンではなくZOZO創業者の前澤友作氏だった!!

2021年05月14日 | 宇宙開発
 12月にソユーズMS-20でISSへ向かう宇宙旅行者2人について5月13日に何らかの発表があると注視していたがその発表は驚くべき内容だった。

 プレスリリースしたのはこのツアーを企画しているスペースアドベンチャー社。(Web
 
 記事によると、前澤友作氏が国際宇宙ステーション(ISS)へのミッションに向けて、必要な健康診断に合格してミッションの準備を始めており、6月からロシアのスターシティにあるユーリ・ガガーリン宇宙飛行士訓練センターで約3ヶ月間の宇宙飛行訓練を開始するとのこと。

 そしてさらに驚くべきことは同乗者が前澤氏のアシスタント、平野陽三氏だということ。
ソユーズMS-20の搭乗者はなんと2人とも日本人であった。


 スペースアドベンチャー社の記事では「平野洋三さんは大学卒業後、写真部のキャスティングディレクターに就任。現在は映画プロデューサーとしてSPACETODAYに勤務。ISSでは前澤氏の使命を記録する責任を負う。」と紹介している。

 12月にリフトオフするソユーズMS-20ミッションは史上初めて二人の宇宙旅行者をISSへ送る打ち上げとして以前から注目されており、さらに、その二人が女性であるということで話題になっていた。

 その一人がユーミンであるという情報は疑問視されている面もあったが、もう一人の搭乗予定者ヨハンナ・マイスリンガーさんについては具体的な情報が出ていたので確実視していたところだが、みごとな大どんでん返しだった。

 スペースアドベンチャー社のCEOは以前から二人の旅行者は決まっているがまだ発表は時期尚早だと述べていたので、正式クルー決定までにいくつかのエピソードがありそうだ。

 スペースアドベンチャー社が行っているISSツアーでは、バックアップクルーも同様に6か月間の訓練を行うことになっているが、今回の記事ではバックアップクルーについては触れていない。今回のツアーでバックアップクルーが誰になっているのかはとても興味があるところだ。

 具体的なスケジュールも発表されている。2021年12月8日にバイコヌール宇宙基地からロシアのソユーズMS-20で打ち上げられ12日間滞在するとのこと。現在ISSで船長を務めている星出宇宙飛行士は遅くとも11月上旬には帰還するので史上初のISSに日本人3人滞在とはならないが、1年間に4人の日本人がISSに滞在して2人が宇宙旅行者とは超ビックリである。

 MS20の一つ前のミッションになるMS19(10月リフトオフ)では、ロシアの女優と監督が搭乗して宇宙で初の映画の撮影を行うことも決まっており、また、ブルーオリジン社では7月20日に初打ち上げとなる有人ニューシェパードの1席をオークションの落札者に提供すると発表するなど民間企業による宇宙旅行ビジネスが爆発的に加速している。

 スペースアクシオム社が計画している宇宙ホテル計画も予定より早い時期に実現するのではと思われる。宇宙は手を伸ばせば(かなりの無理が必要だが)届くところまでに近づいてきた感じがする。



日本人宇宙旅行者 第1号はユーミン!?

2021年03月05日 | 宇宙開発
ビッグニュースが飛び込んできました!

2021年12月に打ち上げられるソユーズMS20に搭乗して日本人初の宇宙旅行者となる
Japanese female Pop star は、ユーミンこと松任谷由実さんのようです。

2021/2/13ブログ→日本人宇宙旅行者 第1号は女性ミュージシャン!?
2021/2/6ブログ→2021年は宇宙旅行元年!

