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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

Falcon Heavy Demo Mission(その2)

2018年01月14日 | 宇宙開発
「Falcon Heavy Demo Mission」のその2です。

打ち上げられたチェリーレッドのテスラ・ロードスターはその後どうなるのかまとめました。


リフト・オフ後、高度220kmでフェアリングがはずされ…

credit:SpaceX


第2宇宙速度に達した時点でロードスター分離!

credit:SpaceX


火星軌道付近まで到達

credit:SpaceX


その後は火星軌道付近を遠地点とする惑星軌道に乗り…

credit:SpaceX


地球ー火星軌道を…

credit:SpaceX

少なく見積もっても10億年ほど周回するそうです。

ふ~む、ふむ。近地点に来たときは、タイミングによっては秒速12kmのロードスターが地球近傍を通過するということですね。すごすぎます!

デモ動画はこちら
Falcon Heavy Demo Mission Simulation
Falcon Heavy Demo Simulation




Falcon Heavy Demo Mission

2018年01月03日 | 宇宙開発
久々の宇宙開発ネタです。

イーロン・マスク率いるSpaceX社が「Falcon Heavy Demo Mission」でダミーペイロードに載せる搭載物を発表しました。ファルコン・ヘビー・ロケットはマスクが計画している人類火星移住計画を実現するためのロケットですが、記念すべきデモフライトに載せるのは、なんと…、

チェリーレッドのテスラ・ロードスター(エレクトリック・スポーツカー)です。

credit:SpaceX

このデモフライトは、ワンウェイ・フライトです。

credit:SpaceX

チェリーレッド・ロードスターはこの状態で永遠に宇宙を飛び続けます。

credit:SpaceX


12月28日には発射台へのテストセットも無事終了。


全長70mは、現時点で世界最大のロケットです。
1月中のテストフライトに向けて最終調整を進めています。

落下までのカウントダウン…天宮1号

2017年12月20日 | 宇宙開発
中国の宇宙ステーション天宮1号の軌道高度が280kmまで下がってきました。

その天宮1号が12月20日に仙台上空を好条件で通過した。

以下、その撮影記録と観望レポートである。

本日の通過経路


イベントデータ


高度が下がってきているので直距離は293kmしかない。長さ10mほどの飛翔体の明るさが0等級というのも驚きである。

通過時の太陽高度が-7°であるため、撮影時の空はかなり明るく、また薄雲が広がっているため2等級がやっと見える程度の状態であった。そのため固定撮影の写真は露出オーバーになり軌跡がかすかに写っている程度であったが、C90MAK(f1,250mm)を使用した拡大撮影ではなんとか飛翔体を捉えることができた。

天頂通過時撮影

2017.12.20 06:14:41. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

明るさはアークトゥルス(-0.05等級)とほぼ同じ

2017.12.20 06:14:47. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

低軌道のためか移動速度はかなり速く感じた。

2017.12.20 06:14:48. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

天宮1号は遅くとも3月までには落下するものと考えられているが、実際のところはどうなのだろう? 過去に起きた人工衛星落下のケースから考えてみよう。

<ケース1・サリュート7号>
 1991年2月7日に制御できない状態のままアルゼンチン上空で大気圏再突入 燃え尽きなかった一部の残骸は地上に飛散。質量19.7t 、サイズ16m×4.15m 落下直前の軌道高度 219km×278km

<ケース2・UARS>
 2011年9月24日に大気圏に再突入 26個の破片、500kg程度の落下物(高度が150kmを下回った直後に大気圏へ突入) 質量 5.9t  サイズ12m×3.7m (大型バス12m×3,7m 程度)

<ケース3・ROSAT >
 2011年10月23日に大気圏に再突入 質量 2.6t サイズ4m×2.6m 軌道高度が、177 x 185 kmまで低下した頃に大気圏に突入したもよう

<天宮1号のデータ>
質量 8.5t サイズ10.4m×3.35m ( 中型バス9m×3.5m程度)

以上のデータから天宮1号はサイズ的にはUARSに近いものの、重量が8.5tと重いため200kmを切った時点で落下するものと考えられる。現在の軌道高度は273km×300kmなので、2月中旬以降はかなり危険な状態になるだろう。今後の推移を見守ることにしましょう。

X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)

