ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

賛成討論

2022年12月17日 | 指定管理者制度

第四回定例会最終日に以下の賛成討論を行いました。

議案16号17号 指定管理者の 指定について 身体障がい者福祉センターの指定管理者、浦安市ソーシャルサポートセンターの指定管理者 賛成討論

私はこれまで一度も指定管理者制度導入議案に賛成をしたことはありません。浦安市議会では一貫して反対してきたのは私だけです。

何故反対してきたのか、それはこの制度導入の理由が本来公が行う仕事を民間にゆだねることの危険性を感じていたからです。

本来公が担うべき仕事を民間、それがたとえ社会福祉法人の名がつこうが、民間に運営を任すと、特に株式会社などの場合は、儲けの対象にされてしまう危険を孕んでいて、公の主たる目的である住民のサービスの低下を招きかねません。

この制度導入時に説明されたものに、民間の活力を導入してサービスUPと経費節減を図るとのことでした。サービスUPと経費節減、そんな都合のよいものなどあるはずがないと思ったからです。

 また、民間の運営となると、経費節減のために人件費の削減が行われかねず、社会問題になっている不安定雇用の温床になりかねないと考えました。

 また、これはやっと昨年実現しましたが、議案対象になっている事業所が何故選定され議会に上程されたのか、その根拠となる事業計画書・提案書を情報公開で見ることが出来ませんでした。本来であれば、議案審査の対象の資料として議会に提出されるべきものが、手元に配布されないでいました。にもかかわらず議会はそのことに全く無頓着で議案審査をして賛成多数で容認してきました

 このある意味議会がしてきた無責任性が結果的にこの10年間で、特に身体障がい者福祉センターですが、多大な損失を生んだことを本日指摘します。

一昨日の一般質問でも私が取り上げた身体障がい者福祉センター指定管理事業、この10年間の間にこの事業ではパワハラ事件が発生し、施設で市の許可もなく勝手に独自の事業が行われ、市から改善指示が行われました。この制度導入の目的である、サービスUPには程遠いものでした。

また、平成24年の公募時に市の財政負担策が公募要項で求められ、選定された事業所は生活介護と自立訓練の給付事業の展開で「初年度の実質的市負担分は指定管理料のおよそ47%に、10年目の最終年度、本年度ですが、市の財政負担を33%までに軽減され、10年間の総額約7億2千万の指定管理料のうち市の財政負担は4割弱になることが見込まれます」との提案をしていました。つまり、市の10年間の実質的負担額は約2億8800万円だったはずですが、現実は提案程には給付事業が延びず、市の負担は市の試算でも2億円近くになります。

本来であれば、議会は毎年予算・決算時に厳しい審査をして、市の負担を食い止める策を講じなければならなかった筈ですが、残念なことにこのことには全く手を付けて来ませんでした。提案書が手元にないので、チェックしようがなかったことも事実です。

私は平成24年11月、当時議案が上程された段階で、情報公開で事業所提案の提案書の開示請求を行いましたが、大半が黒塗りで何を提案したのかを知ることが出来ませんでした。あの時、手元に黒塗りでない提案書があったらばと悔やまれました。

 しかし、今回の指定管理者公募に当たり、担当の方は公募仕様書を大幅に改定してきました。10年前、市が提案を求めた市の財政負担軽減策は募集要綱に盛り込みませんでした。

提案書で求められたので選定事業者は、給付事業で市に莫大な利益をもたらし、市の財政負担を10年間では4割弱にしてくれるといった、ある意味では確証もない、不確かなものでも提案できるようなものは募集要綱に盛り込みませんでした。外しました。

では今回どのような内容での公募をしたかと言いますと、

「指定管理者制度に基づく事業と、自主運 営による実施事業を行っていただきます。 具体的には、指定管理者制度に基づく事業として、障害者の日常生活及び 社会生活を総合的に支援するための法律(以下、「法」という。)第77条第1 項第3号に規定する事業のうち、主に身体障がいに関する障害者相談支援事 業(委託相談)と、同項第9号に規定する事業のうち、身体障がい者を対象 とした地域活動支援センター(Ⅱ型)の運営を行っていただきます。 また、自主運営による実施事業として、法第5条第7項に規定する生活介 護事業、同条第18項に規定する特定相談支援事業を行っていただきます。 (指定管理者制度に基づく2事業、及び自主運営に基づく2事業、計4事 業を、基本事業として運営していただきます。」

このように10年前のモノとは内容を大幅に変更したことは、これまでの指定管理事業への反省・批判が無ければできるものではありません。この10年間、提案通りのことができていれば、今回のような募集要綱は絶対に生まれなかったでしょう。

また、当時10年間と言う長い期間にすることにより、安定した職場になり、安定した利用者さんへのサービスを期待できたはずですが、必ずしも現実は理想通りには行かなかった、だからこそ今回は期間も5年に短縮したのです。

行政は、前例主義が当たり前、それをあえてせず、経費の点でも期間の点でも大幅な変更を行ったことを私は大いに評価します。

同じ仕組みを継承することの方がどれだけ楽だったか、それをせず、敢えて新たな内容での公募をしたことは、少しでもいい内容のサービスを市民に提供したい、不確かな内容の提案は求めない、市民の負担を少しでも軽くするとの意思の現れではないでしょうか。

仕組みで問題があったら、新たなものを作る、この姿勢は大切です。新しい仕組みで結果がどのように出るか不安は沢山ると思いますが、新しい仕組みを編み出した職員さんの姿勢は、一指定定管理の募集の問題に留まらず、行政マンとして誇れる姿勢です。

私は根本的には指定管理者制度には未だ疑問があり批判的な立場ですが、この二議案については、制度批判に終始するのではなく、担当職員さんの前向きな姿勢を高く評価して賛成する次第です。

※市担当者の姿勢のみならず、この姿勢を良しとした市長の対応も見事でした!賛成討論で、この点も述べるべきだったと反省しています。


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