会計年度任用職員制度、導入時から内在していた問題が顕在化してきました。
東京新聞が報じています。
会計年度任用職員の雇用イメージ
自治体や一部事務組合の81・4%は、非正規職員(会計年度任用職員)の継続雇用を制限する「公募基準」を設けていることが10日、総務省の集計で分かった。特定の人が長期間同じ仕事に就くのを防ぎ、新しい人にも採用の機会を与える狙い。一方で、希望者が働き続けられない雇い止めを誘発する原因にもなっており、当事者からは撤廃を求める声が出ている。
総務省によると、会計年度任用職員の任期は1年以内。自治体の裁量で公募(試験)を経ずに再度雇用できるが、全体の81・4%は昨年4月時点で公募基準を設けている部門や職種があった。
基準は部門や職種で異なる。代表的な「一般行政部門の事務職員」では、全体の35・4%が「任期終了ごとに試験、または試験なしでの継続の上限が1~2年」としており、最も多かった。
公募で実施される試験の多くは面接形式となっている。幅広い住民に自治体で働く機会を与えるという公募の性格上、労組関係者は「競合すれば、どうしても新しい人が選ばれやすい」と指摘している。
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以下は、導入時に行った反対討論です。私だけが反対者でした。
令和 1年 9月 定例会(第3回) 09月27日-06号
では、議案第2号 浦安市会計年度任用職員の報酬及び費用弁償等に関する条例の制定についてと、議案第4号 地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律等の施行に伴う関連条例の整備に関する条例の制定についての反対討論を行います。
この改正においては、これまで非正規の事務職員は臨時職員、特別職非常勤職員、一般職非常勤職員と言われていたものを、今回、会計年度任用職員というものに一本化されていきます。一見、地方自治体で働く臨時や非常勤職員の処遇改善が行われるような印象を与えていますが、官製ワーキングプアと言われてきている問題の抜本的な解決に本当になるのか、私自身、大いに疑問を抱いております。
ここではフルタイムとパートの2種類に会計年度職員を分け、もっとも浦安市ではフルタイムの会計年度職員は認められていませんが、このフルタイムとパートタイムの待遇を、勤務時間だけで、その処遇に差をつける形となっております。これは、働き方改革が目指すところの同一労働・同一賃金とはほど遠いものだと思います。
浦安市の事例でいいますと、これまで時給は単価1時間960円だったものが、正職員の給与体系が適用され、一律1,055円にアップされます。そして期末手当も支給されるようになります。これだけを見ると身分が随分改善されたと考えることもできますが、契約は相変わらず1年ごとの有期契約であり、そして、それも4回までということでした。
非正規公務員の惨状を放置してきた、これまでの制度上の問題が、この改正によって根本的な改善が見られるのかどうか問題です。つまり、事業主になっている地方公共団体に非正規公務員の処遇を法的に義務づけた制度となっているかどうかであります。民間の場合ですと、長く勤めれば、有期雇用が無期雇用に本人が希望すればなれるという労働契約法の適用がありますが、公務員の場合はこの適用はありません。
一番の問題は、正規職員が配置されていた業務に任期の定めある会計年度職員を充てることが法的に許されることとなったことです。これは正規職員を削減し、不安定雇用で非正規公務員に置きかえていく道を開くとも言え、危険なものであると判断いたします。