ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

電子入札の落とし穴

2006年11月19日 | Weblog
夜7時のNHKニュースで入札問題にふれていました。
各都道府県に談合を防ぐ手段で何が有効かの調査をした結果、電子入札導入が一番多かったそうです。

既に電子入札を導入した浦安市の実態を知っている私はこの報道には大いに不満を持ちました。
私もまさかこんな抜け道があるなんて、昨年のわが市の電子入札の高落札率にであうまで考えても見なかったことですが、大きな落とし穴がありました。

それは、入札参加に名乗りを上げた業者の資格審査を事前に手作業で行っていたのです。
(このことを調べ上げるには結構苦労しました・・・。)

わが市の電子入札の流れは・・・、
①1億5千万円以上の工事の場合、予定価格を公表してネットや業界紙で一般競争入札の公告をします。
②決めれらた一定期間に入札参加希望会社はパソコンを通して名乗りを上げてきます。
③その名乗りを上げた会社の参加資格を手作業で調べます。
④資格アリと認められた会社に対して、パソコンで「参加OK」の返事をします。
⑤決められた期間に札(価格)を入れます。

手作業で担当職員が資格審査を行い、最終的に市長の決済までもらい、それからパソコンで「参加OK」をしているのです。
ウヒャ・・・、市長まで参加業者の名前を知ることが出来る状況でした。

多い時には、事前に15名の担当職員が名乗りを上げた会社の名前を知りうる状況になっていました。
そりゃ、漏れるていることが十分に考えられるは・・・、だから電子入札でも97%、98%だなんての高落札率になるのではないでしょうか。

こんな電子入札で公正性が担保されるはずがないと思い、「事前審査をすべきではない」と議会で取り上げたのですが(17年3月15日)、当局の答えが振るっていました。と言うより、びっくりしました。

《電子入札に絡みまして、応募業者の情報を事前に職員が知っていたことに対する見解ということですが、私ども、当然こういう情報を知りませんと仕事できませんので、当然必要だというふうに考えてございます。》

何のための電子入札だったのでしょうか?
それにかけた経費は約3000万円。電子入札なら不正が働く余地はない、と思いがちですが、落とし穴があったのです。
こんな電子入札制度なら不要です!
他市では入札参加業者の資格審査を入札実行後にするようにしているところがあるのです。ですから、我が浦安市が「情報をしりませんと仕事ができません」というのは間違いです。
担当者はこんな間違いを平気で議会答弁するのです。やれやれです・・・。

議員の仕事の一つに、職員の認識の間違いを指摘していくこともあります。
他市を念入りに調べ、わが市の運営に間違いはないかを見定め、市民の立場に立った行政運営をするよう促さなければなりません。

先進地と言われている市を調べ出し、資料を取り寄せ、そして時には直接出向き、担当者からレクチャーを受け、議会で提案していきます。
正直大変な仕事だと思います。

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