山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

越後・信濃路の旅:第1日

2016-11-04 04:14:41 | くるま旅くらしの話

第1日<10月15日:土> 天気: 晴れ

 <行程>

宅 →(K・R354)→ 境古河IC →(圏央道)→ 桶川加納IC →(R17)→ 道の駅:おおた[太田市粕川町] →(R17)→ 道の駅:こもち[渋川市白井] →(R17・R120)→ 沼田城址付近(P見つからずパス) →(R17)→ 名胡桃城址散策[群馬県みなかみ町] →(R17)→ 道の駅:みつまた[新潟県南魚沼郡湯沢町] →(R17)→ 道の駅:南魚沼[南魚沼市](泊)  走行:231km

 <レポート>

 出発

朝から雲ひとつない快晴の空だった。何だか幸先がいいような気分になった。8時半ごろまでに荷物の積み込み等の準備を終えて、9時少し過ぎた出発となる。孫たちは、何の用があるのか、親たちに連れられて早々に出かけて行った。すなわち、孫たちを見送ってからの高齢者夫婦の出発となった次第。

今日のメインは沼田市の沼田城址の散策なのだが、これは言うまでも無くNHK大河ドラマの影響を受けての現地確認といったところか。しかし、この車では本当にそれが実現できるのかどうかは行って見なければ全く分からない。くるま旅の予定とは概ねそのようなものである。

家を出てからは、境古河ICから圏央道を利用してR17につながる桶川加納ICまで行く予定。先ずは坂東市街の方に向かう。何の変哲もない秋の田舎道である。途中渋滞個所が幾つかあり、境古河ICまで1時間近くかかってしまった。年内には圏央道の全線が開通する予定だと聞いているけど、それが実現すれば、わざわざここまで来なくても隣の常総市に出来る新しいICから入れるので、30分くらいは短縮されるのではないか。ま、その時までは致し方なし。

高速道に入って、15分ほど走って菖蒲PAという所で一息入れる。新しいPAは何もかも新しくて、トイレなども何だか新鮮な気分になれるのは不思議だ。直ぐに出発して、桶川加納ICで高速道と別れ、旧三国街道とつながるR17に入る。あとは只管この道を北上するだけ。とはいってもR17は幾つかのバイパスなどを持っているので、間違わないようにすることが肝要。今回はRVパークがあるという群馬県太田市にある道の駅:おおたによることにしているので、ナビにそのように設定して、それに従うことにしている。

 

道の駅:おおた(群馬県太田市)のRVパーク

R17に入って、只管北上を続ける。埼玉県内の北本市、鴻巣市、行田市、熊谷市、深谷市などを通過して、11時半過ぎに群馬県内に入って太田市にある道の駅・おおたに到着。相棒が今朝の朝食を軽く済ましていたのでお腹が空いたというので、ここで昼食休憩とすることにした。

 太田の道の駅には関東では一番早く設けられたというRVパークがあるというので、それがどんなものなのかを見るのを楽しみにして来ている。RVパークというのは、車で旅をする人のために設けられた専用の宿泊専用スペースであり、電源やゴミ処理などの出来るレベルの設備も備える所があると聞いている。そのような場所は有料のものが多いが、無料で安心して泊まれるものもあり、その設備に一定の基準の様なものは作られていないようだ。自分的には有料(1泊千円程度)で、コイン仕様の電源があり、給排水やゴミ処理の出来る設備を備えたスペースを希望したい。

 さて、どんなものなのかと楽しみにして探したのだが、結果は、正面の大駐車場の方ではなく、駅舎の裏側の方に「RVパーク」と書かれた看板のぶら下がった駐車スペースが5カ所ほどあるだけの状況だった。そこには駅の関係者のものなのか、車が駐車されており、えっ、これがRVパークなの?と、驚いてしまった。駐車スペースも狭くSUN号などのレベルの車が並んで停まったらドアの開閉が難しかろうと思うほどだった。どうやらこのRVパークは、一般の小型車だけの車中泊を想定してのものらしい。しかし、この程度のただの駐車スペースなら、無料とはいえ、何もわざわざこんな裏の方に停めなくても、他に自由に停める場所があるのだから、利用する人は少ないのではないかと思った。それは看板が外れかかっているのがあったり、他の車が駐車している状況から見ても直ぐに判ることである。これじゃあ、RVパークとはいえないな、というのが落胆しながらの所感だった。

     

道の駅:おおたのRVパークスペース。向こうの奥の方にそれらしき表示があるのだけど、これではただの一般駐車スペースにも劣るくらいだ。何か勘違いをされている感じがした。

 沼田街道白井宿(=道の駅:こもち)

道の駅;おおたを出た後は、引き続きR17を順調に走って、伊勢崎市内から前橋市内を通過して渋川市に入り、間もなく道の駅:こもちに到着する。13時を少し回っていた。この道の駅には何度も来ており、宿泊したこともある。裏の丘の上方に温泉もあり、人気のある道の駅の一つだと思う。

