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未唯への手紙

未唯への手紙

海軍反省会と潜水艦運用

2016年01月16日 | 4.歴史
『海軍反省会8』より ⇒ 『反省会』で思い出すのが、フィンランド戦で手ひどい目にあった、ソ連のスターリンが開いた反省会。当事者に批判させた。パルチザンの戦い方とか武器を反省していった。それらは、ナチ・ドイツへの戦いに結び付いた。日本陸軍がノモンハンのあとに「反省会」をして、それを活かせば、歴史は変わった。

杜撰な潜水艦運用計画

 泉 今の潜水艦の問題ですけれども、潜水艦は間に合わなかったんじゃないかと言われました。私(当時)三潜戦の先任参謀でございます。本当に間に合わなかった。え1、ミッドウェー作戦の命令を私はクェゼリンで頂きました。有馬(高泰・兵52)参謀が持ってきたんです。で、拝見しましたところがミッドウェーから(潜水艦の)索敵線が出ている、これは何ですかと質問したところ、いや、これは占領した後の索敵線だよ、と。もうそれを見てこうびっくりしたんですが、あなた、潜水艦の行動を連合艦隊ではチェックしとらんのですか。全然ご存じない。潜水艦をお使いになるということを全然考えておられない。第一、このミッドウェーの図演にも、後でこれ聞いたんですが、六艦隊から誰も行ってない、私は三潜戦でクェゼリンにおったんですが。有馬(高泰・兵52)参謀に一月作戦を延ばして下さい、(と)すぐ申し上げました。しかし、まあ潮の関係でどうしてもだめでしたら半月延ばして下さい。潜水艦は少なくとも大事なときに十日間くらいあの線(ミッドウェー散開線)にあって、そして走行索敵をやって敵の機動部隊が補足できたらこれは幸いで、これでは行くと同時に(作戦が)始まります、延ばして下さい。あくまでも食い下がったんですが、今更、というので何ら私の、失礼ですが、三潜戦ですね、三潜戦の司令官の申し入れは全然聞かれませんでした。それであのような状況になったと。

 寺崎 そのね、今の泉(雅爾・兵53)さん、今あなたトラックにおったの、そのとき。六艦隊で。あの、司令部に有馬(高泰・兵52)参謀が行ったの。

 泉 クェゼリンです、クェゼリンにいたんです。

 寺崎 そのときはもうだいぶ連合艦隊は、初め(参謀を)派遣する予定じゃなかったけれども、これは是非行ってやらんとと言うと、ただ電報とか何か書類を送ってやったって分からないんじゃないかっていうことを、長官か誰かに言われてわざわざ派遣。そうでなきゃ派遣しないよ。ただペーパーだけでやる予定だった、何しに行ったか分からんだろ。

 泉 後でこれ調べて。

 寺崎 非常に切羽詰まった。

 泉 それは切羽詰まってるんです、もう。潜水艦はいくら急き立てても、クェゼリンで補給、それから修理ですね。休養などは全然考えないで、補給して修理してすぐ出したんですわ。

 寺崎 一応だいたい分かっていると思うんだけど、あの、知らせてくれれば興味ある問題だから。非常に切羽詰まってたっていうことを聞いておる。

 佐薙 寺崎(隆治・兵50)君の言うのは、潜水艦はミッドウェー作戦に使わないという計画だったというの。

 寺崎 いえいえ、使うということで。配備はさっき言ったように三日前くらいに配置につくような計画になっておってね、非常に杜撰だった。そんなのはとてもできないだろうっていう意見があってね。これは有馬(高泰・兵52)参謀が潜水艦の担当で、そのときはまだ潜水艦とかいう担当者がいないんだな、連合艦隊に。それで有馬(高泰・兵弓水雷参謀が兼務しておったから、有馬(高泰・兵52)参謀、貴様行けということで急濾行ったということを聞いておるわけで、その日取りが切羽詰まっておって、そしてペーパーだけで、図上で計画してそれで発令しちゃった、何も知らないらしいんだな、六艦隊は。その潜水艦の配備に関しては。その件に関しては生出(寿・兵74)君が書いておったから若千分かっておるかな。

