yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

穿ち

2019-05-31 06:15:29 | 文学
「穿ち」は動詞、「穿つ」の連用形です。
(1)普通には知られていない裏の事情をあばくこと
(2)人情の機微など、微妙な点を巧みに言い表すこと。

日本語の五七五の短詩型には俳句と川柳があります。俳句には、必ず、季節を表現する季語がある外に、「や」や「かな」などの切れ字があるのが特徴です。一方、川柳の特徴は「穿ち」であるとされています。たとえば、下記のような川柳があります。

 落としたは死ぬ程でない金の高
 議論には勝ったが後で馬鹿らしく
 黒枠で見て本名を初に知り
 伯父さんは紅葉露伴以後読まず
 介錯は辞世の意味が解り兼ぬ
 あてつけたやうに喪中へ来る賀状
 言ふて欲しそして聞きともない悔(くやみ)
 図星だとみえて返事もしなくなり


復本一郎 「川柳」日東書院
 




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