赤ちゃんが幼児に成長すると、自分が他人の内部に入ったように、相手の身体の動きを想像することができるようになります。他人に取り付くと言う意味で、拙稿では、この脳機能を「憑依」と言っています。
幼児は三、四歳くらいから、こういう「憑依」の能力を獲得します。そしてすぐ上達して相手の運動の予測がだいたい成功するようになります。その成功経験から、仲間の人間が動く仕組みを予測するモデルとして自分の脳の内部に作り出したシミュレーションが、人の「心」なのです。
そうなると、人間の姿を見たとたん、自動的にその心を感じるようになります。この人はこれから何をしようとしているのか、予測できます。生きた人間の顔を見ると、その心の存在感が何よりも強く感じられます。特に、声の調子や目や手の表情で心が感じられます。これは無意識に自動的に感じるので、相当、意識して感じないようにしないと、相手をただの物質とは思えません。ちなみに、生きている人間の身体を物質としか見えない感受性を無理やり訓練したプロフェッショナルが、外科医とか、殺し屋でしょう。
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