ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

液状化対策 12月議会 その1

2017年02月19日 | 液状化対策

12月議会でも液状化問題を取り上げました。

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次に、件名2、液状化対策について、要旨1、市街地液状化対策、細目1、経緯・目的・成果。
 平成25年4月から格子状地中壁工法による市街地液状化対策の説明が該当する地区、対象地区に対して開始されました。そのときのチラシでは、事業区域内の住民全員(土地権利者)の同意と、費用負担が必要と書かれていました。つまり100%の同意が必要条件だったわけです。そして、この100%の同意というのは、決して工事着工への同意だけではなくて工事前の調査、これについても100%を要求していたはずです。ところが、実際ふたを開けてみると、調査も100%なくても調査に着手し、工事もいつの間にか100%の同意がなくても1宅地あるいは2宅地飛ばしてもやるというふうに方針が変わっていきましたけれども、そこでお伺いいたします。
 なぜ当初、100%の同意を市民に要求したのでしょうか、理由をお示しください。

◎都市整備部長(宇田川義治君) 格子状地中壁工法につきましては、基本的に1宅地1格子の連続した地盤改良が必要となりますので、市では住民説明会などでは宅地所有者全員の同意が基本となりますが、できるだけ多くの宅地で事業を実施していきたいと、このように考えてございまして、あらゆる可能性を検討し、これまで取り組んできたところでございます。
 このことにつきましては、平成27年第1回定例会の会派きらりの総括質疑でも、これまでの市議会でも繰り返し答弁してございますが、宅地所有者全員の同意が至らなかった場合でも同意が得られた範囲で事業計画を作成するとともに、あらゆる可能性を調査・検討し、宅地所有者の皆様方と調整を図りながらできるだけ多くの宅地で工事が実施できるよう努めていくと、このように説明してございます。
 また、昨年7月から本年の3月まで各地区で実施した事業計画案に関する説明会におきましても、全ての宅地所有者の同意が得られなかった場合でも、連続した地盤改良工事が技術的に可能であり、かつ所定の性能目標を達成できる場合には、同意が得られた範囲で再設計を行うことを配付した資料に記載するとともに、具体的に説明してございます。
 ご指摘の点について、市の基本的な考え方は変わってございません。
 以上です。

 ◆(広瀬明子君) 市の基本的な考え方は変わっていないと。性能目標を達すれば100%同意がなくてもいいんだというお話なんですけれども、当初そもそも100%を要求したのは、より効果を高めるということであったんじゃないんでしょうか。それが1宅地あるいは2宅地飛ばしだと若干効果が薄れると、浦安の場合はそれはまずいと、ある意味では非常に厳しい。たしか国は、当時から3分の2の同意でもいいとこの工法に関しても言っていたと私は記憶しているんですけれども、浦安は100%同意宣言しているわけです。その理由というのは、では何で100%の同意を要求したんでしょうか。各家から、各所有者から負担金を出していただく、それも大きな理由の一つであったというのはわかります。理由はそれだけですか。ほかにも理由はあったんじゃないんですか。
 
◎都市整備部長(宇田川義治君) 100%の理由ということで、これまでは分担金がございますので、自己負担の関係から、議員ご指摘のとおり100%で目指すということで努めてまいりました。
 また、設計におきましても、宅地の不同意の方がいらっしゃった場合にそこで格子状の設計が組めるかどうか、そこのあたりもポイントになりますので、その点を総合的に勘案いたしまして、100%に至らなくても設計を進めていくと、そのようなことで考えてございます。

◆(広瀬明子君) では、当初100%を要求する必要はなかったということですか、よくよく考えてみると。性能もそんなに大きな変化はないと。100%の同意がなくても、3とか5宅地飛ばしというのはさすがに難しいと思うんですけれども、1宅地飛ばす、あるいは2宅地飛ばしても性能の目標を達するということがわかったから100%を外したんですかという質問です。

 ◎副市長(石井一郎君) 市街地液状化対策事業を行うに当たって、一番大事なのは、目標とする性能が達成できるかどうかという点であります。これについては、コンピュータのシミュレーション等を行った上で、その仕様を検討したわけなんですけれども、その段階において、また実際の調査設計において1格子1宅地でないと目標の性能が達成できないということでありましたので、当初から100%合意、1宅地1格子を前提とした100%同意ということで住民の皆さんにご説明をしてきたところです。
 しかしながら、やはり全員合意というのはなかなか厳しいというような状況でありましたので、住民の皆さん方でこの事業を進めたい方と、どうしてもいろいろな事情で進めることができない方、双方があって、そういう中で何とか1つでも多く前に進めるようにということで、2宅地で1つ、これについては性能は少し落ちるけれども、そういうことで地元のほうで皆さんまとまるのであればということで調整をし、そのようなことでいろいろと工事のほうを進めているという状況であります。
 これはコンピュータシミュレーションの結果で決まったわけであって、当初の目標性能を達成するために、すなわち東日本大震災における浦安での本震で液状化しないかという目標性能を達成するためには、1格子1区画で地盤改良を行う必要がございます。
 
 ◆(広瀬明子君) 性能は少し落ちると、でもやることを選択したということですね。そもそも論なんですけれども、100%同意を求めること自体が、誰がどう考えても最初に無理があったんではないかと。というのはいろいろなデータ、別にこの事案に限らず100%というのはデータをとるのは非常に難しいんですよね。それがわかっていて、あえて浦安は挑戦してきたわけです。でも、やっぱり難しいと。だから100%を外した。そういう意味では当初の見込みの甘さをここで私は感じるわけですけれども、それについては答弁は結構ですけれども。
 例えば2014年12月にありました市長選直後に、東京新聞で市長のコメントが出ているんですよね。ここでは100%の同意、地区全戸の同意を求めると言っている。ところが、平成14年の10月末、年明けの2015年の第1回の議会で100%を撤廃するようなことになっていくんですけれども、ほんの2~3カ月の間に変わってしまうんですよね。ところが、これはほとんどの市民は知らされなかったというね。
 ですからそういう意味では、最初からこういう形が出ておれば、あるいは100%を撤回したときにきちっと該当する市民に知らせれば、また対応は違ったんではないかと思うんですけれども、そういう意味では市側の対応のまずさを感じます。それは私の感想ですので。
 それから結果的に、新聞発表ですと、この工法で工事の手を挙げているのは471宅地だと。対象戸数は市が発表したのは、私が議会で聞いた、この議場で聞いた答弁ですと8,930と発表しているんですよ。そうすると、これに対して5.3%しか工事に着手しないという、非常に事業そのものが失敗だったんではないかと、この数字からすると
 そこでお伺いしたいんですが、市はスタートの段階でどれくらいの達成率を想定していたのでしょうか。というのは、当然市は1宅地について最大で100万円補助を出すと言っていたわけで、それに対応する予算も当然腹づもりしたと思うんですよ。当然そこでは8,930宅地のうちのどれくらいまではいくだろうという、当然内々では達成率というものを議論したと思うんです。それをどれくらいに見ていたんでしょうか。
 
◎副市長(石井一郎君) 具体的な数字を市のほうであらかじめ掲げた上で想定をしてということではございませんが、液状化被害があった戸建て住宅地というのは約8,700というのが被害があった数字ですので、もし皆さんが調査・設計を希望するのであれば、また工事実施ということでまとまるのであればそれを対象とし、国の復興交付金を使って事業を進めるという予定でおりました。
 
 ※石井副市長の「8700」との答弁には驚きです!
   「8930」ではないのでしょうか?   ↓ 26年6月24日、私の一般質問に「8930」と答弁しているのですが、これは間違いですかネー。
   「本年3月末をもって個別勉強会が終了し、事業の対象となり得る宅地数を再計算いたしました。20自治会のうち約1万5,000世帯の中から、戸建て住宅であっても公道と一体的に整備することが不可能な箇所、例えば前面が私道、また中規模程度の共同住宅、商店等事業所が多く立地している箇所、これらにつきましては対策効果を見込むことが難しい箇所でございまして、これらの数字を除いた数字1万2,079世帯となります。これを宅地数で見たときに8,930戸となるものでございます。」
 
◆(広瀬明子君) 結果的に5.3%であると。市は、この数字についてどのような感想をお持ちですか。ちょっと少な過ぎるとか、予想どおりだとか。 

◎副市長(石井一郎君) いろいろと先ほど担当部長からご説明しましたけれども、私ども浦安市では市街地液状化対策事業については、1つは戸建て住宅が建ち並ぶ既成市街地での工事であるということ、それから埋立てに伴う地盤沈下が終息したばかりの浦安市の地盤特性というものを考えますと、技術的な観点からいろいろ検討を行った上で、格子状地盤改良工法でこの事業を行うことといたしました。
 この工法の実施のためには、先ほどからいろいろと議員からもご指摘がありましたけれども、地権者の皆様に工事費の一部を分担金として負担をしていただくこと、また原則として各街区の全ての地権者が合意した上で複数の街区が集まる必要があるというようなことから、当初より事業実施のための合意形成というのは私たち市としてもかなりハードルが高いというふうに認識をしておりました。しかし、その上でもなお私は、この市街地液状化対策を含めた震災復旧・復興事業の責任者として、また一人の技術者として、現在の土木建築技術では本市で実施可能な市街地液状化対策工法としては格子状地盤改良しかない、唯一の工法であるというふうに判断をし、市としてこの事業の実現に向けて全力を挙げて取り組んできたところであります。
 その結果、まず事業を希望された地区というのは4,103宅地でありましたが、調査・設計を行った結果、工事についてお一人お一人の地権者の皆様方のご希望を聞いたところ、7割の地権者の皆様に工事に賛同する、そして工事の同意書についてもご提出をいただいたところであります。
 今定例会で提案の3議案を含めて、事業の仕組みというのが各街区でまとまるというのがポイントになりますので、この3議案を含めまして6工区の471宅地ということで事業を実施する運びとなったわけであります。
 ここまで事業を進めることができましたのは、平成25年4月の工事説明会に始まって、これまで3年7カ月にわたって延べ451回の説明会、あるいは勉強会を行うとともに、市民の皆様からの個別のお問い合わせに丁寧に対応するといった市の担当職員の献身的な取り組み、そしてこの事業をぜひとも進めたいと思われる地域の皆様方のさまざまなご尽力、費用負担を含めた事業の実施にご同意いただいた地域の皆様方のご理解とご協力、さらには市街地液状化対策事業に関する条例の制定、当事業の関連予算あるいは工事契約の議案にご可決をいただいた市議会議員の多数の皆様方のご理解があればこそというのが、私の率直な思いであります。
 単に全体の数に対して実施戸数が少ないという数字だけでこの取り組みを評価するのではなく、他の多くの自治体では市街地液状化事業を断念するという自治体が多くある中で、震災から5年9カ月、これまでの過程を踏まえますと、よくここまで頑張って事業実施に至ったと高く評価すべきだというふうに私は思いますし、私自身は大変感慨深いものがあります。
 一昨日13日から本格的な工事がスタートしたばかりでありますが、特に市民の皆様がお住まいになっておられる中での工事でありますから、安全の確保に十分注意しながら慎重かつ円滑に工事を進めていく、そのように考えております。
 以上です。


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