 ここは旧沼田街道の白井宿のあった所で、そのことを知らしめようというのか、駅舎は白壁なまこ塀に囲まれており、なかなか風情のある造りになっている。しかし、なぜ「こもち」という駅名にしたのか、ふと疑問が湧いてしまう。「白井宿」とでもした方がずっと判りやすいと思うのだが、子持山の方が相応しいのだろうか。地元の人たちの感覚は解らない。

 久しぶりに駅の裏の方にある水路のある場所の方へ行ってみた。水路の脇には昔の宿場町の面影を残す景観がほんの少し残っている。駅に寄る人で、150年前の昔は、かなり栄えた宿場町だったと知る人は少なく、なまこ塀に疑問は抱いても、裏の水路の方まで足を延ばす人は殆どいないのではないかと思う。地元の情報発信のあり方にもう一工夫要るのではないかと思ったりした。

 今夜の酒の伴にと、名物のこんにゃくの味噌おでんなるものを買い入れた。湯で温めて味噌を塗って食すようにと書かれていた。

 沼田城址 → 名胡桃城址

白井宿のあった道の駅:こもちを出発して、次の目的地は沼田城址のある沼田市を目指す。沼田市街は何度も通過したことがあるのだが、昔の城跡を訪ねたことは無く、今回初めてその気になったのは、やはりNHK大河ドラマの真田丸を見ていたからである。真田一族については、池波正太郎先生の小説などで、それなりに戦国時代を闊達に生き抜き、又敗れ去った人たちだと理解してはいたのだが、その歴史の名残りの現状を確認してみようとは思い至らずここまで来てしまっている。真田丸は大阪城に作られた出城の一つなのだと思うが、元々の真田家の拠点だった沼田城や上田城或いはもっと古い名胡桃城などを確認するのも大事だなと思った次第。

 さて、沼田市街に入り、坂を上って城址公園の方に行ってみたのだが、駐車場が見当たらない。一回りして探そうとしたのだが、少し図体のでかいSUN号では、やっぱり無理なのだろうと諦める気分が膨らんできた。今日のメイン訪問先と考えていたのだけど、今日はこの先もあることだし、次は必ず訪ねることにして探すのを止めることにする。

 R17をしばらく走ると、水上町に入って間もなく名胡桃城址の大きな案内板が目に入った。そう、名胡桃城がこの辺りにあったのだ。以前この辺りを通った時にも気づいたのだが、今日は沼田城に振られているので、ここは是非寄って探索しなければならない。駐車場も余裕があって安心して車を止めることが出来た。

名胡桃城は幸村の父真田真幸が本格的な城に築き上げた山城である。戦国時代の城は今に残るような格好の良いお飾り風のものではなく、まさに生きるか死ぬかの戦のためのものであった。築城に当って大切なのは、地の利を生かした要害としての機能を持つかどうかであろう。

名胡桃城は南東部の急崖を利用してつくられた段構えの郭を有する構造となっていた。まさに戦のための城という感じだった。この構えからは、天守閣などがある筈も無く、恐らくや小さな館程度の建物があったに過ぎなかったのではないか。以前上杉謙信の本拠だった春日山城跡を訪ねた時も同じような感慨に捉われたのを思い出す。

 馬出し門から入って、城郭の広さなどを確かめなどしがら、一番下の笹郭までゆっくりと往復する。笹郭からの景観は、遠く沼田城を見通せるかの如く、眼下に平野が一望できた。こんな崖を上ってくる敵があったとするなら、丸太や大石などを転がり落とすことも有効な戦術だったに違いないなと思ったりした。先ほど駐車場を探しまくった沼田の城も似たような地形に造られていたに違いない。真田真幸や幸村などという人は、このような地形での戦術の達人だったのであろう。平地で育っただけの人物には決して浮かばないアイデアを持っていたに違いない。

     

国道17号線脇にある名胡桃城跡の景観。真田家の六文銭の旗が風になびいていた。山城である。旗の向こうの方の出城の下は急崖になっており、往時を偲ばせるものがある。

 しかし、まあ思うのだが、やはり一番肝心なのは、戦ではなくそれが終わった後の治世であろう。治世というのは継続性が肝要だ。多くの勝者は知らず思い上がって己のことばかりしか考えず、没落の種をまく撒くことが多い。織田信長も豊臣秀吉も結局はそのような種をまいた人だった様に思う。真田真幸や幸村が生き残っていたとしたら、さて、どのような治世を行っていたのだろうか。一族で生き残った徳川方についた真田?は、良き治世を行った人物だと思えるので、恐らくこの一族は誰が天下を取っても良き治世のできる人物が揃っていたのかもしれない。このように勝手な想像が出来るのは、後世に生まれた者の特権ではある。

