山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

筑波山登山の記(第34回)

2015-04-20 06:51:54 | 筑波山登山の記

<第34回 登山日 2015年4月16日(木)>

   先週の白銀の世界への登山から1週間が経った。この間、次の登山を早めにしようと待ち構えていたのだが、天気はずっと愚図ついていて、曇りどころか雨や雷雨などのロクでもない空ばかりが続いていて、あっという間に1週間が過ぎてしまった。ようやく晴れとなったので、今日は少し早い時刻に家を出ることにした。

  4時には家を出るつもりが珍しく寝過ごし、15分ほど遅れての出発となった。天気は予報通りのようで、少し雲は残っているものの、昨日の雨で清められた空には下弦を何日か過ぎた月が、東の空に鋭い鎌形をして光っていた。もう今ごろは日の出が5時を少し過ぎるくらいになっているので、4時半になると空が明るくなり出して来ている。早朝のドライブは快調で、40分位でいつもの駐車場に到着する。駐車場付近の森にはウグイスたちがたくさんいて、この地のウグイス君たちは「ホー、ゴインキョ、ホー、ゴインキョ」と鳴くので、何だか自分が呼ばれているような気がして、思わず笑ってしまった。靴を履き替え、直ぐに出発する。

  今日は御幸ヶ原コースを、男体山を目指して往復するつもりでいる。早朝の門前町は静まり返っており、通る車も人もいない。大御堂というお寺の脇の急坂を登ってしばらく歩くと筑波山神社の脇にある登山口に至る。早速登山を開始する。今日は淡々と登り、淡々と下りて来るだけにしようと思っている。先週の雪以来何度かの雨と、特に昨日の一日中降り続いた雨で、登山道の足元はかなりぬかるんだ状態となっていた。所々水が溢れている箇所があって、筑波のお山もまだ排水中という感じだった。

  今日は新兵器(?)を持参している。それは2本杖である。いつもは仙人が持っているような6尺ほどの手づくりの長い杖を使っているのだが、今日は4尺ほどの短い杖を2本持参して、それを両手で使い分けようというわけである。いずれも昨年の冬に家の付近の森や林を歩き巡って、樫の木の手頃な長さの枝を伐ってきて皮を向いて1年ほど乾かし、火であぶり、その後にニスを塗ってこさえたものである。このような杖を5~6本作ってあるのだが、短いものを持参したのは今日が初めてなのだ。市販されている2本杖を持っての登山者を多く見かけており、自分もそれを少し真似てみようと思った次第。但し、買うのは面白くないので、杖は全て自作しようと思っている。

杖を手づくりしようと思ったきっかけは、秋田県大仙市の旧中仙町に住んでおられた、彼の有名民謡「ドンパン節」の作者である円満造ジサマ(本名・高橋市蔵~東北の左甚五郎と呼ばれた名人宮大工)を知ってからである。大仙市にある道の駅:なかせんには、米俵の上にちょこんと乗った円満造ジサマの塔が建っているけど、その下の方の写真には、杖を持った円満造ジサマが写っている。それらを見て大いに刺激され、憧れとなっている。これからも良い枝ぶりの木を見つけたら、ものにしたいと考えている。

  脱線したけど、今日の2本杖は結果オーライだった。1本杖も悪くは無いのだが、やはり2本の方が身体を支える力のバランスが良いようで、登りも下りも効果的だった。欲を言えばもう少し長めの方がより使い易いように思った。これは今後の課題である。杖づくりの楽しみも登山に付加することにしたいと思っている。

  淡々と登って、6時半頃には御幸ヶ原に到着。その少し手前の辺りには、前回は見ることのできなかった二輪草の群落が幾つもの花を咲かせていた。又、道端の片隅にハルトラノオの小さな花を見つけて感動したりした。カタクリも点在して咲いており、こちらの方はもう花の最盛期を過ぎたものが多いようだった。

   

御幸ヶ原近くの樹木の下に広がる二輪草の群落。所々にカタクリも混ざって咲いている。1週間前はこの辺りは完全に雪に隠れていた。

   

小さすぎて判りにくいけど、葉の中央の辺りに薄いピンク色のぽやっとした花を咲かせているのがハルトラノオ。この株は草丈が10cmにも満たなかった。

直ぐに男体山頂上へ。勿論、1週間前の白銀の世界など想像もできない周囲の様子で、芽吹き始めた木々たちのその向こうに、田んぼの耕作を始めたらしい黒い水田や緑の畑などが広く俯瞰できた。頭上は青空なのだが、地平線の彼方には雲の帯が掛かっており、見える筈の富士山も日光の連山も那須の峰々も、皆その雲の帯の中に消えていた。ご本殿を拝して直ぐに下山を開始する。

   

男体山ご本殿の裏側にある標高の標識板。今日の登山の証拠として撮影しておいた。

   

男体山頂付近から下界を俯瞰する。前回は男体山には登らなかったけど、この樹木たちは樹氷になって固まっていたに違いない。下界は、間もなく農事が本格化する。

  御幸ヶ原に下りて、ケーブルカー頂上駅脇にある休憩所で一息入れる。持参した枇杷茶が美味い。この頃はお茶といえば専ら自家製の枇杷茶である。クチナシの実を1個入れて、よりパワーアップしたこのお茶は、糖尿君をなだめるのに相当に力を発揮してくれているように思っている。市販のサプリメントなんぞクソくらえ!である。このお茶を飲むと、トイレに行く頻度は増えるけど、体内の水に係わる器官類の回転が活性化しているのだから、その効果は疑いなしと思いこんでいる。(これは、登山には関係の無い話でした)

  間もなく下山を開始する。滑り易くなっているので、慎重に足を下ろす。二本杖が有効だ。それでもドジをして2度ほど尻もちをついてしまった。男女川源流を過ぎる辺りから登って来る人が多くなり出した。その殆どは自分と同世代と思しき人たちで、これはいつもと変わらない。今日は女性が少なく2~3人しか出会わなかった。1時間と少しかかって登山口に着く。駐車場に着いたのはその10分位後。直ぐに帰宅の準備をして車を発進させる。帰宅は9時5分。早過ぎた帰りを、カミさんはTVを見ながら少し驚いていた。今回はこれで終わり。

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