yoshのブログ

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リベラルアーツ

2017-09-13 05:09:36 | 文化
リベラルアーツ」の重要性に関して、榊裕之先生(豊田工業大学学長)が雑誌に、次のように書かれています。
我が国では、「リベラルアーツ」を「教養教育」と呼び、視野狭窄を防ぐために学ぶべき、理系人材向けの人文社会系の科目と文系人材向けの理数系科目の履修制度と誤解することが多い。しかし、元来は、論理学や哲学・数学や幾何学・天文を含む物理学など専門知識の基礎・基盤となる概念と方法論を学ぶものであり「基礎・教養教育と呼ぶべきものである。

 近年、大学の大衆化で学生定員と新設校が増え基礎・教養教育の質の維持が困難になっている。我が国は大学生の2割しか国公立大学に進めず、8割が私立大学に行く。私立大学では収入の過半を授業料に頼る実績から基礎・教養教育の質の維持が容易ではない。国公立大学
でも大学院重点化が進み、基礎・教養教育を軽視する傾向が強まっている。

 今後、日本や世界を先導する役割を果す指導者や専門家には、幅広く、深い学識を要する。
そうした高度人材を育成するには、急増する専門知識を履修させることは得策でなく、むしろ、多くの専門知識の基盤となっている基礎概念や方法論を習得させること、つまり、基礎・教養
教育をを行うことが最も有効であり、唯一の現実的な対応法である。国公立大学では、入試科目を見直すとともに、大学での基礎・教養科目の再点検と充実が必要となろう。

   榊 裕之 「電気学会誌」2017 Vol.137 No.9
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