ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

タウンミーティングでのやらせ

2006年11月18日 | Weblog
教育基本法改正を巡る各地で行われたタウンミーティングで、主催者側による「やらせ」問題が発覚しています。
事前にFAXで当日発言する内容を指示したとか、あるいは、なるべく自分の言葉で発言するように指示したとか、「全くモー」としか言いようのない問題です。
やらせる方も問題ですが、そんなことを頼まれてやる方もやる方です。
とても大の大人のやることだとは思えない行動です。

それも、日本の教育の基本を変えるのかどうかという重大問題に関して発生した「やらせ」です。
こんなことをしてまで教育の基本を変えようとしているわけですが、まず、「人の意見に左右されない自分の意見を持つ大人」をどうしたら作れるのかを真剣に考えるべきですね。
大人のための教育基本法を制定することのほうが先決です。

しかし、このタウンミーティングにおける「やらせ」、いたるところにあるのではないでしょうか?

似たようなことを私は浦安市で経験しています。
市議になる前、娘の通う学校で発覚したお金を巡る不祥事。
当時市長が開いていた「さわやかトーク」で質問をすることを考えました。そして担当にその旨の電話を入れたのですが、「事前に質問を文書で提出して下さい」とのことでした。
「予期せぬ突然の質問は受け付けない」とのことでした。要するに市民と直接対話をするというのは建前の話であって、出来レースの「さわやかトーク」だったのです。
多分市側は市に関係ない質問が当日出てきたりして困るということが、事前に文書で質問事項を出させる理由であったと思われますが、市に関係ない質問であればその場でお断りすれば良いわけですし、また、もしその場での答えが出せないのであれば、「後日回答」でも良いはずでした。
しかし、当時のさわやかトークは、事前に問題通告制で運営されていました。

余りにもばかばかしい話だったので、私は行きませんでしたが・・・。

「出たとこ勝負」でやると、本音が聞けるのです。勿論、難しい「数字・データー」などは聞くことは出来ませんが、開催する側の真意や本音が言葉の端々で聞き取ることができるのです。
ですから事前に質問事項を出させたり、質問内容を事前に指示したりしてはダメなのです。
「出たとこ勝負」は、主催する側に余程の力や自信がないと出来ないでしょう。
会場から不意打ち的な質問が出され、言葉に窮する事態も十分予測できるのですから、主催者側は事前の手配(やらせ)をしたくなるのも分からないではありませんが、市民との本当の対話を求めるなら、敢えて挑戦すべきです!

昨年7月、私は逗子市を訪れました。
入札状況の視察が目的でした。
ところがその日は偶然にも、市長と市民との対話の日でもありました。翌年度の企画について市長・担当課・市民の三者が意見を述べ会う日でした。

午前中に視察の用を済ませた私は、午後1時から始まったそのミーティングに参加できることが分かりました。
勿論、事前の予約も何も要りませんでした。
市役所入って右手の広い空間が急遽ミーティング会場に変わり、市長・担当課と市民がそれこそ「車座」的に座り、夫々の意見をぶつけるのです。
市民は、その場で手を挙げ・・・事前通告など不要・・・、市長に直接質問する形式です。
この時の「市民」は、「逗子市民」に限定されていないことには驚きました。
住所・氏名を明らかにすれば、誰でもOKです。現に私は二点ほど疑問に感じたことがあるので質問をしました。
「浦安市民」であことを理由に断られることもなく、市長は逗子市民に対する態度と全く同じ姿勢で回答をしてくれました。

市長の姿勢でこんなにも対応が違うものかと、私は大変感動したことを未だに忘れません。

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