山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

政治は選挙戦のためにあるのか

2008-09-08 03:06:59 | 宵宵妄話

よせば良いのにと思いながら、又詮方(せんかた)ない愚痴を述べずにはいられなくて、これを書いてしまった。政治の話は空しいのが多いのだけど、結局のところ歴史というのは圧倒的な政治の影響力の中でつくられて行くのであるから、空しくても思いは吐き出さなければならない、という気持ちがある。

今朝の朝日新聞を見ていたら、今回の総理辞任のいきさつの裏話のようなことが一面に掲載されていた。それによれば辞任の本意は党運営に絡む、総選挙での成果を期待したものらしい。総理の個人的な世評のことなどは一切構わず、辞任によって新政権を生み出し、その勢いを持って次回の総選挙を党として有利に乗り切るという、いわば目くらまし戦術を敢行するという、総理ではなく党の総裁として決断であったらしい。対抗政党としての民主党の動向が、その昔の社会党ほど協力的でないということも、総理をしてこのような危機感を抱かせしめ、決断させるに至る背景があった、というようなことも書かれていた。

マスコミというのは、最近は講釈師よりも怪しげなことを時々報道したりするので、事の真偽はよく判らないけど、まさか大新聞の一面に紛(まが)いものの記事を載せるはずがないだろうから、これは本当のことではないかと思う。

政党にとって、選挙というのは、政策の実現・実行よりも重大なテーマらしい。選挙に勝てなければ、政策もへったくれもないというのはわかるけど、そもそも政治家というのは、政策を実行するために選挙で選ばれているのだから、政策遂行の中で選挙者である国民の期待に応えてゆくのが政治の使命ではないかと思うのだが、選挙と政策遂行というのは、どうやら別のものらしい。勝つために手段を選ばず、という考え方があるけど、国民に対する一総理の去就のあり方など無視して、内閣の運営よりも選挙戦の方がより重要という考えは、あまりにも党利党略しか考えない、国民を愚弄(ぐろう)するあり方ではないか。

2代続いた投げ出し政権の政党が、その投げ出したことなどに対してはろくに説明もせず、党の内外の諸々の事情に起因した選挙での生き残り存続を図るという戦略が成功したとしたら、今度責められなければならないのは、選挙をする側すなわち国民ということになるだろう。元々はといえば、このような投げ出し政権を作ったのは国民である。しかし、そうだったとしても、現実は政党間での争いの構図があり、更にその実は単一政党内の争いなのだから、国民としては直接何のもの申すも届かない世界の話なのである。

相撲界では、連続の不祥事に協会が揺れ動いているが、こちらはその最高責任者のとるべき道がはっきりしていると思われるのに、去就について明確な決断が見られない。これも変な話である。政治の世界は相撲協会などとは比較にならない、社会に対するより大きな影響力を持った世界なのに、最高責任者の去就が党利党略によって私されているというのであるから、今頃の最高責任者というものに対しては、疑問を持たざるをえない。世の中に責任を無にしたり曖昧にしたりしている最高責任者が溢れているような気がする。

思うに今の時代は、個人の公に対する責任が相当に堕落している時代なのだと思う。世の中、人のために尽くすという、信念や信条のない者が、政治を私している感がしてならない。もしかしたら相撲界もそうなのかもしれない。人物が試されるのは、いざという時であり、それは歴史の残したものが語っていると思われるが、本物の信念や信条のない者が歴史に名を残すことはない。今の時代は、攪乱(かくらん)の時代であり、政党間でも政党内においても、本物の信念・信条の有る無しに関係なく、隙あらばライバルの足を引っ張って、己が前へ出ようとしている政治家ばかりが目立っているように思う。

私は政治評論家ではないので、批判に値するような意見を言うための情報もサポート機関も持っては居らず、ただ直感的な思いつきの考えを述べるしか出来ないが、この閉塞した政治の現状を打破する人物は、日本には居ないのだろうか。立派な評論家は何人も居て、私なんぞがもの申す余地など無いように思うけど、実践者としての逞しい信念・信条を持った人物は出てこないのだろうか。

小泉純一郎という人物の人気があったのは、信念・信条が明確であったからだと思うけど、彼の人は今何をしているのだろうか。再登場を待望しているわけではないけど、日本の政治の世界に、彼を凌ぐような突出した人物が出てくることを期待して止まない。どの政党でも良い、政党という団体を、内部の腐敗などとは無縁で、世の中、人のために、己の信念・信条を持って引っ張ってゆく、重厚で清明なキャラクターの人物が現れることを切望している。政権がコロコロと変わるような、落ち着かない政治システムを作り変えてもらいたい。そして、選挙などを行う前から、すでに政権が保証されているような政治を行なってもらいたい。ど今のような日本の政治システムでは、世界に遅れをとるばかりである。

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