ソユーズMS20: Tourlist 2 Japanese female Pop star


この情報をツイッターで発信したのは、宇宙飛行に関するリサーチをしているTony Quineさん。

*Tony Quineさんがツイッターにアップしてある写真

ツイッターによるとモスクワからの情報筋としてソユーズMS20に搭乗する2番目の旅行客として
Japanese singer Yumi Matsutoya と確認されているが、ユーミン本人および松任谷由実 Official、
roscosmos、SpaceAdventures、glavkosmosJSCから正式な発表はないので正式なコメントが出さ
れるのを待っているとのこと。

注:roscosmosはロシア宇宙開発全般を担当する国営企業。SpaceAdventuresとglavkosmosJSCは
米と露の宇宙旅行会社。

いや~これはスゴイことです。ユーミンが宇宙に行く! ユーミンがISSに乗る! ユーミンがISSから
地球を眺めて、宇宙から地球に向かってメッセージを送る! 考えただけでワクワクします!

ユーミンは1990年8月にソ連のバイコヌール基地に行ってソユーズの打ち上げを見ています。そのドキュメンタリー番組のテーマソングがアルバム「天国のドア」のラストナンバーである「SAVE OUR SHIP」です。*TBS-TV宇宙プロジェクト「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」1990年11月23日O.A.

ソユーズのリフトオフを間近で見たユーミンは、その瞬間に地球の質量全体を感じてしまうかのような、地鳴りのような音を感じてその場に座り込んでしまったのですが、その映像がとても印象深く記憶に残っています。あれから30年、ユーミンがあのソユーズに乗って宇宙に行くとは…、感無量です。

…と、ユーミンの宇宙旅行が決まったかのように話していますが、今年のソユーズ打ち上げは他にも宇宙旅行者が搭乗する予定もあり、過密スケジュールの中でかなり混乱しています。MS20の前に打ち上げられるMS19では女優が搭乗して宇宙で映画を撮影する計画もあるようです。今後計画が変更になることもあるかと思われますが、ぜひユーミンさんには宇宙に行って日本をそして世界を元気づけてほしいですね。

そして、宇宙船地球号をユーミンさんの力で

「SAVE OUR SHIP」

してくれることを願っています。



更新されたスケジュール表


もしユーミンさんの宇宙旅行が確実となったら…その時はTBSで「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」を再放送してほしいなぁ~ 番組の中でユーミンは宇宙服を着てソユーズに体験搭乗しています。


ソコル宇宙服を試着するユーミン


ソユーズのコックピットに着座するユーミン
*TBS-TV宇宙プロジェクト「宇宙の風・ロシアの風・ユーミン」より

日本人宇宙旅行者 第1号は女性ミュージシャン!?

2021年02月13日 | 宇宙開発
Space Shuttle Almanacさんがツイートしていた
今後のISSに関するローンチ・スケジュールを見ていたところ…


2021年12月に打ち上げられるソユーズMS20の搭乗員として
Tourlist 2 Japanese female Pop star と記載されているのを発見した。

今年12月に打ち上げられるソユーズMS20は2/6のブログ「2021年は宇宙旅行元年!」で
紹介したように Space Adoventurs社によるISSツアーの9回目である。

リフトオフ予定日  便名     使用宇宙船     乗客数  ツアー会社     日程
A2021年10月  Inspiration4   スペースX(レジリエンス)  4名  なし(チャーター便)2~4日間
B2021年12月 ISSツアー(9th)    ソユーズ     2名  Space Adoventurs  10日間
C2022年1月    Ax-1    スペースX(レジリエンス)  4名  AXIOM space    8日間       
D2021年~22年 Crew Dragon mission スペースX(未定)4名  Space Adoventurs  3~5日間
E2023年6月   ISSツアー(10th)    ソユーズ     2名  Space Adoventurs  14日間
F20XX年X月  DSE-Alpha   ソユーズ+ブースター  2名  Space Adoventurs  10日間

2019年2月19日にSpace Adoventurs社とロシアのロスコスモス社は、2021年後半に2人の宇宙旅行者をISSのロシアセグメントへ短期間旅行させる実施契約を締結している。

