yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

赤壁 杜牧

2022-03-03 06:19:04 | 文学
晩唐の詩人 杜牧の七言絶句 「赤壁」を紹介します。

折戟沈沙鉄未銷
  自将磨洗認前朝
  東風不与周郎便
  銅雀春深鎖二喬


  折戟(せつげき)沙(すな)ニ沈ンデ 鉄未ダ銷セズ
  自(おのずから)磨洗ヲ将(もつ)テ前朝ヲ認ム
  東風 周郎ガ与(ため)ニ便ナラズンバ
  銅雀春深ウシテ二喬ヲ鎖(とざ)セシナラン

 「訳」
折れた戟(ほこ)が岸の砂にうずもれて、その鉄がまだすりへっていない。
そこで、その折れたほこを水で洗って磨くと、ああ、これはあの頃(208年 赤壁の戦)のものだとわかった。
東風がもし呉の周瑜(しゅうゆ)のために味方をしてくれなかったならば
二人の喬姉妹は曹操に捕らえられ、春深い頃、きっと銅雀台にとじこめられ
いたであろう。

「三国志」で有名なこの「東風」は諸葛孔明が予言した通りに吹き、周瑜将軍の火攻めにより、魏の大兵船団が焼き尽くされました。周瑜は、気象までもあやつる孔明の軍略に驚嘆し、孔明が軍師として呉にいるうちに孔明を亡きものにしようとしましたが果せませんでした。この当時、3世紀の戦においては既に鉄製の武器は使用されていました。


    石川忠久「漢詩紀行 三 」 日本放送出版協会


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする