ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

見えない涙

2006年06月10日 | ノンジャンル
診察を待つ間、久し振りで、泣いている女性を見かけた。

患者本人であるが、欝状態でもあるのか、ぐすぐすと、いつまでも
泣いておられた。

病院にも、自助グループにも、もう繋がっている様子なので、
そっとしておいた。 
私自身、何もかもに絶望して、全てがどうでも
良くなり、気持ちの上で、自暴自棄になっていた頃を思い出した。

しかし、開き直るのではなく、自分を責めるのでも無いけれど、
いつかは、真摯に、冷徹に自分を見つめなければならない時が
来るであろう。

今、流している涙よりも、もっと多くの涙を家族が流してきた
かもしれない。今、辛い自分よりも、もっと辛い思いをさせてきた人が
いるかもしれないと。。。

この病気は、常に自分を中心に物事を考えさせる。周りに向かって、
考えが広がり、慮れるようになる事も、回復の一つの兆しである。

忘れないで欲しい。誰のせいでもなく、自分のせいで、
今の自分がある事を。お酒を自分の身体に入れて、この病気に
させたのは、自分自身である事を。

そして、今、流している涙よりも、遥かに多い、見えない涙が
ある事を。