yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

馬齢を重ねる

2012-08-26 05:30:07 | 文学
人生の秋を迎えると、避けることが出来ない感慨をおぼえる言葉でしょう。
「馬齢を重ねる」という言葉の由来は、「年を取った馬は農耕馬としても兵馬としても役に立たないこと」にありました。価値観が一様かつ単純であった封建時代の考え方の名残がここにあります。この事から「これといったこともしないでいたずらに歳を取ること」の謙遜の言葉となりました。

著名な数学者、加藤和也氏(東京大学理学部教授、60歳)に下記の一文があります。
若い日は昨日のことのようであるが、早いもので、気がつくと人生の秋を迎える身になっている。子供の頃は、歳のいったおとなは、何でも知っていて、しっかりしていて自分たちとは違う存在だと思っていた、自分が歳を重ねてみると、頭の中はまるで幼稚なままであることに、驚いてしまう。何もわからないまま、右往左往してくらしている。
有限の身の人間が、無限遠の彼方にある真実を思って努力しても、できることはしれている。しかし、それはむなしいことではなく、大切なことだと思う。

加藤先生のように、いつも好奇心を持ちながら、向上心を忘れずに修養を積むことが大切なのではないかと、私も考えています。

         加藤和也著 「素数の歌が聞こえる」 ぷねうま舎
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