山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

初詣は近くの神様へ

2012-01-06 01:47:22 | その他

 昨日(5日)、今年の初詣が終わりました。守谷市に越してきてからは、ご近所の神様の鎮座する場所へご挨拶に参上することにしています。守谷市内で、私が真っ先に参拝するのは、旅の守り神様である道祖神様で、これはTX守谷駅の南に位置する構内といってもいい土塔という場所にあります。元々は駅が出来た辺りに在ったようですが、工事の過程で現在の場所に移されたようです。その昔は村の人たちはこの神様を「道陸神(どうろくじん)様」と呼び、旅の神様で、旅に出るときは草鞋を一つ上げたということです。また疫病を防ぐ神様でもあるとのこと。毎年の秋の祭りにはこの神様を中心に村人たちがこぞって集まり、夜遅くまで輪になって踊りお祭りを祝った、というようなことが守谷市の案内板に書かれていました。この道祖神の存在を知った時から、私の毎新年第一の参拝場所となりました。

 

            

守谷市土塔道祖神。TX守谷駅の南側の一角に、コンクリートの建物に囲まれて、忘れられたように鎮座している。

  

 次が村社ともいうべき旧守谷町の中心エリアにある八坂神社です。名前からも想像できるのは、京都の八坂神社を勧請したものと思われます。京都の八坂神社を総社とする同名の神社が全国に約2300社あるということですから、ここもその一つなのでしょう。守谷市には旧守谷町の中心部近くに、その昔の関東の勇者平将門の築いた出城の跡があり、現在は公園となっていますが、この八坂神社もそれらの時代とつながっているのかも知れません。境内には銀杏や欅の大木があり、小さいながらにも歴史の面影をしのばせる場所となっています。道祖神様に参拝の後は、10分ほど歩いて今年もこの神社に参詣しました。守谷市内では初詣の人が一番多くて、お参りを済ませるまでに20分ほどかかってしまいます。でも参詣者の様子等を観察する楽しみがあり、我慢ができる時間範囲です。

 

        

守谷市の村社(?)の八坂神社。普段は神主も不在で、参拝者も殆どないけど、初詣の時はさすがに混み合う。これは大晦日に撮影したもの。

 

 ここまでは元旦の行事ですが、毎年の初詣の締めくくりとして、一言主神社への参拝は4日以降となります。というのも我が家から10kmほど離れた常総市にあるこの神社は、この辺りでは初詣の人気スポットの一つであり、正月3カ日は近郊からの参拝者が殺到し、ひどいときは数キロも車の渋滞の列が続くことがあるからです。引っ越して来て間もない頃は、そのようなことはつゆ知らず、ノコノコと出かけてゆき、二進も三進も(にっちもさっちも)ゆかない羽目に陥り、ようやく隙を見て逃げ帰ったことがあり、それ以来4日以降に行くことにしているのですが、今年は5日の参拝となりました。

 

 一言主神社が全国にいくつあるのか判りませんが、その総本社が奈良県御所市の葛城一言主神社であることは間違いありません。私がこのちょっと変わった名の神社を知ったのは、守谷市に越して来た時に、千葉市に住む家内の母がこの神社に時々友人たちと訪れていたという話を聞き、どんな所かと出かけて行ったのが初めてでした。行ってみると、思った以上に立派な構えで、且つ平日でもマイクロバスなどに乗ったお年寄りの方々が結構多く参拝に来られているのを知り、驚かされたのでした。

 

 この辺りでは、一言(ひとこと)さんの愛称で親しまれているこの神様(関西ではいちごんさんと呼ばれているとのこと)は、文字通り一言の願いでも必ず叶えてくれるという優しい心づかいの神様ということで人気があるのでしょう。ご老人にファンが多いのは、ご苦労の多かった時代を生きてきた者のささやかな願いの受け止め所としてここが慕われていることによるのかも知れません。

 

