yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

杜牧 二題

2012-04-04 06:39:59 | 文学
杜牧は晩唐の詩人です。家柄もよく、26歳で科挙に及第した秀才で、江南の官吏になりました。若い頃はよく遊びましたので風流才子などといわれ、詩才も豊かでした。
杜牧の漢詩を二つ紹介します。

江南春

千里鶯鳴緑映紅
水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺
多少楼台煙雨中

千里鶯鳴いて緑紅に映ず
水村山郭酒旗の風
南朝四百八十寺(はっしんじ)
多少の楼台煙雨の中(うち)

広々とした平野のあちこちから鶯の声が聞こえ、木々の緑が花の紅と映じあっている。
水辺の村や山ぞいの村では、酒屋の目印の旗が春風になびいている。一方、都の金陵(現・南京市)には、南朝以来の寺院が数多く建ち並び、楼台は春雨に煙っている。

清明

清明時節雨紛紛
路上行人欲断魂
借問酒家何処有
牧童遙指杏花村

清明の時節雨紛紛
路上の行人魂を断たんと欲す
借問す 酒家何れの処にか有る
牧童遙かに指さす杏花の村

時は清明、春雨がしとしとと降る
路行く人、すなわち作者の魂は断ち切れんばかり
(断魂はとても悲しい気分の意)
酒でも飲もうかと、酒家を尋ねた。
牛飼いの少年は彼方を指さした。そこには杏の花咲く村がある。

隠者と牧童と杏の花咲く村、仙境の趣が感じられる風景です。
「清明」は二十四節気の第五、旧暦の二月後半から三月前半です。南京の辺りでは雨が多いのでしょう。

石川忠久 「漢詩紀行」 日本放送出版協会
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斎藤投手のコメント

2012-04-01 07:10:32 | 文化
斎藤佑樹投手はいつも人の心に残るようなコメントをします。
3月30日のプロ野球開幕戦において、斎藤投手の日本ハムファイターズは、西武ライオンズに対し9対1で勝ちました。しかも完投勝利というすばらしいものでした。勝利後のインタービューの言葉にはしびれました。
「頭が真っ白というか興奮しています。」
そして「運を持っていますね」と言われ、
「今は持っているのではなく、背負っています」と目を輝かせました。現在の日本ハムには、大エースのダルビッシュが大リーグ入りしたので不在。「ダルさんの穴を隙間だらけかも知れないけれど埋めていきたい」と、斎藤投手は決意を込めて言い切りました。今後の健闘を祈ります。
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