近頃、日本中の豪雨が報道されています。これは全地球的規模の異常気象によるものであり、海外では中国の長江流域などでも記録的な雨が降っているということです。この雨のように、しぶきを上げて激しく降る雨を「白雨」と言います。確かに降る雨は白く見えます。昔からざあざあ降る雨の様子を表現するのに「沛然(はいぜん)」という言葉もあります。
さて、中国の唐末の五代十国のうち、南唐の後主の李煜(りいく)が賦した「浪淘沙令(ろうとうされい)」(詞牌の一つ)と言う詩があります。この詩では「雨が潺々(せんせん)と降る」と表現しています。潺々とは、しとしとと降る状態を言います。
この詩を賦した李煜は、亡国の悲哀を味わいました。作詩した時は幽閉軟禁の身でした。
簾外雨潺潺 れんがいに雨せんせんたり
春意闌珊 春意らんさんたり
羅衾不耐五更寒 らきんは耐えず五更の寒きに
夢裡不知身是客 夢裡に 身はこれ客なるを知らずして
一餉貪歓 いっしょうの歓をむさぼる
独自莫凭闌 ひとりみずから闌(おばしま)によるなかれ
無限江山 無限の江山
別時容易見時難 別れる時は容易にしてまみゆる時は難し
流水落花春帰去也 流水落花春帰りゆくなり
天上 人間 天上じんかん
結句で天上と人間世界の隔たりを詠嘆しています。
さて、中国の唐末の五代十国のうち、南唐の後主の李煜(りいく)が賦した「浪淘沙令(ろうとうされい)」(詞牌の一つ)と言う詩があります。この詩では「雨が潺々(せんせん)と降る」と表現しています。潺々とは、しとしとと降る状態を言います。
この詩を賦した李煜は、亡国の悲哀を味わいました。作詩した時は幽閉軟禁の身でした。
簾外雨潺潺 れんがいに雨せんせんたり
春意闌珊 春意らんさんたり
羅衾不耐五更寒 らきんは耐えず五更の寒きに
夢裡不知身是客 夢裡に 身はこれ客なるを知らずして
一餉貪歓 いっしょうの歓をむさぼる
独自莫凭闌 ひとりみずから闌(おばしま)によるなかれ
無限江山 無限の江山
別時容易見時難 別れる時は容易にしてまみゆる時は難し
流水落花春帰去也 流水落花春帰りゆくなり
天上 人間 天上じんかん
結句で天上と人間世界の隔たりを詠嘆しています。