その後は、母と一緒の参詣だけでなく、時々気が向くままに空気を吸いに出かけています。ここは大木に囲まれており、いつ行っても身も心も癒される場所なのです。そこの空気を吸っているだけで気分が清新なものとなるのを実感できる場所だからです。どこかの案内記事にパワースポットなどと書かれていましたが、あながち嘘ではないように思います。

 

 ここの由緒書きなどを読むと、一言主の神様というのは、東国の災禍を救わんがために、大和の国葛城山(奈良県と大阪府との境にある標高959mの山)の山麓から飛んできたのだ、というようなことが書かれています。ということは、本家は奈良県の方にあるということになります。それで、地図を調べてみましたら、ありました!奈良県御所(ごせ)市の葛城山麓(奈良県御所市)に確かにその所在が記されていました。そして、3年前、ひょんなことから御所市で行われた、あるキャンピングカーのクラブキャンプに参加させて頂く機会があり、その時にその本社に参拝することができたのです。

 

 ご本家の社殿の構えは、関東のそれと比べて決して大がかりなものではなく、むしろ小規模ではないかと思えるほどでした。しかし、社殿の後ろには葛城の山の深い森を控え、石段の参道を上がると樹齢千年を超える銀杏の老樹を初め多くの老大木が社殿を囲んでおり、大自然の懐にすっぽりと抱かれ溶け込んだ落ち着きがあって、歴史の重みを秘めた何とも荘厳な存在なのでした。平地に鎮座した関東の社殿とは大分に貫録が違うように感じました。

 

         

奈良県御所市にある一言主神社の総本社。質素な佇まいだけど、全体的な雰囲気は歴史の重さを感じさせるものがある。

 

 ついでですが、奈良県の御所市という所は、日本では最も古い歴史の残っている街のような気がします。クラブキャンプの際には、3日間ほど街の内外をあちこちと訪ね歩きましたが、どこも歴史的な魅力が溢れていました。御所は、大和朝廷が誕生する前の地方有力豪族が栄えていた名残のある場所なのです。明日香(飛鳥)よりももっと古い歴史の跡が残っているのです。往時の豪族として鴨(=加茂・賀茂)一族、葛城一族、巨勢(こせ)一族が有力だったということですが、これらの子孫たちは、その後全国に散って、それぞれの繁栄を図ってきたということです。京都の賀茂神社(上・下)は古さでも有名ですが、それも元は御所の高鴨神社から発したものであり、それは鴨一族の発祥の地の守り神として高鴨神社が位置付けられていることによるからだということです。御所は坂道の多い所ですがぜひ一度歴史散策をお奨めしたい隠れた存在の街だと思います。

 

  閑話休題。さて今日の参拝はさすがに5日ということもあり、混雑は緩和されていましたが、それでも来訪の車はかなり多くて、駐車場は近い場所ほど混雑していました。200mほど離れた駐車場に車を置いての歩きとなりましたが、1mでも1cmでも神社の入り口に車を近づけようとする人の多いのには、毎度驚くばかりです。ここへ来るには車しかありませんので、こんな時には日本人の効率主義の原点を見ているような感じがします。

 

 今年一年の家内安全と健康、旅の安全を願って柏手を打って参拝を済ませた後は、いつもの境内に出ている苗木屋さんで千両の木を2本買いました。これは家内の予てからの願望で、我が家には万両の木しかないため、千両も取り揃えたいということなのです。何しろ自分にとって最も身近な神様といえば、それは山の神以外はありませんので、山の神の願いには反対する理由はないのです。今年は我が家だけではなく、世の中全体が一つでもいいことが増える年であって欲しいと願ったのでした。今年の一言の願いはそれだけです。

 

     

常総市にある一言主神社。この写真では社殿の中の様子は判らないけど、祈祷を希望する人たちが順番待ちの混みようだった。     

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年のくるま旅くらしの思惑 | トップ | 新兵器を獲得する »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

その他」カテゴリの最新記事