yoshのブログ

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剛毅木訥 仁に近し

2022-04-25 06:21:25 | 文学
儒教では仁を大切にしています。仁者、仁術、仁義、仁愛、仁慈、仁徳、仁政、仁代、仁世、仁王、仁恩、仁君、仁將、仁傑、仁道、仁侠という語もありますが、仁は他人をいつくしむ、思いやるという意味であり、中国と日本では、とても尊重されています。「論語」の中に、仁を述べた語句があります。

「剛毅木訥 仁に近し」は「論語・巻第七・子路第十三」二七にある言葉です。
例えば、奈良のある宮大工は次のように言うそうです。「頭が切れたり、器用な人より、ちょっと鈍感で誠実な人の方がよろしいですな。」器用な人は苦もなく先に進んでゆけるので、往々にして「本当のものをつかまないうちに作業を終えてしまう。反対に不器用な人は「とことんやらないと得心ができない」から、要所を疎かにせずに熟達すると。

また、次の言葉もあります。
子曰く「巧言令色 鮮矣(すくないかな)仁」は、「論語 巻第一 学而第一」 三にある言葉です。
先生はいわれた。「言葉上手と顔良しには、仁徳はほとんど無いものである。」
  
  鷲田清一 「折々のことば」朝日新聞
  金谷治 訳註 「論語」岩波文庫  



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