山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

花たちが教える春の訪れ

2013-03-15 12:44:00 | その他

  このところ悪魔と化した花粉に見舞われて思考停止の状態ですが、先日大風が吹いて砂塵を舞い上げて荒れ狂った後に、雨らしい雨が降って、少し大気が落ち着いた隙を見計らって、5日ぶりの散歩に出掛けました。

今ごろの季節は、ポカポカ陽気のいい天気の日は外出が恐ろしくて殆どを家の中で過ごしているのですが、普段動き回っている者にとって、好天の日中に閉じこもってじっとしているストレスというものは、これはもう大変なものとなります。いつもだとこんな時には親しき友の詰まった瓶などを取り出して、その悪友との友情を深めて後、直ちに惰眠の世界に飛び込むという筋書きになるのですが、今年はうっかり酒のラマダンなどというのに取り組んでしまったものですから、真面目にストレスと向き合うしかありません。

そのような状態を打ち破るかの如く春の嵐が吹き荒れ、雨が降って鎮まった後のひと時の外出は、かけがえのない喜びなのでした。5日ほどのご無沙汰でしたが、いつもの歩きのコースのおちこちに春を告げる木々の花たちが、昨夜の雨の恵みを目一杯享受しているかの如くに微笑んでいました。中には、歓声を上げるかの如く満開の花もありました。それらの幾つかを、ずらずらと勝手に紹介させて頂くことにします。

<コオリヤナギ>

コ(ウ)リヤナギとは行李柳と書き、その命名はこれを反対にすると判り易いと思います。即ち、「柳行李」となります。今は見られなくなりましたが、戦後間もない頃まではどこの家にも柳行李という少し大型の手編みの蓋つきの入れ物があり、その材料となっているのが、行李柳の木の皮なのです。木の名前とそれを材料とした製品が逆の名付けになっているというのは珍しいように思います。写真は、散歩の途中の栽培放棄の水田の後に自生しているコウリヤナギの小さな林の芽吹きに気づいて撮ったものです。萌黄色の柔らかな緑がつい先日まで凍てついていた湿地からの解放を告げているかのようです。

<ユキヤナギ>

これは誰にも馴染みの灌木だと思いますが、柳の枝のように広がった何本もの枝に無数ともいえる純白の小さな花をつけて、春の訪れを告げてくれる樹木ですが、今、ようやく花の一部がほころびかけています。株全体を白く染め上げる日もそう遠くないようです。

<トサミズキ>

 早春の庭先によく見かける花の一つです。似たような花にヒュウガミズキがありますが、こちらの方はこのトサミズキよりも花が小型で、その分数が多いようです。大型である分だけ、トサミズキの方が落ち着いて春を告げてくれるような感じがしています。

<サンシュユ>

 サンシュユは、山茱萸と書きます。茱萸とはグミの実のことであり、赤い色をしていますが、この木の実も秋になると真っ赤な実をつけます。花の鮮やかな黄色からは想像もつかない実の色ですが、うっかりしているとこの木の春と秋の存在を同じとは思わないことになります。私自身もそれを納得するまでに少し時間がかかりました。

<ニリンソウ>

 ここからは木ではなく草の名前です。漢字では二輪草と書きます。その名のように花の多くは二輪咲きなので、この名がつけられたのでしょう。写真は我が家の野草園のものですが、元々は玉川上水の畔に自生したものを招いたものです。どんなに寒い季節でも、今頃になると固い土を持ち上げて芽を出してくれます。我が家では一番の春を告げてくれる野草です。花が咲くまでには未だしばらく時間がかかりそうです。

<ギョウジャニンニク>

 漢字で書けば行者大蒜となります。北海道では、アイヌネギと呼ばれているようです。山菜の中でも独特の存在だなと思うのは、やはりその香りにあると思います。味噌をつけてそのまま食べるのが自分流ですが、周りの人たちからは歓迎されないのが残念です。この写真のは、数年前に小樽に住むKさんから分けて頂いたものを庭先に植えたものです。勿体ないので食べる気は起らず、花が咲き実を結ぶまで大事に鑑賞しています。

<ショウジョウバカマ>

 我が家の春を決定づける野草であり、この花が咲くと本当に春が来たのだなあと実感するのです。これは東北の春旅の途中で思わず持ち帰ったものですが、東北の山野にはどこにでも自生している花のように思います。毎年花は一つだけなので、可哀想なのですが、やたらに増やそうとは思ってはおらず、自然と増えてくれるのを待っているのですが、今年も株は増えてはくれないようです。この花が咲き終える頃には旅に出掛けられることを夢見ています。

 

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