 名胡桃城の跡を訪ねながらいろいろなことを想った。今度は是非沼田城を訪ねなければならないと思った。上田城はこの後の旅の行程の中に含めているいのでその日が楽しみである。

 三国峠の情景

R17は三国街道ではない。往時の街道といえば道幅はせいぜい2~3mほどであったろうし、山道などはそれほどの余裕は無い細道だったに違いない。所々に往時の街道の跡を示す標識が出ていたが、下りて確認するには至らず、そのまま車を走らせて三国峠に向かう。水上を過ぎると次第に山が近づいてきた。上り坂にかかろうとする手前で、家内が「あっ、鹿だ!」と叫んだ。丁度西日の日射しが眩しかったので、自分は瞬間身構えてハンドルを握ったものの、何が飛び出したのかは判らなかった。鹿だというので、こんな所に野生の鹿がいるのかなと思ったら、家内が言うのはカモシカだった。随分昔十和田湖のキャンプ場に泊った時、家内はカモシカのことを「あっ、トナカイだ!」と叫んだのを思い出した。その時はこんな所にどうしてトナカイがいるのかなと不思議に思ったものだ。日本の国内にtp中井がいるという話は聞いたことが無い。カモシカと知ってのあとは大笑いとなった次第。今日はそのカモシカ君が突然の飛び出しの歓迎をしてくれたというわけである。カモシカも熊君たちと同様にこの頃は人里に下りて来ざるを得ない食料状況にあるようで気の毒である。人間がそのような状況に追い詰めてしまっているのかもしれない。自分一人が反省してもどうにもならないことは判っているのだけど、この頃の熊騒ぎなどをTVのニュースで見る度に、熊君たちにも同情してしまうのである。カモシカ君も、飛び出しだけはしないようにして欲しいものだ。交通事故はやはり避けて欲しいと願う。そのようなこと思いながら峠の坂道を上り始める

猿ケ京温泉を少し過ぎた辺りを走っていると、道の中央近くに何やら小さな動物の塊が見えたので少し緊張する。近づくと、彼らは逃げようともせずに道の脇に車を避けた。見たら、子どもを背におぶった母猿だった。まさに猿ケ京である。その名の通りこの辺りには昔からたくさんの猿たちが王国を築いていたのかも知れない。それにしても最近の猿たちは、車など恐れはしないこと、まるで思い上がった老人の如くだ。背中に背負った我が子の安全のことを想うなら、道路になど出て来なければ良いのに。それなのに人間どもは見かけると「かわいい!」などと嬉しげな声を上げるのだ。

三国峠(R17)は、曲がりの連続する急坂を高度900mを超えて上る道である。表示によるとカーブは55箇所もあるという。老体のSUN号にはかなり厳しい坂道だ。しばらく後続車を引き連れて走って、間もなく三国トンネルを潜る。この先は雪国である。今の時代となっては、余り長いとも思われるトンネルを潜ると、そこは雪国だった、ということになるのであろうか。しかし、今の雪国の其処は、山を切り開いたスキー場が幾つもあり、高層のリゾートホテルが幾つも聳立している。坂を下って、道の駅:みつまた(=三俣)に着く。

 道の駅:南魚沼(泊)

今日の泊りは道の駅:南魚沼である。南魚沼市は、平成の大合併で、旧六日町、塩沢町、大和町の3町が合併してできた市である。隣の魚沼市も新しい市であり、この辺りは美味なる米の産地として超有名である。年金暮らしの我が世帯では、そのような米を食することは滅多に出来ない。この辺りの農家の人たちは当然ながら毎日普通にその米を食することが出来るのだから、羨ましい限りである。そのようなひがみ根性を抑えながらも、今日はせめてせんべいだけでもここでものにしようなどと思いながら、未だ閉店前の販売所を覗く。閉店時刻まであと30分ほどの店内は、かなりの来客で賑わっていた。早速せんべいが山のように積まれた箇所に行き、良さそうなものを探す。米どころのせんべいはやはり味も格別なのである。お土産も兼ねて幾つかのせんべい袋を買い入れた。ついでに米の置かれている場所を覗き、値段はいかほどのものかと恐る恐る値札を見て見た。1kg、2kg、5kgそれに10kgの袋詰めがあり、単位当たりに換算すると、5kgの分が割安となっているようである。どうするかしばし迷った後、新米という表示に心惹かれて、思い切って一袋を買い入れることにきめる。これで、しばらくは越後魚沼の美味い米が食べられる。

     

ここは魚沼米の本場である。売り場には出来上がって間もない新米の袋が数多く積み上げられていた。

     

売り場にうず高く積み上げられているせんべいの入った袋の商品。安くておいしいとあれば、ついつい余分に買い入れてしまうのもやむを得ない。

 買い物に満足した後は、陽が落ちてすっかり暗くなった車に戻り、おのこの道の駅で買い入れておいた弁当やおかず類の夕食を済ます。その後は寝るだけの旅くらしである

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