yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

臣下を信じる 備中松山藩 板倉勝清公

2019-04-19 06:21:58 | 歴史
幕末の備中松山藩において、藩主・板倉勝清公は、農民出身の陽明学者の山田方谷を登用し、藩政改革にあたらせました。その改革は功を奏しました。山田方谷の改革が成功したのは、陽明学者としての人格も、すぐれた方谷自身の力も大きかったのですが、農民出身の方谷を執政にとりたて、これを信じて任せつづけた藩主・板倉勝清(松平定信の孫)の不動の心も大きいのです。改革の成否はやはり人にあります。「賢ヲ任ズルニ弐(うたが)フコト勿レ」は「平成」の出典である「書経・大禹謨(だいうぼ)」の言葉です。名君とされる大名は皆これを心に刻んで改革を任せた者を信じ、門閥家臣の不満が噴出しても、これを守り抜いて功をなしましたが、改革者を途中で切ることなく、初心を貫く覚悟が必要です。

  磯田道史 「日本史の探偵手帳」文藝春秋
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