2017年03月11日 | 宇宙開発
2016年2月17日に打上げ後、制御不能となったX線天文衛星「ひとみ」…

現在も、不規則回転をしながら軌道上を周回していますが、その様子が
仙台でも観測できるようなのでチャレンジしてみました。

(本日のイベントデータ)
Appears 18h37m27s 8.9mag az:244.4° WSW horizon
at Meridian 18h43m27s 4.6mag az:180.0° S h:28.6°
Culmination 18h43m42s 4.5mag az:173.3° S h:28.8°
distance: 1054.2km height above Earth: 569.5km elevation of Sun: -13°
angular velocity: 0.42°/s
Disappears 18h45m58s 4.8mag az:126.8° SE h:18.2°

ふ~むふむ、真南を通過する時間は…18時43分27秒ですね。
光度は、最大で4.5等級、薄明終了30分前で満月前夜…

こ~れは、かなり厳しいですね~。

で、本日の観測計画です。
撮影は、得意の待ち伏せ作戦です。方位:真南、高度:28度付近を
ターゲットとして、ISO1600で5秒露出の連続撮影です。

撮影はデジカメにお任せして、あとはひたすら双眼鏡で探すことにしましょう。

本日の空模様はこんな感じ 星座線入りの写真はこちら→PHOTO

2017.3.11 18:39:59 NIKON D90 F6.3 f38mm ISO800 5sec

時刻はまもなく18時42分になります。カメラの連続撮影をスタートさせましょう。
ASTRO-Xは、総重量が約2.7トン、望遠鏡伸展後の全長は14mのかなり大きな衛星です。

異常回転後は遠心力で太陽電池パネルと伸展式光学ベンチが外れた状態で飛行している
ようですが、どのように見えるのでしょう? そもそも双眼鏡で見えるのでしょうか。

…などと考えながら、真南に向けた双眼鏡を西へ移動させた瞬間、視界に明滅する光点が
飛び込んできました。わゎ、なんだこれは…? フラッシュのように強く輝いて…しかもカラフルです。

オレンジ色というか、深紅といったらいいのか、複数の色が混じっているような…。
1秒弱の間隔で3回強く光って、4回目が暗く光る…のパターンで規則的に明滅しています。

明滅は衛星の回転によるものだとすると、かなりの高速回転をしていることになります。

フラッシュ光が強かったので、楽に写るかと思いきや…

2017.3.11 18:43:13 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

月明かりに阻まれ、かろうじて写っている…といった感じです。

2017.3.11 18:43:18 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

真南を通過! 時刻も高度も予測とぴったり一致です。

2017.3.11 18:43:24 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

こちらは上記写真のトリミング拡大図


本日の最大光度は4.5等級…、冷静に考えるとかなり厳しいはずです。

2017.3.11 18:43:29 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

光害のない場所で、新月期に見れば肉眼でも十分見えるはず…。

2017.3.11 18:43:34 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

衛星の軌道高度は570kmですが、その後の動向が気になります。

2017.3.11 18:43:39 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

ASTRO-Xは、明日も、ほぼ同じ時刻を同じ条件で飛行するようです。

ブルーオリジン

2016年01月03日 | 宇宙開発
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

さて、本年最初のブログは昨年のクリスマスに飛び込んできた宇宙開発ニュースで~す。
すでにご存じのように、米スペースX社がロケットの垂直着陸に成功しました。

以下、2015.12.25付 ナショナルジオグラフィック・ニュースより 

「ロケットの垂直着陸に成功、ファルコン9で2例目」
〈打ち上げコストを下げる再利用ロケットの開発に拍車〉
「米スペースX社が打ち上げた地球低軌道への打ち上げ能力をもつファルコン9が日本時間の22日、
打ちあがったのちに地球に帰還し、低コストで探査機や人を宇宙に送り込める再利用ロケットの時代に
先鞭をつけた。」

「今回の成功は華々しく取りあげられているが、実は無人ロケットが地球に垂直着陸するのは
今回が初めてではない。米アマゾン・ドット・コムのCEOであるジェフ・ベゾス氏によれば、11月に
同氏が所有する宇宙開発企業のブルー・オリジン社が、米国テキサス州でもっと小型のロケット
「ニュー・シェパード」の垂直着陸を成功させている。」

ほひょ~、こ~れはびっくりです。ファルコン9がついに垂直着陸に成功したのも驚きですが、それ以前にブルー・オリジン社が成功していたとは、全く知りませんでした~。

とっても興味があるので、このブルー・オリジン社についてメモしておくことにしましょう。

*ニューシェパード弾道飛行システム*
ブルー・オリジン社は2015年11月23日、開発中の「ニュー・シェパード」の飛行試験に成功した。

飛行試験はテキサス州にある同社の試験場で行われ、ロケットは打ち上げ後高度100.5kmに到達し、その後地上に着陸した。またロケットの先端に搭載されていたカプセル部分は上空で分離され、パラシュートを使い地上に着陸した。(打ち上げからランディングまでの様子↓YouTube)


クルー・カプセル回収の様子はこちら→YouTube
ニューシェパード弾道飛行システムイメージビデオはこちら→YouTube

*ニューシェパード弾道飛行システム初打ち上げ*

2015年4月29日、初打ち上げが実施された。機体は高度93.5km、最大速度マッハ3に到達、クルーカプセルの分離ならびに回収は成功したが、打ち上げ機の回収は失敗している。

*ブルーオリジン社*
ブルーオリジン (Blue Origin) とはAmazon.comの設立者である、ジェフ・ベゾスが設立した航空宇宙企業である。2009年にNASAの商業有人宇宙輸送開発(英語版) (CCDev) 計画の候補として選ばれており、将来の有人宇宙飛行を目的とした事業を進めている。 同社は民間資本で大幅に宇宙旅行を安くして、尚且つ信頼性を高める技術を開発中である。弾道飛行から軌道周回飛行へ進めている。同社のモットーはラテン語で"段階的に積極的に"を意味する"Gradatim Ferociter"である。

ブルー社はロケットを動力とした垂直離着陸機 (VTVL) を弾道飛行と軌道周回飛行を目的とした幅広い技術を開発中である。設立当初は準軌道飛行に焦点を置いており、ブルーオリジン・ニューシェパードと呼ばれる宇宙船をテキサス州カルバーソンカントリーの施設で開発していた。当初の計画では、ニューシェパードによる商業弾道飛行は2010年にも週に一回行われる予定であったが、2008年に公表された予定では無人飛行が2011年、有人飛行が2012年へと延期されている。無人飛行は、最終的に2015年に達成された。

ふ~むふむ、ここまで完成されているとは驚きですね~。
気になる安全性ですが、打ち上げ時の緊急エスケープシステムはすでにテスト済み→YouTube
のようです。クルーカプセルのランディンに逆噴射ロケットは使っているのでしょうかね~。ビデオの様子を見るとかなりの衝撃だと思うのですが…。

ブルーオリジン社は2000年に立ち上げられたヴェンチャー企業ですが、その活動内容についてあまり多くは明らかにしておりません。現時点での様子を見ると、商業ベースでの宇宙旅行(弾道飛行)もかなり早い時期に始まる可能性がありますね。

関連ニュース→sorae.jp2015.9.23sorae.jp2015.5.1


そうそう、米スペースX社が垂直着陸成功2例目とありましたが、ファルコン9は高度200kmからの回収で、しかも軌道周回用ロケットの回収なので、レベル的にはニューシェパードの上を行ってます。その点では世界初の快挙と言えるでしょう。

*米スペースX社の「ファルコン9」ロケット、衛星打ち上げと第1段機体の着陸に成功*
米国東部標準時12月21日20時29分、ファルコン9は、米国ニュージャージー州に拠点を置く衛星通信企業、オーブコム社の小型通信衛星11機を搭載し、発射台から打ち上げられた。地球上空約200キロまで急上昇した後、重量物を運び推進するロケット1段目がくるりと向きを変え、帰還を目指した。着陸地点に近づくと、15階建てのビルに相当するロケットがエンジンを点火し、着陸用の脚を開き、水蒸気交じりのオレンジ色の炎を輝かせながら着陸。地球を飛び立ってから、わずか10分後のことだった。

9分間露光した写真。発射と着陸時の両方の軌道が写っている。

(Photograph by SpaceX handout, Anadolu Agency, Getty Images)

今回の着陸は、「吹き荒れる風の中で、鉛筆を発射し、エンパイアステートビルを越え、
ぐるっと反転して戻ってこさせ、地面に置いた靴箱の上に着陸させる」ような快挙です。

ファルコン9が米国フロリダ州ケープカナベラルの発射地点から約10キロ離れた場所に着陸した
直後のテレビ中継で、ゲストのティム・アーバン氏はそう評している。

PHOBOS-GRUNT RE-ENTRY TODAY

2012年01月15日 | 宇宙開発
SpaceWeather.comにPHOBOS-GRUNTのRE-ENTRY情報がアップされました。

PHOBOS-GRUNT RE-ENTRY TODAY
(SpaceWeather.com Sunday, Jan. 15, 2012)

ロシアの火星探査機「PHOBOS-GRUNT」が本日、明るい火球となって
大気圏に突入します。落下地点はまだ特定できません。

最新の情報では1月15日17:00~22:00(UT)に落下すると見積もられています。
Aerospace社はその時間に通過する地域(ground tracks)を公表しています。


