古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

黄金の土地

2005-03-10 | 政治とヤクザ
 「佐々木吉之助」という名前をご記憶でしょうか?おそ
らく「知らない!」。では「桃源社」ってご存知ですか?「うーん、どこかで聞いたことあるみたい」かなり記憶力のよい方でこうでしょう。
 「住専問題覚えてます?」「あっ、そうか。住専から膨大な借金をして、返すとか返さないとか、国会に社長が参考人か、証人で呼ばれた会社だ」。ご名答!その桃源社の社長が、佐々木吉之助氏です。
 佐々木氏の著した「蒲田戦記」なる本が文春文庫から刊行されています。
 書名の由来は、蒲田駅前の旧国鉄用地を656億円で落札したことからの顛末を述べていることから。以下は、正月休み(いつも休みですが)にピーナツをかじりながらの読書感想です。

 住専に6850億円の公的資金をつぎ込むことで、8年前、国会が大騒ぎ。改進党の議員が議会で座り込んだあの騒ぎは、一体何だったのでしょうか?今、銀行には数十兆円の公的資金が投入準備、先だっての”りそな銀行”だけで2兆円も、国民の血税が、いとも簡単に投入されています。住専問題は、銀行に税金投入の前例を作るための儀式だったんですね。

 この本には、実名で有名人が登場。最初の登場は「新井将敬」。この名ももう忘れられていますが、汚職疑惑で検察に呼ばれ、自死した衆院議員。当時は大騒ぎでした。蒲田の土地の入札の前日「入札を辞退せよ」と、電話で佐々木氏に圧力をかけたとあります。高級ウナギ屋に佐々木氏を呼びつけておきながら、利なしとみるや、新井が勘定も払わずさっさと玄関を出て行くシーンには思わず笑ってしまいました。

 橋本竜太郎の秘書が、桃源社と興銀の間を仲介して、浮利を得ようとする話も出てきます。 以前、「政治家とヤクザ」を論じたことがあります。
興銀対佐々木の攻防を読んで、「メガバンク」も「ヤクザまがいのこと」をやってるんだ!と、「日本は三権分立の民主主義国家ではない。日本にあるのは(日本の権力構造は)政・官・業・ヤクザの”鉄の四角形”で、不況が克服できないのはヤクザの為である」(「日本がアルゼンチンタンゴを踊る日」)は正しかった?と、昨年の自分のメールを読み直した次第です。

 バブル経済は断じて自然現象ではない、人の誤り、政策の誤り。【日本経済が土地本位制、土地兌換性の基盤に立って運営されていることが全くわからない】役人や政治家が、バブルを作り破裂させたと、実名で非難している点も率直で良い。
 【バブル経済を急速につくり上げた宮沢喜一、バブルを破裂させた橋本竜太郎、それに三重野康の三人は、多くの人々の生命を奪い、財産を毀損せしめたA級戦犯である】

 もう一つ、吃驚する話があります。蒲田の落札した土地に鹿島建設がビルを作るのですが、建て始めたら工事担当者が佐々木氏のところに来て言う。
「地表から7m下の敷地内を斜めに走る内径約7mの巨大土管があります。・・この中は下水ですから、雨水など生活排水、糞尿などが中を流れている。」
「土管の内面には何万トンの水圧がかかり、流速は1分間に数百メートル・・・地下を単純に掘っていくと、どうなると思います?中空に浮いたお化け土管は必ず、真っ二つに折れます。するとどうなると思います?蒲田の町は糞尿の都になってしまいます。途中で締めるバブルもありません。」
 656億円の土地から黄金物が湧出するなんて出来すぎた話と思いませんか。
追伸:2004年正月のメールの再録です。

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1 コメント

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Unknown (にゃん)
2005-04-01 14:10:05
はじめまして。

突然トラックバックしてすみません。
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