スペースアドベンチャーズの共同創設者兼会長のエリック・アンダーソンは雑誌の取材に対して「2021年12月のツアーに2人のプライベート宇宙飛行士が申し込んでいるが名前を発表することは時期尚早である。」と述べているため明らかにはされていない。

上記のローンチ・スケジュールは宇宙飛行士名およびISS滞在期間など現時点での予定が正確に記載されており、昨年メディアがISSで映画を撮影する予定と発表して話題となったトム・クルーズが2022年11月にクルードラゴンでISSへ向かうことも具体的に書かれている。

以上のことから、12月に出発する宇宙旅行者の一人は日本人女性ミュージシャンということは確かだと思われる。ただし、本人がキャンセルしなければの話である。過去に史上4人目の宇宙旅行者として日本人が決まっていたが健康上の理由でキャンセルしたため、バックアップクルーのアニーシャ・アンサリが乗ることになった経緯がある。

さて、最も気になるところ…そのミュージシャンとは誰なのでしょう? 旅行者は Pop star とあるのでミュージシャンというよりは歌手またはアイドルとも考えられますが…

宇宙に大きな興味を持っている人で宇宙旅行をしたいと考えている方…というと、あの方かと思いますが、どうでしょう? 出発までにはそれなりの訓練もあるのでアメリカ在住の方…と考えるのが自然だと思いますが…

発表はいろいろな意味で夏以降になると思われますが、発表が楽しみですね。

ブルーオリジン テストフライト(NS-14)

2021年02月10日 | 宇宙開発
ブルーオリジンは米アマゾン・ドット・コムのCEOであるジェフ・ベゾス氏が所有する宇宙航空
企業です。2016年に世界で初めて再利用ロケットの垂直着陸を成功させています。→過去ブログ


2018年4月29日に行った8回目のテストフライトで目標の高度100kmに達してからは、2019年に
3回、2020年に1回のテストフライトを連続で成功させている。

そして、14回目となるテストフライト(NS-14)が今年1月15日に実施された。今回の様子を
見るとこれまで課題になっていた点がかなり改善されており、商業運用は目前と思われる。

今回のテストフライトの映像はこちら→Mission NS-14 Webcast
リフトオフ映像は51:40から始まる、1:03:58から始まるダイジェスト版も見応えがある。



ニューシェパードに搭乗するプライベートアストロノーツは自分の足でタワー横の階段を
昇り、自分が乗るロケットを間近に見ながらクルーカプセルへと向かっていく。

クルーカプセルの窓はこれまでのどの宇宙船よりも大きく、カプセルの面積の1/3を占める。
乗員が360°見渡せるように毎秒2~3°の角度でカプセルが回転するようになっている。


リフトオフ後は最大で3Gの加速度を受けながら最大速度マッハ3で上昇する。


映像後半、ダイジェスト版1:05:50から始まる射点真上からドローンを使って撮影した映像
は、映画「アポロ13号の」のワンシーンを思わせるようなアングルで迫力満点である。






ロケットは2分20秒後、高度570km付近でメインエンジンがオフになり、2分40秒後に
ブースターとクルーカプセルが切り離される。その後速度は徐々に遅くなり4分00秒後に
遠地点の104kmに到達し自由落下を始める、無重力体験ができる時間は約4分間である。

ブースターはロケットを噴射しながら減速を続け…


リフトオフから7分20秒後にタッチダウンする。



前回のテストではパラシュートで降下するときにカプセルが不規則に回転していたが
今回は改善されているようで、ゆっくり回転しながら降下を続けていた。


タッチダウン時の衝撃も前回までのテストではかなり大きいように感じていたが、絶妙な
逆噴射で衝撃はほぼ無いように見えた。


こちらは船内カメラで撮影したリフトオフからタッチダウンまでの様子

↑画像をクリックすると動画が始まります。(2017.12.12のテストフライトより)

ブルーオリジンは当初、2019年から商業飛行を開始する予定であった。コロナ禍もあり、
開発に遅れが出ていることは否めないが、今回のテストはクルーカプセルのアップグレードに
重点を置いていたので、開発は最終段階と思われ、この秋には商業飛行を始める予定なのでは
と考えられる

ジェフ・ベゾス氏がアマゾンの最高経営責任者(CEO)を2021年7~9月期(第3四半期)に退任
し宇宙開発に注力を注ぐと述べていることが、そのことを裏付けていると思われる。

イーロンマスクもジェフ・ベゾスも宇宙開発の資金を集めることを目的として副業を行っている。
それがテスラでありアマゾンである。スペースXがいち早く商業飛行計画を発表したことを逆手に
とって商業宇宙飛行一番乗りをブルーオリジンが行うことは十分考えられる。

2021年は宇宙旅行元年!

2021年02月06日 | 宇宙開発
いよいよ民間人が宇宙旅行に行ける時代になりました!

野口宇宙飛行士が搭乗したスペースXCrew-1の成功を受けて
クルードラゴン宇宙船を使った商業宇宙旅行が本格的に始まります。

スペースXの他にもブルーオリジンのニューシェパードやソユーズ宇宙船など
今年中に商業宇宙旅行を始める計画(ソユーズは再開)が目白押しです。

宇宙旅行といっても具体的にはどのようなツアーなのか、
気になるお値段はいくらなのか、気になりますよね~。

そこで現在計画されている宇宙旅行スケジュールを辿りながら
その疑問を解き明かしていきましょう。

その前に宇宙旅行の基本事項ポイントを押さえておきましょう。

現在計画されている宇宙旅行には3つの種類があります。

その1〈軌道宇宙飛行〉Orbital space tourism
これは宇宙船に乗って地球周回軌道を回るツアーです。
ISSに滞在するツアーでは通常6~8日間の宇宙旅行となります。
ISSに寄らず地球周回のみの場合は2~4日間程度の旅となります。

このツアーの目玉は何と言っても長い時間美しい地球を眺められることです。
宇宙船は90分で地球を1周します。無重力空間を楽しみながら見る地球は
一生の思い出になること間違いなしです。

その2〈準軌道宇宙飛行〉Sub-Orbital space tourism
こちらはロケットで高度100kmまで上昇し、そこから自由落下しながら
丸みを帯びた青い地球と黒い空、無重力体験を楽しむツアーです。
ブルーオリジンのニューシェパードを利用した場合、搭乗時間は
わずかに10分ほどですが、安全性が高く安価であることが魅力です。

その3〈月周回宇宙飛行〉Lunnar mission
これはロケットに乗って月まで行って戻ってくるツアーです。
旅行期間は約10日間です。その内訳は地球軌道上で2日間、月までの
行程が5日間、45分間で月軌道を1周して、自由帰還軌道で2日間
かけて地球に戻り、地球軌道を離脱して太平洋上に着水します。

高度100kmの低軌道から月面を見ることのできる時間は
わずかに45分間ですが、これまで月の裏側を見た人は、
アポロ宇宙船で月に行った24人だけです。月の表とは
真逆の荒涼とした裏月面ウオッチングは、あなたの人生観を
変えるのに十分すぎるエキゾチックな体験となります。

それでは現在発表されている宇宙旅行スケジュールを見てみましょう。

 リフトオフ予定日  便名     使用宇宙船     乗客数  ツアー会社     日程
A2021年10月  Inspiration4   スペースX(レジリエンス)  4名  なし(チャーター便)2~4日間
B2021年12月  ISSツアー(9th)    ソユーズ     2名  Space Adoventurs  10日間
C2022年1月    Ax-1    スペースX(レジリエンス)  4名  AXIOM space    8日間       
D2021年~22年 Crew Dragon mission スペースX(未定)4名  Space Adoventurs  3~5日間
E2023年6月   ISSツアー(10th)    ソユーズ     2名  Space Adoventurs  14日間
F20XX年X月  DSE-Alpha   ソユーズ+ブースター  2名  Space Adoventurs  10日間

