数日前、北海道の親しき知人からジャガイモとかぼちゃが送られて来た。大きな袋に入った、かなりの量と重さだった。十勝にお住いの知人は、知りあって以降毎年律儀に名産の芽室メイクイーンを送ってくださっている。というのも、自分がジャガイモ大好き人間で、毎日、朝昼晩とジャガイモを食べていても決して飽きないほどなのだということを知ってくださっているからなのである。こんなに重いものを送るのは大変なことだろうと思いながらも、その心情が嬉しくて、また本当にそのジャガイモが美味いのをありがたいと甘えている次第。長年旅をしていて、北海道には何人かの、このジャガイモ大好き人間の理解者の方がおられて、自分は本当に幸せ者だと思っている。おかげさまで我が家では一冬ジャガイモに困ることはない。真にありがたく嬉しいことだ。
さて、話はジャガイモのことではなく、日本郵便のことである。嬉しい気持に浸りながら早速お礼の手紙を書いて投函したのだが、今日あたり届く頃かなと思っていたら、何と郵便受けに付箋付きでその手紙がそっくり戻っていたのだ。何だろうと思いながらその付箋を見たら、なんと料金不足だと書かれていた。手紙の料金が82円になったのもハガキが62円に値上げされたのもつい最近のことかと思っていたので、料金不足という付箋は寝耳に水の一方的な宣告に思えた。この頃一頻り不正な働き方を強制しているという話題で簡保問題が騒がれたが、日本郵便は、今度は抜き打ちで料金値上げを敢行したのかと、疑念と共に怒りが湧いて来た。
それで、どういうことなのだと調べてみたら、この10月から消費税の値上げに合わせて郵便料金も値上げになったということだった。消費税のことは大騒ぎだったので承知してはいたのだが、郵便料金までが便乗するというのは全く知らなかった。マスコミもほとんど触れていなかったようで、TVも新聞でもその話を殆ど耳にしていない。郵便局にもそのような張り紙がしてあったかどうか記憶にない。消費税と同じように10%の値上げなら、82円の郵便料金は90円くらいになる筈だから、84円ということで2円の値上げに止まっているのは、もし同じ消費税という範疇なら良心的と言えるのかも知れない。しかし、郵便料金というのは消費税の対象となるのかどうか、今一よく判らない。だからこれは便乗値上げなのだと思うしかない。何だかどさくさにまぎれて騙されたという感がしてならない。
僅か2円の値上げなのだから、つべこべ騒ぐなということかもしれないのだが、届く筈の手紙が戻って来るというのが気に食わない。しかも直ぐに戻るならまだしも、彼の地に届くかなと思っていたタイミングで戻って来るのだから、腹が立つ。直ぐに追加料金を払って再投函したのだが、届くまでには当初思っていた倍以上の時間がかかることになる。メールやラインなら直ぐに届くという今の時代に、如何にも時代遅れのアナログ行為で腹を立てているというのは、老人の特性のようなものと失笑されるのかもしれない。
手紙を書くという行為は、メールはまだしもラインなどでチャラチャラ身勝手はセリフを吐くのとは違うのだ。少なくとも寸言的な感情の露出などではなく、何度も何度も相手の気持ちを考えながら自分の気持ちを伝えようと考えての行為なのだ。だから、届くタイミングも大切なのだ。それなのに、それなのに遅らせて尚料金を払えというのである。知らなかったのが手落ちということなのだろうけど、今回の郵便料金の値上げは、事前のPR行為も無かったと言ってよいほど不足していて、善良な多くの庶民を騙し打ちにしている。
どうしても黙って我慢している気持にはなれなかった。郵政が民営化されたからといって、国政に便乗して善良な庶民を騙すような行為をしてはならない。蟷螂の斧なのは知っているけど。
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