山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

これからの我がくるま旅について

2014-12-30 04:07:45 | くるま旅くらしの話

 秋の西日本方面への旅から戻って、あっという間に時間が過ぎて、間もなく新しい年を迎えようとしています。予定より帰宅を早めて9日に戻ったのは、真に適切なタイミングでした。今年の冬はその出だしにやや異常さを感じます。いきなり大雪の地方が続出しているようで、寒さも半端ではなさそうです。この後少しずつ暖かい方へと舵を切ってくれればいいがと願っています。

旅から戻って70数回の誕生日を迎え、先日は老についての愚痴的な述懐を並べましたが、今回はその続編として、これからの我がくるま旅についての思いを書いて見たいと思います。というのも、同世代の中にはくるま旅のあり方について、迷いを感じておられる方もあるかも知れず、もしかして何かお役に立つことがあればなどと思っているからです。

 老というのは絶対的なもので、その時間的な長さには個々の差があるとしても、残りをある程度は予想しながら時間を使って行く必要があるようです。終りが何時、突然やって来るかも知れず、「その内、……」などという甘えは通じなくなって来ています。それで、この先どんなくるま旅を心掛ければいいのか、あれこれ思いを巡らしてみました。

 私はくるま旅というのは「人生の宝物探し」だと思っています。そして、その本質は「出会いと発見のもたらす感動と癒し」にあり、その一連の味わいの中に人は「生きる力」を獲得できるのだと考えています。人生の残された時間を「活き活きと生きる」ために、くるま旅は私にとって必要不可欠のものとなっています。

 さて、その必要不可欠のくるま旅に、これからどのように取り組み、楽しんで行けばいいのか。勿論そのような大上段に振りかぶった考えなど言い触(ふ)らさなくても、今まで通り適当に楽しみながらやってゆけばいいという考えもあります。でも、この頃は宝物探しの楽しみは、より目的的な方が面白いように考え出しました。残された時間を念頭に置くと、偶然に任せるよりも目的を持って意識的に探す方が宝物に巡り会えるチャンスが多くなると思うのです。

 そこで大事なのが目標と方法ということになるわけですが、20年近くも30万キロ以上のくるま旅をしていると、名所・旧跡などの観光地めぐりなどには、興味関心が次第に色あせて来て、何かもっと別の種類の感動を味わいたいと思うようになって来ました。贅沢といえば贅沢なのですが、心というのは貪欲なくせに飽きっぽくて、同じことの繰り返しでは同じ感動を味わうことが出来ないように働くもののようです。この我ままな心の働きの壁をどう乗り越えればいいのか、あれこれ思いを巡らしてみました。そこで気づいたのは、「同じことを繰り返さない」という当たり前のことでした。つまりは視点を変える、つまり目の置き所を変えることにすれば、同じ場所を何度訪ねても、新しい発見がある筈だということなのです。

 現在の私のくるま旅の表向きのメイン課題は、大げさに言えば「日本の歴史・文化の確認と復習」であり、そのターゲットとして文化財の「重要伝統的建造物群保存地区」「重要文化的景観」その他神社仏閣・史跡等などを取り上げて訪ねることにしています。そして、本当の目的はそれらの場所を訪ねることを通して様々な宝物を見出すことなのです。宝物とは、出会いであり発見であり、「人・動物・景色・現象等など五感を揺るがす全ての出来事」を指しています。家の中に閉じこもって居てはなかなか手に入れることが出来ないものなのです。

 元に戻って、さて、これから具体的にどのような目標と方法を持ってくるま旅を楽しんで行くかということですが、目標としては、今まで通り「重伝建」と「重文景」や歴史の遺産類の探訪中心でいいと思っています。何度訪ねても、その視点さえ変えれば新しい発見が期待できる筈なので、大事なのはその視点をどう用意するかということです。これは、これから考えるのが楽しみです。人々の暮らしを見る切り口ならば、無限といっていいほどたくさんあるように思えるからです。

 重伝建等の文化財などの他に、もう一つの切り口を用意したいとも思っています。20年ほど前から気づいているのですが、人の「気づきの原則」といったものがあります。それは、「人間、スピードを上げれば上げるほどものが見えなくなり、落とせば落とすほど良く見えるようになる」という、当たり前のことなのです。これは20数年前に、通勤時間の中に歩きの時間を取り入れ、その中に植物の観察を組み込んだ時に気づいたことで、観察というのは歩きながらでは大ざっぱ過ぎて殆ど気づけないものだということ。立ち止まって虫眼鏡で覗いて見てその正体に近づけるということなのです。

考えてみれば、自分たちのくるま旅は殆どが駆け足ばかりで、本当に現地を見知ったと言えるのかという反省があります。毎年の夏に道東の別海町に滞在するのを楽しみにしていましたが、別海町がどんな町だったのかを少し理解できるようになったのは、1カ月ほど滞在して、しばらく図書館に通って町の歴史の資料などに触れたことからでした。その時に北海道の開拓の実情やアイヌの人たちとの関係などについても少し理解を深めることが出来ました。そのようなことですから、有名観光地を超スピードで通過する旅には、ただ点的な訪問の記憶しか残らず、どうしても味わいの浅いものとなってしまいます。それはそれでいいのであって、とやかく言うべきことではありませんが、くるま旅の場合は、もう少し駐停車の時間を伸ばして、足を使って宝探しをしてみてもいいように思います。

今年からは、その実践の方法として、例えば泊った道の駅のある市町村の役所に出向き、その地の自慢の場所やものなどを教えて頂いて、そこを訪ねることもしてみたいと思っています。そのためには、同じ道の駅に2泊することを組み込むという必要もあるかなと思っています。このようにすれば、少なくともただ通過するよりはよりきめ細かにその地区のあり様を知ることが出来るし、更には出会いの機会も増えることになると思います。

今のところ、これからの我がくるま旅をこのように考えていますが、最後に重要なのは健康をどのように維持するかということです。キーワードだけを並べれば、「快食」「快眠」「快便」「医食同源」「頭使体動」というようなことになりましょうか。これらは並べただけでは何の効力もなく、実践行動あるのみです。油断なく敢行して行く考えです。

今年までのくるま旅の反省を踏まえて、この先の残された時間を大事に使ってゆきたいと考えています。

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2 コメント

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記事を拝見しています (はじめまして、林ともうします)
2015-01-11 18:09:06
実は、昨年暮れに、RVランドに、行ったときに、山本さんの書かれた本を拝見させて頂きました
私も、キャンピングカーを所有しております。ただ山本さんの様に、長期の旅は、あまり経験がなく
今後の為に、一度お話をお聞きできればと思っております。幸い住んでいる所が、山本さんの近くです。
つくばみらい市の谷和原インター近くです。ぜひ良きアドバイスを頂ければ幸いです。
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どうぞお越しください (山本馬骨)
2015-01-16 05:30:36
林様
ご連絡ありがとうございます。お近くにくるま旅への関心大の方がいらっしゃるのをとても心強く、嬉しく思います。お越し頂く際は、事前にご一報頂ければありがたく思います。不在の時もありますので。連絡先はホームページ(このブログのブックマークにある「元帳」)を開いて,メールをクリックして頂くとOKです。お待ちしております。
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