山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

新型インフルエンザに思う

2009-05-22 06:17:27 | 宵宵妄話

狂乱という感じがします。その昔のコレラの蔓延に匹敵するような症状を呈している世の中という感じがします。もっともコレラがコロリと呼ばれた時代の現実は想像するしかありませんが……。

先日のブログで、人間の天を恐れぬ仕業に対する警告ではないかというようなことを書いたのですが、現実に明日を思いながら生きている人たちにとっては、そのような戯言(ざれごと)など何の意味もないことでありましょう。誰だって生きてゆかなければならないという切実な現実の中にいるのですから、たかが風邪と思いつつも、大事をとって無視できるはずがないのだと思います。

しかし古稀を迎えようとしている私には、どうもこの世の中の現象が狂乱としか映りません。慎重を期すという意味で、政府等がとっている施策が決して間違っているとは思いませんが、それに対する世間大衆の反応は、マスコミなどの過剰喧伝を介して層倍の騒ぎとなり、それに振り回されているような気がしてなりません。

例えば、マスク問題などはバカげている感じがします。買占めだとか、平素の30倍の価格だとか、マスク不足の現象面を報道するのはやむを得ないとしても、マスクが無いのなら、どういう防護策をとれば良いのかなどについては、殆んど何も報道されていないし、視点がそこに向いていない感じがします。飛沫感染を防ぐ方法をもっと紹介すべきです。マスク以外でも防ぐ方法がいろいろあると思うのですが、マスクが手に入らない大衆は、恰(あたか)も野ざらしの感染世界の中に放り込まれて、ウロウロさせられている感じがしてなりません。政府の「冷静に!」という声は大切だと思いますが、冷静とは何なのか、その中身をもっと強調すべきですし、マスコミもそれに力を入れて報道すべきではないのかと思うのです。

今回の狂乱現象を見ていて思うのは、社会が病んでいるのではないかということです。新型の病原菌という得体の知れない侵入者に対して、あまりにも過剰反応し、そのことが動物として生きるという側面をはるかに超えて、社会集団としての混乱現象を呈しているように思うのです。難しげな言い方になりましたが、簡単に言えば病気になりたくない一人ひとりの人間としての気持ちと行動が、世の中全体を金縛りの如くにしているということです。

病気になりたくないという気持ちは、人間の本能の一つだと思いますが、その基盤は元々心身共に強い自分をつくること、維持することにあるのであって、普段そのための努力を何もしないでいて、いざとなったら対症療法的な発想に振り回されるという、そのような人が多すぎるような気がします。病気になったら薬さえ飲めば大丈夫というのは誤りであって、薬を飲まなくても直してしまう身体をつくり、維持することが大切なのだと思うのです。

私には、今の世の中は健康というものに対する考え方が、その根本のところで何かズレて捉えられているような気がしてなりません。健康というのは、本来医療とは反対の局面にある考え方であって、医療を必要としないのが健康であるという意味であったはずです。それが、今の世は、「健康=医療」と直結しており、むしろ医療の方が健康の前面にしゃしゃり出ている感じがするのです。これは人間の生き様としては逆なんじゃないかと思ったりするほどです。確かに寿命(平均余命)は伸びているのかも知れませんが、その中身までが健康なのかといえば、疑問大です。今回の新型インフルエンザ現象も、本来の健康とはかなり離れた所で騒ぎが起こっている感じがしてなりません。

大した知識も情報も無いのに、偉そうなことを書くと問題があるようにも思います。ま、世情批判もほどほどにしておくことにしましょう。それにしても、私自身のことを思うと、リタイア後は風邪など一度も引いたことがありません。特にくるま旅くらしを始めるようになってからは、全く風邪などからは無縁の生き方となりました。60年近くかかって溜め込んだ様々な雑菌の免疫が、自由時間のもとに解放された空間を楽しめるようになって、大いに活躍、機能してくれているのだと思っています。

今回のインフルエンザでは、高校生などの若い方たちが多く罹患の憂き目を被っているようですが、免疫不足によるものなのでありましょう。強くなるためには、様々な未知の出来事にぶつかり、それを乗り越えることが何よりも大切ですが、その意味では、不幸にして今回風邪に取り付かれた方々は、いいチャンスだったと受け止めしっかりと免疫と耐性を我が身に植えつけ、より強い身体つくりと健康維持に努めて欲しいと思います。

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