<補足>
いよいよPHOBOS-GRUNTが大気圏に突入します。
Aerospace社は日本時間の1月16日午前2:00~午前7:00に突入すると予測しています。
この予測が正しければ日本への落下の可能性は極めて低くなります。

しか~し、Roscosmos社はそれより早い時間の落下を予測しています。

こちらは現在、各機関が発表している落下予想時刻の情報…、


PHOBOS-GRUNTの運営管理機関であるRoscosmos社の落下予想時刻は
日本時間の16日午前3時30分(±4時間)です。ふむふむ…、

この場合、突入が最も早まった時は日本上空を通過することになります。

時間は午前1時25頃、東京上空です。

たぶん落下時刻は遅れるので、日本上空での大気圏突入はないでしょう。
とにかく明朝までには確実に大気圏に突入すると思われます。

今後の情報を待つことにしましょう。

ROSAT - latest news

2011年10月23日 | 宇宙開発
昨日の観測で軌道高度が、177 x 185 kmまで低下したROSAT、

DLR:ドイツ航空宇宙センターの発表(11時45分)によりますと、どうやら
日本時間の10時45分~11時15分の間に大気圏に突入したそうです。

現時点ではデブリが落下したという報告はないそうです。

推定される大気圏突入地点は下図の赤ライン上…、

ライン上に位置する国は、ミャンマー、タイ、ラオス、中国、ロシア、です。

ROSATの破片もこのライン上のどこかに落下したものと思われます。(もし、突入が
11時15分頃の場合は、破片がサハリン(樺太)沖まで到達する可能性があります。)

いずれの地域も夜ではなく午前中なので、落下の様子は見えなかったことでしょう。
人的被害がないことを願いますが、正確な情報はまだありません。
今後の情報を待つことにしましょう。


<追記>
Spaceweather.comに突入位置情報がアップデートされました。
ROSAT RE-ENTRY UPDATE: (Sunday, Oct. 23, 2011)
the massive X-ray observatory re-entered Earth's atmosphere on Oct.
23rd at 01:56 UTC +/- 09. Best-fit coordinates (21.33°N, 100.32°E)
suggest a re-entry over Northern Thailand.

この情報によるとROSATはタイ北部上空で大気圏に再突入したようです。
突入時刻:日本時間23日10時56分(北緯21.33°、東経100.32°)

ROSAT情報(21日)

2011年10月21日 | 宇宙開発
21日現在の軌道高度は、189 x 195 km (Epoch Oct 21)です。

ついに200kmを割りました。昨日より高度が10km下がっています。
UARSの時は高度が150kmを下回った直後に大気圏へ突入しました。

このまま高度が下がると23日の早い時間に落下するでしょう。

最新の情報では、23日09時35分に仙台の真上を通過します。

速度はさらに低下するので通過コースは太平洋側に移動するものと思われます。
明日になると落下時期や場所がかなり限定されてくることでしょう。

今後のアップ・デートを待つことにしましょう。

ROSAT情報

2011年10月20日 | 宇宙開発
10月20日現在のデータによるとROSATの軌道は、200 x 205 km、

大気圏突入時期はやや早まって、10月23日の早い時間(UT)だそうです。
日本時間に換算すると…、23日09時~23日16時頃と思われます。

この時間帯の日本上空通過は2回あります。

1回目は、09時45分ごろ

日本縦断コースです。仙台の上空も通過します。

2回目は、15時54分

北海道横断コースです。

大気圏突入まであと3日…、軌道降下の推移を見守ることにしましょう。

ROSAT(X線観測衛星)最新情報

2011年10月18日 | 宇宙開発
SpaceWeather.comにROSATの最新情報がアップデートされました。

ROSAT DECAY UPDATE:(Tuesday, Oct. 18, 2011)
堅牢な観測衛星(ROSAT)は地球へ向かって降下を続けています。
最も新しい分析では10月23日12時頃(UT)に大気圏に突入すると
予測されています。まだ10時間ほどの不確実性があるため、
落下地点については予測不能です。ROSATは1等星とほぼ同じ
明るさで上空を通過しますので、十分肉眼で見ることが出来ます。

<補足>
10月17日現在のデータによるとROSATの軌道は、217 x 221 km
まで降下したようです。

大気圏突入は日本時間の10月23日21時(+/-5時間)と予測されています。
分かりやすく表すと、10月23日16時~10月24日02時の間…となります。

10月23日は16時05分に北海道を通過する予報が出ていますが、今後
軌道の降下でさらに変わることと思われます。

落下時期がかなり限定されてきました。今後のアップデートを待つことにしましょう。