yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

斉安の城楼に題す 杜牧

2019-04-04 06:10:07 | 文学
晩唐の詩人、杜牧の七言絶句を紹介します。

 題斉安城楼
鳴軋江楼角一声
微陽瀲瀲落寒汀
不用憑欄苦廻首
故郷七十五長亭

       斉安ノ城楼ニ題ス
鳴軋(おあつ)タリ 江楼ノ角(かく)一声
微陽瀲瀲(れんれん)トシテ寒汀(かんてい)ニ落ツ
欄ニ憑(よ)リテ苦(ねんごろ)ニ 廻首(かいしゅ)スルヲ用イズ
故郷 七十五 長亭

「訳」
長江を臨む高楼から悲しげな角笛の音が響く。寒々しい微かな夕陽がキラキラと汀に揺れている。欄干により首を廻らせてしげしげと眺めるのはよそう。故郷の長安は、ここから七十五の宿駅を隔てているのだから。

「鑑賞」
風流才子の杜牧も辺地にあって意気が揚がらない様子です。官僚生活には浮き沈みがあります。唐代の宿駅間の距離は30里といわれます。75長亭は2250里、1260キロに相当します。日本ですと、東京から長崎、佐賀ですから遙かに遠いのです。なお斉安は黄州(湖北州・黄岡市)を言います。
コメント
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