山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘13年 秋の関西方面への旅レポート <第14回>

2013-11-09 03:30:26 | くるま旅くらしの話

【今日(11/9)の予定】 

  道の駅:こもち→(R17)→ 渋川・伊香保IC →(関越道・北関東道)→ 真岡IC →(R294)→ 自宅 

【昨日(11月8日)のレポート】       

<行程>

道の駅:オアシス小布施 →(R403・R292)→ 道の駅:北信州やまのうち →(R292)→(志賀高原経由)→ 道の駅:草津運動茶屋公園 →(R292・R145)→ 道の駅:おのこ →(R292・R345)→ 道の駅:こもち(泊)

<レポート>

 小布施の道の駅の夜は、高速道に隣接しているせいか、夜間も騒音がずっと続いて、期待していたよりは静かさが不足していたが、文句を言うほどの酷さではなかった。二度寝して、起き出した7時頃はドアを開けると、冷えた青空が広がっていた。昨日のぐずついた天気とは打って変わった清々しい朝だった。明け方近くになってかなり冷え込んだようで、寝床の上の壁の板の継ぎ目には水滴が並んでいた。これはこの車で旅をするときの寒さの証のようなもので、今回の旅では初めての朝であった。いよいよ冬が近づいているのを実感した。

朝食の後、昨日注文した紅玉を買いに行って戻った相棒が、珍しくもというか、奇偶というべきか、旅の知人のKさんご夫妻に声をかけられたとのことだった。リンゴ売り場で会って、Kさんご夫妻もどうやらリンゴを求めておられたらしい。あとでこちらにお出でになるとのことだった。Kさんとは北海道でお会いしてからもう10年来の知人で、毎年北海道で1度くらいしかお会いしていない。北海道の場合は、大体旅での滞在地や訪問先が決まっているので、お会いするチャンスは結構多いのだが、それ以外の地で知人に会うのはかなり珍しいのである。その後しばらくしてKさんご夫妻が車に見えられ、挨拶して直ぐに戻られるというのを引きとめ、それから10時近くまで歓談することとなった。我々がここに来たのは、予定外の行動の結果だったのに、相棒がリンゴ売り場に出かけた丁度その時刻に出合うとは、まさに大変な偶然だなと思った。しかも、Kさんの車は、高速道のSA内にあり、自分たちは高速道の外の駐車場なのである。こんな偶然を挨拶だけで通り過ごすわけにはゆかないともおもったのだった。

1時間ほどの歓談だったが、いつもの様なたのしい旅の出来事から始まって、お互いの家の近況のことなど、そして終わりごろはやはり健康の話になった。Kさんは所沢市在住で、我々と同世代である。ご主人は今年体調を崩されて、北海道行を取りやめることをかかりつけの医者から宣告されたのを、振り切って5月に出発し、秋近くまでのかなりの期間を北海道で過ごされたとか。その結果、心配されていた体調の方もすっかり回復したとのこと。旅には病を癒す力が秘められているのを、お医者さんは知らなかったのだと、そのような話題に話がはずんだのだった。真にたのしい時間だった。

Kさんご夫妻と別れて、少し時間が経ってしまっていたので、小布施の町の散策は止めることにして、予てから一度通って見たかった志賀高原から草津に抜ける道を行くことにして出発した。先ずは、湯田中温泉近くにある道の駅:北信州やまのうちに行き、トイレの処理などをした後、いよいよ高原に向かう。ずーっと登りの坂道が続いており、SUN号にとっては、今日は受難の日になるに違いない。道路わきの樹木たちは皆黄・紅葉に染まり、遠くの山々は全山紅葉で染め上がっていた。丁度今が紅葉の最盛期の様で、天気はいいし、空気はひんやりして最高の秋の深まりの観察・眺望が続いた。途中、澗満滝というのがあったので、車を停めて200mほど山道を歩いて見に行った。紅葉の彼方に絶壁から幾筋かの白い飛沫の糸を流している滝が望見された。見事な景観だった。帰り道、すごそばにある炭焼き小屋を見学したりして車に戻る。

