山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

超美味宮廷麺を食す

2011-03-31 00:16:54 | 宵宵妄話

 今日は久しぶりに車で東京へ行ってきました。行先は武蔵野市役所です。戸籍謄本を必要とすることがあったため、本籍地のある自治体の役所に出かけたということでした。私どもの本籍地は武蔵野市となっています。なっているというよりも、していると言った方が妥当です。結婚した時に住んでいた場所を本籍地として新しい戸籍を作ったのでした。こうしておけば、どこへ引っ越しても自分たちの家というものの原点が判るという考え方からそうしたのですが、当初私の父母は不満だったようです。自分たち(=親)の戸籍から見ず知らずの土地に、断りもせず勝手に新しい本籍地をつくるのかという思いが強かったのだと思います。しかし、私としては独立するためには新戸籍の本籍地も一新したいという思いが父母の思いを無視したということになったのでした。親不孝ということなのでしょう。

何しろ四国・九州まで引っ越しを重ねた暮らしでしたので、その後何度か戸籍謄本の必要な手続きをする度に、真に以って不便極まりない思いをしてきたのですが、それでも自分たちの暮らしの始まりはここにあるのだという思いが勝って、本籍地を変更しようとは思わないまま今日に至っています。

武蔵野市役所は、JR中央線の吉祥寺や三鷹駅からバスなどで行くか、あるいは西武新宿線の東伏見駅から歩いてゆくか(バスがあるのかもしれません)というロケーションにありますが、東京エリアでは駅中心に繁華街が広がっていますので、市役所はこれら3つのいずれの駅からも少し不便と思われる場所に立地しています。今回車で行くことにしたのは、電車やバスの乗り継ぎが面倒くさいことと、もう一つは久しぶりに昔の住まい近くを覗いてみたいと思う好奇心からでした。それに家内と二人で行くには、費用的にも安上がりという思いもあったたからでした。

何しろ武蔵野市役所へ行くのは、守谷市に越してきて以来初めてのことなので、どの道を通ってゆくのがいいのか、現地の状況がどうだったのかよく覚えておらず、ネットの地図などでいろいろ調べてメモなどを持参しての出発となりました。ナビなし主義では、このようなときにちょっぴり後れを取っているのを実感しますが、あれこれと調べた分だけ、ボケ防止には薬となっているに違いありません。8時半に出発して、武蔵野市役所に着いたのは、11時頃でした。常態している渋滞などでもっと時間がかかるかと思いましたが、案外順調に行くことができラッキーでした。

戸籍謄本取得の手続きは直ぐに終わって、あとは帰るばかりです。2時間半もかけてやって来てとんぼ返りはあり得ません。その昔は武蔵野市をはじめ、西東京市、小平市、東村山市などに何度か居を替えて住んでいましたので、少し走ると残っている面影が思い出されてきます。武蔵野市から小金井市にかけて残っている千川上水や玉川上水の側道は通勤を兼ねた散歩道として随分と親しんできており、この季節どこへ行けば二輪草の集落があるのか、小さな滝の音を聴けるのか、或いはこの辺りが南限といわれているイチイの木たちはまだ元気なのが残っているのか等など、直ぐに思い出すことができます。今日は車なので降りて歩くことはしませんでしたが、五日市街道に沿って玉川上水を遡(さかのぼ)る道は、思い出に溢れるものでした。

そして、結局行き着くところは、とびっきり美味い中国麺のお店です。実のところ、今日の本当の目的は、私的にはこの中国麺を食べに行くことだったと思ってたのです。謄本の方の所用は家内の方でしたから、私はただの運転手に過ぎず、めったにありつけないご馳走を期待するのは当然といえば当然のことと内心正当化していた次第です。

小平市や東村山市に住んでいる時から、贔屓(ひいき)にさせて頂いている中国麺の店があります。その名を「なにや」と言います。中国麺というのは、中華麺、ラーメン、あるいは支那そばなどといわれるものとは少し違っています。このお店を経営される松村さんは「宮廷麺」をつくっていると情熱をこめて話されます。古来中国の皇帝が食されたものをつくっているということです。それゆえに「宮廷麺」と呼んでいるわけなのです。

松村さんのこの宮廷麺にかけるこだわりの情熱は半端ではありません。皇帝の方の食するものといえば、ただ美味いというだけでは不十分なのです。いくらうまいものを食べていても、食べすぎれば健康を害すようなものはだめなのです。美味いのと同じくらい、或いはもっとそれ以上に身体に良いものでなければならないのです。このことは中国でその昔から言われてきている「医食同源」という考え方に一致します。なにやの宮廷麺は、この考え方をしっかりと守って作り込まれているのです。麺も具材類もすべて松村さんが自分でしっかりと吟味し、選び作っておられて、そのこだわりは半端ではありません。

たとえば以前伺った話では、麺をつくるに使う小麦粉にしても日本中を駆け回って探されていますし、麺づくりに使う塩も手作りのものを日本各地の製塩所を訪ねて厳選して使っており、一般で使われているかん水などは一切使用していないとのことです。野菜類等も地元の農家の皆さんとタイアップして有機栽培のものを使うだけでなく、昔野菜(その昔地元で栽培していた江戸・東京野菜と呼ばれているもの)などを活用したメニューを加えるなど、様々な工夫を織り込まれているのです。

このようにして作られた宮廷麺が美味くないはずがありません。私は初めてこの店を訪れて最初にその一杯を賞味した時、直ちに、これは本物だ!と思いました。中国皇帝の食したものと同じ宮廷食をこの店で味わうことができるのは真に幸せなことです。値段も一般のこてこてラーメンなどとさほど変わらず、特にこの世代となりますと、同じ値段ならば、脂ぎったラーメン類などは敬遠せざるを得なくなるのですが、なにやの中国麺は段違いの上品さで、健康にも貢献してくれるのですから、こんな嬉しいことはありません。

地元近くに住んでいた時には、自分たちばかりではなく知人友人にも紹介して大いに味わって頂いたのでしたが、今は遠く離れてしまって、それもできず残念です。もしこのブログを読まれて、興味をお持ちの方は、是非一度「なにや」を訪ねて皇帝の食した宮廷麺を賞味して欲しいと思います。今は、美食にうつつを抜かしているような世情でないのは重々承知していますが、今日は久しぶりのチャンスでしたので、思いっきり甘えさせて頂きました。申し訳ありません。

 

   

 

「なにや」の入り口の様子。小さなお店だけど、落ちついた大人の雰囲気がある。勿論、若い方たちにもフィットする味だと思う。特に女性には。

場所等は(小平市学園西町1‐26‐25 ☎042-342-2929 西武多摩湖線一橋学園駅徒歩3分 ※麺が無くなり次第終了となりますので要注意。月曜定休日)

 

 

  

 

今日食べたのは、左の海藻麺と右のジャンボ三色餃子。海藻麺は文字通り海藻の具が主体だが、何といっても特徴あるのが翡翠麺といわれる、ほうれん草等を練り込んだ緑の麺。程よいスープの味と相まって、絶妙の味がする。ジャンボ三色餃子は3個がワンセットだけど、大きいので、今回は1個ずつにして貰った。家内はこの後帰宅するまでの車の中で、数回「美味かったあ~」を思い出しては繰り返していた。とりわけて久しぶりの餃子の味に感動し続けていたようだった。 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 茨城県の交通マナー | トップ | いのちの花 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

宵宵妄話」カテゴリの最新記事