〈補足説明〉
A:Shift4ペイメントの共同創設者兼CEOであるジャレッド・アイザックマンがスペースXからロケットとクルードラゴンをチャーターして飛び立つ世界初の民間人だけによる宇宙旅行ミッションです。ジャレッド以外の乗組員は現在選考中で3月に発表される予定です。ISSには寄航せず自動操縦で地球を周回し帰還します。使われる宇宙船は現在ISSに係留してあるレジリエンスであることをスペースX社が発表しています。

B:スペース・アドベンチャーズ社が2001年から行っているISSツアー企画で、これまでに7人の民間人をISSへ送り出しています。このツアーは2011年のスペースシャトル引退に伴いソユーズの一般利用ができなくなったためしばらく保留になっていましたが、クルードラゴンによる人員輸送が可能となったことから2019年6月にNASAが宇宙観光用にISS開放を許可したことでツアーが再開されました。費用はツアー開始時(2001年)は2000万ドルでしたが最終的には3500万ドル(35億円)まで高騰しています。今回の費用は公表されていません。

C:アメリカのベンチャー企業であるアクシオム・スペース社が企画している宇宙旅行です。すでに4名の乗組員が発表されており、アクシオム・スペース社の副社長で元NASAの宇宙飛行士であるマイケル・ロペスが司令官として搭乗します。不動産会社のマネージングパートナーであるラリーコナーがミッションパイロットとして、他にMAVRIK社のCEO兼会長のマーク・パシーと元イスラエル空軍のパイロットであるエイタン・スティベが搭乗します。費用は5500万ドル(約60億円)。ISSに8日間滞在します。使用する宇宙船はこちらもクルードラゴンのレジリエンスです。

D:こちらはスペース・アドベンチャーズがクルードラゴンを使用して行う宇宙旅行で観光用に4つの座席が提供されています。費用は1座席5500万ドル(約60億円)です。このツアーは宇宙飛行士が乗らず完全自動操縦で運用されます。そして特筆すべき点はISSには寄らずにISSの3倍以上の高度に達する高楕円軌道に挿入されることです。この軌道の遠地点ではジェミニ11号が1966年に達成した高軌道記録(1373km)を超えることになります。ISSの高度は約400km、スペースシャトルの最大運用高度は610kmだったのでそれをはるかに超える高度となります。このツアーの目玉は、惑星地球をより実感できる視点から丸い地球を眺められることにつきます。日程は3日間(最大で5日間)となっています。

〈参考資料〉ジェミニ11号が高度1373kmから見た地球



E:スペース・アドベンチャーズ社による10回目のISSツアーです。こちらはISS滞在期間が14日間に延長されており、オプションとして90分間の船外宇宙遊泳が用意されています。オプションツアーに参加する場合は1500万ドル(15億円)の追加費用が発生します。船外宇宙遊泳は地球と直接対峙することができるので宇宙船の窓から見る地球を遥かに超えたまさに神の視点で美しい地球を見ることができます。

F:こちらはスペース・アドベンチャーズ社による月周回飛行ツアー企画です。すでに予約販売が始まっており、1席は2007年に1億ドル(100億円)で予約が入り、もう1席も2011年に1億5000万ドル(150億円)で売却され、すでにSold outとなっています。ソユーズは1962年に設計された古い宇宙船ですがそもそも月周回を意図して作られた宇宙船なので月周回は特に問題ないということです。地球軌道上でドッキングするブースターはゼニット・ロケットブースターを予定していますがソフトウエア等の準備のため実質的な計画は未定となっています。

さて、今回は、おもに軌道宇宙飛行(Orbital space tourism)について紹介しましたが、2021年のトップを切って民間宇宙旅行を成功させるのはブルーオリジンのニューシェパードではないかと、個人的には思っています。

長くなったので、続きは次回のブログで~。

野口宇宙飛行士 3度目の宇宙へ!