それから後も登り坂は続き、しばらく走ると、志賀高原のスキー場などのある広々とした場所に出た。葉を落とした白樺の林と針葉樹の林との対象が珍しくて、何枚かの写真を撮った。更に登ってゆくと何と道端には掃き寄せた雪の塊がずっと続いていた。相棒は早くも心配になりだして、この先凍結していないか、通行できるのかを騒ぎ始めていた。更に登って、横手山のドライブインを過ぎ、渋峠というのを越えると景観は一変して、眼下に樹木のない、荒涼とした火山の礫岩の広がる荒れ地が現れた。白根山の火山跡のようだった。少し行くと、日本の国道の最高地点という標識があり、そこには2172mと書かれていた。初めて通る道だけど、そのスケールの大きさに圧倒された。外に出ると、震える寒さだった。

      

日本国道最高地点の表示。R292このようなすごい場所があるとは、ここへ来るまでまったく知らなかった。

それから曲がりくねる長い坂を慎重に運転しながら、草津に向かって降りる。途中から硫黄の臭いが車の中に飛び込んできた。まだ現役の火山なのだというのを思い知らされた感じだった。相棒は嗅覚が敏感過ぎるほどなので、この悪臭にはかなりまいったようだった。ようやく林の中に入り、しばらく走って道の駅:草津運動茶屋公園に着く。いやあ、とんでもない世界を通過している道だった。志賀高原は名前だけは知っていたけど、通ったのは初めてで、今度は夏の季節に訪ねてみたいなと思った。ここで昼食とする。

昼食の後、折角草津に来ているのだから、来た証に湯畑まで歩いて行って、写真を撮り、温泉まんじゅうを買って戻ろうと相棒に話したら、OKとのことだったので、それから時雨出した小雨の中を湯畑まで往復した。ところがこれが大失敗で、湯畑の硫黄の臭いと、温泉街一帯に常時漂っているこの種の臭いにすっかり反応してしまった彼女の嗅覚は、歩行困難になるほど身体を痛めつけたようで、戻るのもやっという状態となってしまった。おまけに帰りは急坂の道ばかりで、蝸牛のような速度で、ようやく車に戻り得たのだった。以前来た時はこれほどの状況を呈したわけではなかったので、大丈夫だと思ったのだが、術後の体調はそうそう簡単には元に戻らないのかもしれないと反省した。

      

草津温泉、湯畑の景観。せっかくだからと立ち寄ったのだけど、相棒はここの毒気に当たって、グロッキー状態となってしまった。

ようやく息を吹き返したので、先に進むことにした。今日の宿は、渋川市にある道の駅:こもちを予定している。これからはそこを目指すだけである。草津の道の駅からはR292を下り続けて、間もなくR145に入り、これをしばらく走る。八ッ場ダム予定地に近づくにつれ、道路は高速道並みに天空を走る感じの橋を通過する。はるか下の方に、旧道が細く走っていた。周辺の山々は見事な紅葉に染まっていた。この夏に霧ケ峰・美ヶ原を訪ねた帰りにもこの道を通っているのだけど、あの時とは全く違った山々の景観だった。途中、道の駅:八ッ場ふるさと館に寄り、少し歩いて近くにある橋の方へ行き、紅葉の山の景色を何枚かカメラに収めた。

      

道の駅:八ッ場ふるさと館近くの山々の全山紅葉の景観。下を流れるのは、吾妻川。この上流にダムが造られるという話は、その後どうなったのだろうか。

その後は、R145をひたすら走って、16時半頃に目的の道の駅:こもちに着く。近くに温泉があるので、自分一人が入りに行く。相棒は、硫黄の毒気からまだ抜けきれず、風呂に入る自信がないというので、そのまま車で休むこととなった。こもちの湯という温泉は、小規模だけど落ち着いた雰囲気で、入浴料も1時間以内250円とリーズナブルだった。旅の最後の夜を温泉に入って締めくくれたのは良かったが、相棒のこと考えると、満足度はかなり下がったのは仕方がない。車に戻り、夕食を済ませ、あとは眠るだけ。明日は高速道を一っ走りして家に戻るだけである

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする