山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

不断の散歩のこと

2008-12-11 06:01:56 | 宵宵妄話

くるま旅の実際をご理解頂く上では、旅の記録の紹介が一番手っ取り早いと考え、このところ連載ものを投稿しているのだが、さて、お読み頂いている方からはどのような感じなのだろうか。あまり続けると、飽きてしまわれるのではないかと、そんな気がしている。

ようやく2年前の晩秋の旅の記録の紹介が終わったので、これからしばらくは旅とはあまり係わり合いのない、日常的な呟きなどを書かせて頂こうと思っている。となると、実際はあまり書くことがなく、テーマ探しに四苦八苦するというのが本当のところです。

というわけで、今日は私の散歩について書いてみたい。散歩といっても、私の場合は、その基本は糖尿病治療のための運動療法の一つとして行なっているものであり、始めてからもう20年も経っている。毎日歩数計を携帯して、記録をとりながら我が身に義務付けている行為なのである。今年の目標は、450万歩だったが、それは11月の初めにクリアーして、現在既に500万歩に到達している。今年は540万歩くらいになるのではないか。1歩の歩幅を70cmとし、歩数の誤差を考慮してその正確性を60%と仮定して歩いた距離を計算すると、540万歩の場合、2,268kmとなる。これを365で割ると、1日平均6.2kmほどの歩きとなる。

歩数計の精度というのは、歩き方、装着の位置などによって大きく違ってくる。一応病院での看護士さんの指導の下に行なっているので、その誤差はこの計算よりはもっと少ないように思う。毎日8kmくらいは歩いている実感がある。

もう歩き始めて20年近くになり、最初は苦痛が多かった歩きだったけど、今は毎日の楽しみであり、苦痛と思うことは全くない。2時間ほどの歩きの旅をしているのだと思っている。どのような旅でも、その最大の楽しみは、出会いであると思っているが、それは毎日の歩きの中にも漏れなく付随している。歩くというのは、出会いの他にも様々な気づきや考えをもたらしてくれるものであり、生きていることを実感できる最高の時間のような気がするのである。

5年前から住んでいる守谷市は、茨城県では面積の一番小さな市で、36k㎡足らずの広さしかない。東西が7.5km、南北が7.2kmしかないから、もし住まいが市の真ん中に位置していたら、それこそ隅々まで歩くことができるのだが、残念ながら自分の家は北部の隣町に近い所にあるので、守谷市の一番遠い所まで歩いて往復すれば15kmほどになってしまい、これは毎日の歩きには少し遠過ぎることになり、そのようなエリアは偶に自転車などで訪ねることにしている。5年の間に、守谷市のほぼ全域を歩いたと思っているが、歩き尽くしたとは思っていない。我が家の庭の中だって、探索し尽くしているわけではなく、季節のその都度の変化にさえ、なかなか付いて行くのが難しいくらいなのだから、守谷市の全域となれば、これはもう広大な歩き対象の世界としか言いようがない。だから、無尽蔵の宝物が埋まっていると思っている。

今日(12/7)は、日曜日。快晴の空に太陽が輝きだした頃、家を出発する。歩きのコースは毎日同じではなく、5つほどの基本コースに、夫々少しずつバリエーションを持たせながら歩くようにしている。どのコースを行くかはその時の気分で決めるのだが、今日は隣のつくばみらい市との境界を含む小貝川堰堤のコースを歩くことにした。

家を出て倉庫中心の工業団地脇を通って、国道294号線を渡り、関東鉄道の線路を横断して、TX(つくばエクスプレス)の基地の横を大きく回って、小貝川の手前側の堰堤のブッシュの中の道を辿り、川に架かる常総橋というのを渡って、向こう側の堰堤に出る。

ここからの歩きが大好きなのだ。小貝川はそれほど大きくない川の割に堰堤は大きい。それはこの川が暴れ川であり何度も氾濫を繰り返しているからであり、現在も堤防の補強工事が続いている。上流に向って10分ほど歩くと、TX の鉄橋がありこれは歩きには邪魔な存在だ。その下を潜ると、大きく蛇行する川の流れの向うに筑波山がくっきりと望見できる。この辺りが心の憂さも忘れさせてくれる景観なのだ。それをじっくりと味わいながら、心は、今こうして足を動かして歩けることへの感謝の気持ちで満たされる。歩けるという喜びが、歩くたびに深まってくる感じがしている。歩ける足を持ちながら、なるべくそれを使わないようにしている人が多いのは、楽をすることが幸せなのだという思想がこの世に満ちてしまった大きな不幸ではないかと思ったりしている。

   

小貝川の堤防から見る筑波山。早朝の澄んだ空気の中に、今日は凛々しい姿を見せてくれていた。

ここから見る筑波山は、光の加減で微妙に変化するのだが、今朝の姿は寒さが増した中での快晴の空の中に凛々しく浮かんでいる。左手遠くには日光の男体山の姿も薄く望見できる。小貝川の流れと調和して、飽きの来ない景色である。それを楽しみながらしばらく歩くと、人だけが通れる木製の橋が左手に見えてくる。何と呼ぶのか橋の名前は知らない。沈下橋である。大雨が降ると川の中に沈んでしまうという橋だ。そのような状態を何度か見たことがあるが、現在の小貝川は渇水期といってよく、いつもの水量の半分も無い感じだった。その橋を渡って、反対側の堰堤をしばらく歩いて、常磐高速道の下を潜り、田んぼの中の道を横切る。この辺りは旧谷和原村(現つくばみらい市)の穀倉地帯の一角である。晩春の新緑と秋の黄金の稔りが、美しい田園風景として実感できる場所でもある。

谷和原田んぼを西に向って丘の方にしばらく歩くと、やがて関東鉄道の小絹駅近くとなる。ここからは人家が密集する都市部となる。国道294号線の喧騒を跨ぐ陸橋を通って、住宅街をしばらく歩くと、守谷市との境にある「せせらぎの小路」という遊歩道に出る。ここは太陽光発電でモーターを回して地下水を汲み上げ、それを小さな水路に流して、両側に樹木を植えた道が500mほど造られている。今頃の季節は、様々な樹木が落葉して水路を埋めかけており、この小路のメンテナンスにとっては、厳しい状況となっているが、歩く者には、落ち葉を踏みしめることが出来る場所であり、ふるさとの懐かしい思いを呼び起こしてくれる場所でもある。

と、まあ長々しい紹介となったが、間もなく家に戻ると、万歩計は1万6千歩ほどとなっている。2時間ほどの歩きである。今日の歩きのコースの80%は守谷ではなく、隣のつくばみらい市のエリアを歩いている。毎日このようにして飽きもなく、いそいそと歩きに出かけている私なのです。

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