台湾は嘗て中華民国として繁栄しましたが、「一つの中国」という中国の外交政策が功を奏した結果、現在の台湾は国際的には存在感を低下させています。1970年代初頭、台湾の中華民国は国連から追放され、日本その他の主要国と相次いで断交を余儀なくされました。そして1979年についに対米断交。中国大陸の中華人民共和国とは国際的地位が逆転しました。1960年以降、大陸の中華人民共和国が台湾の国際的地位について、「一つの中国」以外のフォーマット(「二つの中国」、「一中一台」など)の存在余地を執拗に潰していく外交を展開して、それが奏功したからです。
その結果、台湾人がヨーロッパなどに入国する際には、台湾発行のパスポートが中国発行のパスポートの偽造品ではないかと疑われ、時々トラブルを起こす原因になっているそうです。その都度、台湾人旅行者は外国の空港で不便と屈辱を被ることになりました。台湾にとっては気の毒な事態と思われます。
若林正丈 「名前の苦しみとナショナル・アイデンティティ」學士會会報 No.918 2016-Ⅲ
その結果、台湾人がヨーロッパなどに入国する際には、台湾発行のパスポートが中国発行のパスポートの偽造品ではないかと疑われ、時々トラブルを起こす原因になっているそうです。その都度、台湾人旅行者は外国の空港で不便と屈辱を被ることになりました。台湾にとっては気の毒な事態と思われます。
若林正丈 「名前の苦しみとナショナル・アイデンティティ」學士會会報 No.918 2016-Ⅲ