「ペルシャ文明展」が、今、福岡市博物館で開催されています。(6月24日まで)
サブタイトルは「煌めく7000年の至宝」で、気の遠くなるような昔に、高度な細工の技術、デザイン的にもこんなに優れている国が存在していたことに、改めて畏敬の念を覚えました。
パンフレットの「有翼ライオンの黄金のリュトン」は、紀元前6世紀頃のアケメネス朝のものです。この頃日本は縄文時代・・・と思うと、ペルシャ文明の発展がいかに大きかったかが偲ばれます。
と同時に、今も昔も「金」に固執する人の心に変わりはなく、歴史を動かしたり、その一端を担ってきた意味が考えさせられます。
ヤギ、ヒツジ、ウシ(前1500-前800)などの土器は、形がユーモラスでバランスがとれていて親しみを覚えるものもたくさんあり、デザインがとても斬新だと感心しました。
3~7世紀のササン朝になると、この文化はシルクロードを経て日本にも伝わり、正倉院にはペルシャ伝来と思われる工芸品がたくさん残っているそうです。右はガラスの「円形切子碗」で、これに似た碗が正倉院にあったような記憶があります。
ペルシャ王朝は、興亡を繰り返しながらも7世紀まで続き、その大帝国が集めた富と権力の一端に触れることができる展覧会です。