「克己復礼」は「論語、顔淵・巻十二」にあります。7月23日にあったロンドン・パラリンピックの結団式で日本選手団の主将、土田和歌子さんがこの言葉を引用して「克己復礼の精神で」と宣誓をしました。「論語」には次のように書いてあります。
顔淵、仁を問う。子曰く、己れを克(せ)めて仁に復(かえ)るを仁と為す。一日己れを克めて礼に復れば、天下仁に帰す。仁を為すこと己れに由る。而して人に由らんや。顔淵の曰く、請う、其の目を問わん。子の曰く、礼に非ざれば視ること勿かれ、礼に非ざれば聴くこと勿かれ、礼に非ざれば言うこと勿かれ、礼に非ざれば動くこと勿かれ。顔淵の曰く、回、不敏なりと雖も、請う、この語を事とせん。
「訳」
顔淵が仁のことをおたずねした。先生はいわれた。「わが身を慎んで礼(の規範)にたちもどるということだ。一日でも身を慎んで礼に立ち戻れば、世界中が仁になつくようになる。仁を行うのは自分次第だ。どうして人頼みに出来ようか。」顔淵が「どうかその要点をお聞かせ下さい。」と言ったので、先生はいわれた、「礼にはずれたことは見ず、礼にはずれたことは聞かず、礼にはずれたことは言わず、礼にはずれたことはしないことだ。」顔淵は言った、「回(顔淵のこと)は愚かではございますが、このお言葉を実行させていただきましょう。」
紀元前の孔子の教えは現代にも生きていました。
金谷治註 「論語」 岩波書店
顔淵、仁を問う。子曰く、己れを克(せ)めて仁に復(かえ)るを仁と為す。一日己れを克めて礼に復れば、天下仁に帰す。仁を為すこと己れに由る。而して人に由らんや。顔淵の曰く、請う、其の目を問わん。子の曰く、礼に非ざれば視ること勿かれ、礼に非ざれば聴くこと勿かれ、礼に非ざれば言うこと勿かれ、礼に非ざれば動くこと勿かれ。顔淵の曰く、回、不敏なりと雖も、請う、この語を事とせん。
「訳」
顔淵が仁のことをおたずねした。先生はいわれた。「わが身を慎んで礼(の規範)にたちもどるということだ。一日でも身を慎んで礼に立ち戻れば、世界中が仁になつくようになる。仁を行うのは自分次第だ。どうして人頼みに出来ようか。」顔淵が「どうかその要点をお聞かせ下さい。」と言ったので、先生はいわれた、「礼にはずれたことは見ず、礼にはずれたことは聞かず、礼にはずれたことは言わず、礼にはずれたことはしないことだ。」顔淵は言った、「回(顔淵のこと)は愚かではございますが、このお言葉を実行させていただきましょう。」
紀元前の孔子の教えは現代にも生きていました。
金谷治註 「論語」 岩波書店