yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

祝 ノーベル賞 受賞

2015-10-12 05:21:16 | 文化
  2015年のノーベル医学・生理学賞は、日本人の大村智氏、物理学賞は梶田隆章氏に与えられました。この発表が、去る10月4日、5日にありました。これで日本人のノーベル賞受賞者は24人になりました。まことに喜ばしいことです。
 大村氏は山梨県韮崎市出身、山梨大学を卒業した後、研究を続け、土壌から採取した微生物
を用いて、熱帯病に効く薬を開発しました。この薬はアフリカを中心に数億人に投与され、多くの命を助けました。現在北里研究所の教授をされています。小さい頃から、祖母に「人のためになることをしなさい」と教えられ、それを実行されたのです。大村氏は、「幸運は強い意志を好む。失敗をおそれるな。」と語っています。

梶田氏は埼玉県東松山市出身、埼玉大学理学部を卒業した後、東大大学院の小柴昌俊教授の指導を受けました。岐阜県飛騨市にある宇宙線研究所のスーパーカミオカンデを用いて、素粒子ニュートリノの観測を行う中で、ニュートリノに質量があることを、世界で初めて証明しました。
 お二人とも、地方出身で、地方の国立大学を卒業したこと、スポーツにも熱心であったことが共通しています。大村氏はスキー、梶田氏は弓道です。地道にこつこつ研究をやりぬいたことも共通しています。
 また、梶田氏には、ノーベル賞受賞者の小柴昌俊氏と故・戸塚洋二氏という二人の優れた指導者がいたこと、スーパーカミオカンデという世界一の宇宙線観測装置と優秀な観測チームがあったことも物理学の大発見を助けました。スーパーカミオカンデの中枢であるセンサーは浜松ホトニクス社製の直径20cmの光電子増倍管が12000本も使われているということです。このセンサーは、カミオカンデとスイスのCERNにもあり、ヒッグス粒子(重力の元)の観測にも寄与しましたので、合計3回(小柴氏、ヒッグス氏、梶田氏)のノーベル賞に貢献しました。梶田氏は、「すぐに役に立つ研究ではないが、人類の知の地平線を広げるもの。研究者の個人的な好奇心に基づくもの。こうした基礎研究に賞が与えられたことの意義は大きい」と語っています。

 大村氏と梶田氏の研究が成功した背景には、それを可能にした平和な環境が日本にあったことも幸いであったと思います。ただし、昨今は、国立大学への国からの運営交付金が減少傾向にあるという厳しい財務事情もあり、今後も高度の学問・研究が従来通りに進められるか危惧されるそうです。直ぐに役立つことはないかも知れない基礎研究や人文学の研究にも十分な研究費を支給することは大事なことではないでしょうか。
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