2020年11月16日 | 宇宙開発
野口宇宙飛行士が米国商業有人宇宙船 クルードラゴンに搭乗して3度目の宇宙へ出発しました。


今回のクルーは4名、左からシャノン・ウォーカーさん。2010年6月16日から11月26日までの第24次/第25次長期滞在に続き今回が2回目の飛行となります。左から2番目はビクター・グローバーさん。今回が初飛行です。野口宇宙飛行士のおとなりのマイケル・ホプキンスさんは2013年9月26日から2014年3月11日まで第37次/第38次クルーとして長期滞在しました。今回が2回目の飛行です。そしてNASAの切り込み隊長こと野口宇宙飛行士は、2005年STS-114ミッション(2005年7月26日~8月9日)、2009年第22次/第23次長期滞在(2009年12月21日~2010年6月2日)に続き今回が3回目の飛行となります。


今回の打ち上げを見て思ったのは、さすが3回目の飛行となる野口宇宙飛行士は、スペースシャトルとソユーズを経験しているだけあって4人の中で一番余裕がありましたね。終始リラックスした表情でした。



今回NASA TVを見てておもしろいなぁと思ったのは、クルードラゴンに搭乗する前に
宇宙飛行士のみなさんが壁にサインをしているところです。

ソユーズの打ち上げではガガーリン以来恒例となっている出発時にホテルのドアにサインする
験担ぎ的行事がありますが、スペースXでも同じようにサインをしていることに興味を持ちました。

こちらは2009年ソユーズに乗り込む前の野口宇宙飛行士。
ホテルの壁にサインをしています。野口宇宙飛行士はサウスポーのようですね。


初飛行となるビクター・グローバーさんいい表情してますね。
映画のワンシーンのような一コマです。

左の背中は野口宇宙飛行士です。いよいよクルードラゴンに搭乗します。



スペースX社製品は全てが近未来的なデザインです。クルードラゴンにはフェアリング
がなくて脱出用ロケットも一体型です。


いよいよ最終シーケンスです。発射30秒前…


リフトオフ! ファルコン9ロケットが闇を切り裂いて力強く上昇していきます。


スペースシャトル退役から9年後にこのような近未来的なロケットが民間企業による
商業有人宇宙船としてリフトオフするとは全くもって想像できませんでした。


人類が宇宙へ進出する新たな時代のスタートです。




ベピコロンボ・地球スイングバイ

2020年04月11日 | 宇宙開発
本日(4/10)は、水星探査機「ベピコロンボ」地球スイングバイ・デーです。

はやぶさ2のスイングバイの時は都合がつかず撮影できなかったため、本日が探査機のスイングバイ撮影初試みです。

ネット情報では、明るさが13~15等級ぐらいということですが、移動している飛行体なので同じ等級の恒星を撮影するよりは難易度が高くなります。

撮影可能時間は薄明終了(19:42)から月出時刻(20:46)までです。場所としては南の空が暗くて、その時間に比較的天気がよいところということで、本日は閖上近辺としました。

風が強く、雲も流れていますが、雲間を見て撮影することにしましょう。ベピコロンボはろくぶんぎ座を通過中のはずです。



なかなか確認できませんでしたが、かろうじて写っていました。

020.4.10 20:21~20:24 D810A SE200N ISO8000 10sec×5

今回のスイングバイは移動量が、3 分角/分だったのでかなりゆっくりめでした。事前の勉強不足で撮影はうまくいきませんでしたが、なんとか「みお」を見送ることができました。

2025年12月5日水星周回軌道投入まであと8回のスイングバイがあります。無事に軌道投入となればマリナー10号、メッセンジャーに続いて世界で3番目の水星探査機となります。
がんばれ!BepiColombo「みお」MPO!!