 生出 いえ、そこは知りません。

 寺崎 ま、だいたいそういうことです。その他ミッドウェーに対して大きな点で意見があれば。

 三代 えー、今のに関しましてね、ミッドウェー作戦においてはですな。日本側のほうの基地飛行機がですね、そのミッドウェーの背後に、敵がおるかおらんかということを偵察することができなかったんですよ。初めは、この前やったように(大型飛行艇によるハワイ攻撃)、フレンチフリゲート環礁ですか、あそこに潜水艦を配備してあそこでもって燃料を補給してですね、ミッドウェーの東側を索敵するという案があったんですが、アメリカの部隊がフレンチフリゲート環礁におったもんですから、それができなかったんです。そうすると今度は索敵はですね、潜水艦に頼るしかなかったんです。ところが潜水艦の出航が急がれたもんですから、その敵の航空圏内はですね、本当は走行索敵でやらなきゃならんやつが、そこを避けて潜水部隊は北側の、その飛行哨戒の外を通っちゃったんですよ。そういう関係でですね、アメリカの部隊がミッドウェーの東側に来たやつはつかめなかったんですな。そういう問題があるんですよ。ええ、私はもともと潜水艦が大事なんだから、潜水艦でやるほか手がないんだから、走行索敵を潜水艦でやってもらうように連合艦隊に言ったのですけれども、あんまり効かなかったですな。

潜水艦に人材が残らない

 泉 ちょっと質問します。今のに関連しましてね、一一航空艦隊ですか、初め連合艦隊に入れないで。

 寺崎 あれは連合艦隊入っている。

 泉 ああ、そうですか。あのですね、私は潜水艦で後ろをとにかく遮断するというのをね、なぜね、軍令部は潜水艦をね、連合艦隊から排除してですね、そして独立した交通破壊ね、としてお使いになれなかったか。それはまあ、本当にそこまでね、軍令部で研究してね、そしておやりにならんもんだから。

  なぜかっていうと私は南東方面艦隊の潜水艦に入りましたのは、やっぱりね、あそこで輸送やるときは、南東方面艦隊のほうが非常に連絡取ってね、毎晩行くんですから、とにかくね。それでね、そして潜水艦の状況を私は報告して、そして輸送をやったんですからね。そういうふうにね、このGFが本当に潜水艦を使うなら、GFと六艦隊が本当に一緒になってやるとかね、あるいはね、海軍全体の、その情勢がどんどん入ってきますね、そいつを見てね、独立して、軍令部はとにかく後ろの攻撃をやろうやろうとして潜水艦をインド洋とか南東方面へ持っていくんですけれども、すぐガダルカナルにひっかかった。

  一番初めはミッドウエーですよね。みんなね、潜水艦を集めちゃうんですね、そしてひどいのはですね、アリューシャンにおった潜水艦をいきなり今度はインド洋のね、交通破壊に使ったり、もうね潜水艦のほうではかなわんですよ。とにかくね、ああいう使い方されて、そういう使い方を実際はやっておられたというね。

 寺崎 まあ、潜水艦作戦に対する無経験というか無方針というか。そういうところが、結局ねこれはあの鳥巣(建之助・兵58)君が言うように、連合艦隊は艦隊決戦一辺倒で何でも艦隊作戦、何か作戦があると集中してやると、その他の交通破壊とか補給線を断つとかね、そういう点に対してはね、頭があんまり専門には向かなかったっていう点がありますね。それと同時に人の問題がありますよ。潜水艦隊の山口多聞(兵40)という人、おりますけれど、あれは航空に行って、一番(活躍した)。あれは、私分隊長で、参謀長としても仕えたんですけれど、ああいうような人が潜水艦隊にね、潜水艦方面にいれば、どんどん意見を中央にもあるいは連合艦隊にも行って、そしてこういうようなのは問違っているっていうようなことをね(言ってくれたと思う)。だからそういうような人がいなかったんだね。

 泉 いや潜水艦乗りっていうのはね、体が丈夫じゃなきゃいかんでしょ、だから優秀な人はみんなね、出ちゃったんですな。悪い話で、足を洗うっていうんですけどね。ところがね、頭が良くて体が強いと両方そろった人はおりませんよ。ええ、残念ながら。それだからみんな体を壊しまして出ちゃう。山口(多聞・兵40)さんでも、あれも潜水艦ですよ。みんな潜水艦の優秀な人が、みんなおるんだけどもね、僕はそのときは戦争中大事な配置におる人は、潜水艦の作戦に全然関係しておられない。残念な(ことに)。ええ。




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