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第十三回俵藤太と百足供養会(10)

2006年10月28日 | Live

■第13回 俵藤太と百足供養会
2006年10月15日(日) 雲住寺本堂・境内 百足公園

イノトモ(Vocal, Guitar)

バンバンバザール
福島康之(Vocal, Guitar)
富永寛之(Guitar)
黒川修(Bass)

奉納ライヴ[午前の部]
01.君微笑めば(When You're Smiling) / バンバンバザール
02.新宿駅で待ってた / バンバンバザール
03.Sweet Sue Just You / バンバンバザール
04.わたげのお散歩 / イノトモ
05.NHKアニメ「しばわんこの和のこころ」テーマソング / イノトモ
 (※さわりだけ披露)
06.冬のにおい / イノトモ
07.Wrap Your Troubles In Dreams / イノトモ with 富永寛之
08.ニューオリンズにて / バンバンバザール
09.こんな気持ち / バンバンバザール
10.明るい表通りで(On The Sunny Side Of The Street) / バンバンバザール

奉納ライヴ[午後の部]
01. / イノトモ
02.愛のコロッケ / イノトモ
03.夜明けの星 /イノトモ
04. / イノトモ with 富永寛之
05.You're My Sunshine / イノトモ with 富永寛之
06. / バンバンバザール
07.バックオーライ / バンバンバザール
08.恋のフィーリング / バンバンバザール
09.カラカラ / バンバンバザール
10.夏のキムチ / バンバンバザール with イノトモ
11.シュラ / バンバンバザール
12.ハッとして! GOOD / バンバンバザール
13.お嫁においで / バンバンバザール
14.星影の小径 / バンバンバザール
15.世紀の楽団 / バンバンバザール
16.4 or 5 times / バンバンバザール
Encore
17.夏だったのかなぁ / バンバンバザール
18.FRIDAY NIGHT エビフライ / バンバンバザール

終演後に最新アルバム『』を買ってサインを入れてもらいました。

バンバンバザール - 十

山弦の十五周年、中年漂流記~急流、濁流、乗ってケ漂流~

2006年10月21日 | Live

10月11日(水) 雨のち曇り。

小倉博和と佐橋佳幸の山弦が結成15周年を迎え開催された記念のライヴ・ツアー「山弦の十五周年、中年漂流記~急流、濁流、乗ってケ漂流~」を聴きに行った。このツアーはA(アコースティック)セットとB(バンド)セットがあり、10日の名古屋公演からBセットになった。

開演前のステージにはいつものようにギターがズラ~っと並んでいた。今夜のライヴは1部2部制となっていて途中に休憩時間が入るとアナウンスがあった。その直後から会場に虫の音、鳥のさえずりのSEが響き渡った。やや押してはじまったのだと思う。毎回見た目が変わる小倉博和だが、今回はニット帽を被っていた。ちなみに前回は黒ブチのメガネをかけていた。

ライヴはデビュー・アルバム『JOY RIDE』(画像)の1曲目「Song For James」からはじまった。まずは山弦ふたりだけによる演奏。波の音のSE入り。途中でふたりの手が止まるものの演奏は続いた。ループマシーンで演奏を再現していたのだ。その音にあわせてそれぞれのソロが披露された。2曲目はドラムの鎌田清、3曲目はキーボードの斎藤有太、4曲目はベースの有賀啓雄とそれぞれセッション。ユルい感じで気持ちよくなって眠ってしまいそうになった。

突然はじまったのが佐橋佳幸のスライド・ギターの演奏。一体何の曲をやっているのかわからなかった。途中にフォスターの「Old Folk At Home(故郷の人々)」が挿入されていた。「Old Folk At Home」は1994年の佐橋佳幸のソロ・アルバム『TRUST ME』に収録されている。後から聞いた話で判明したのだが、この曲は同じ『TRUST ME』に収録されている「Little Crimes」という曲で、山弦の結成当時のライヴでよく演奏していたらしい。

1部はバンドでの演奏は1曲もなく、またMCも一切無かった。45分くらいで終ったのだと思う。Aセットとあまり変わらないセットリストだということだ。ということは「ヒストリー・オブ・山弦」といったところだろうか。1部にはステージにディスプレーが何台か置いてあって南国の風景が映し出されていた。休憩時間に関所(物販売り場を山弦さんはこう呼ぶ)に行くとジョー奥田という人の『美しき地球の記憶』というCDが置いてあった。このジョー奥田が関わった(撮影した?)映像作品があるようなので、おそらくその映像なのだと思う。DVDを検索してみたがヒットしなかった。

休憩後の第2部は最初からバンドでの演奏となった。メンバーの中でドラムの鎌田清を除いて全員がツアーTシャツに着替えていた。今回作られた15周年Tシャツのうち黒のTシャツ(胸に山弦の刻印が15個プリントされている)だけが売り切れたため追加で作られたそうだ。ただ全く同じものを作っても面白くないので、胸の刻印は14に減らされ、15個目は後ろ(首の下)にプリントしたデザインに変更されたのだという。

第2部になって明かされたことだが、セットリストは山弦の15周年特設サイトで募集した「あなたが選ぶ山弦ベスト10」の上位12,3曲から選曲したという。この「あなたが選ぶ山弦ベスト10」は僕も参加したが、山弦のオリジナル・アルバム3枚から選ぶというもので、カヴァー・ミニ・アルバムのマンチ・シリーズは除外となっていた。そうすると『JOY RIDE』からの曲に票が偏ってしまったそうだ。確かに僕もほとんど『JOY RIDE』から選んだ気がする。ただ個人的には「クロマティック王朝の悲劇」は外せないと思ったし、最新アルバムの『ISLAND MADE』の「Little Hope」は大好きなので選んだ。ちなみに今回のバンドは『ISLAND MADE』のレコーディング・メンバーで編成されている。

セットリストは納得のいくものでファンが選んだNo.1は「Joy Ride」だった。第2部はアンコールを含めて1時間45分くらいあったような気がする。終演は9時45分くらいだった。開演前、会場に終演予定時刻が告知されていて、それが9時10分だったことからすると、大幅な延長となったわけだ。しかし意外にも長くなったという印象はなかった。

前回に引き続いての二部構成のステージだったが、山弦だけの演奏もよかったし、バンドでの演奏もよかった。「ベスト・オブ・山弦」としては問題なく素晴らしいライヴだったと思う。ただ物足りなさがあったことも事実。僕が求めているのは、山弦のふたりがやりたいことを自由にやっているライヴであって、それが今回はあまり感じられなかった。

■山弦の十五周年、中年漂流記~急流、濁流、乗ってケ漂流~
[B set] 山弦“バンド”セット ~ベスト・オブ・山弦
<有賀啓雄(B.)+鎌田清(Dr.)+斎藤有太(Key.)>

2006年10月11日(水) なんばHatch
1F F列32番

山弦
小倉博和
佐橋佳幸

第1部
01.Song For James
02.島そだち(with 鎌田清)
03.Trivia(with 斎藤有太)
04.月星(with 有賀啓雄)
05.Little Crimes~Old Folk At Home
06.堀のアヒル(未発表曲)
休憩(10分)
第2部
07.go.go.jp.
08.そりは行く(SLED)
09.rise & shine
10.春(SPRING)
11.祇園の恋(GION)
12.Life
13.Rodeo King
14.Joy Ride
Encore
15.クロマティック王朝の悲劇
16.tell me something
17.Harvest(山弦)

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この夜、最終公演のチラシが配布されました。最終公演はC.C. レモンホール(渋谷公会堂)での[C set]。萩原健太さんが司会と書いてありました。そして後日、佐野元春の参加も発表されました。しかし、生憎僕は平日なので遠征できないのです。NHK-BSとかで放送してほしいですね。あるいは映像作品にするとか。乞うDVD化!

■山弦“コングラチュレーション”セット ~スペシャル・オブ・山弦
日   程  :2006年10月31日(火)
会   場  :渋谷公会堂
時   間  :開場 18:00    開演 18:30  
料   金  :全席指定 前売¥6,300(消費税込)/当日¥6,800(消費税込)
出   演  :山弦(小倉博和+佐橋佳幸)
“お祝い”参加ゲスト:大貫妙子、佐藤竹善、スキマスイッチ、鈴木雅之、平松八千代、槇原敬之、宮沢和史、村田陽一、& more...(※五十音順)

チケット発売:9月30日(土)
チケットぴあ 0570-02-9999/0570-02-9966(Pコード:241-421)
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:35388)
e+ http://eee.eplus.co.jp/

問い合わせ先:ホットスタッフプロモーション 03-5720-9999
ライブ事務局 03-5790-0557

borofesta'06

2006年10月18日 | Live

10月8日(日)晴。

京大西部講堂で10月7日から9日の3日間開催された「ポロフェスタ'06」の2日目を聴きに行った。午後1時からの開演だったが、お目当ての小島麻由美が午後8時10分からの出演だったため、山下達郎の「Sunday Song Book」を聴き終えてから出発した。

JRで京都まで行って市バスの206系統に乗り「京大正門前」へ。バスは道が混んでいることもあって30分くらい乗る羽目となった。京都の交通はやはり京阪電車がいちばんなのだろうか。家から会場に着くまで1時間半くらい。4時半頃京大西部講堂に到着。村八分、フランクザッパ、ポリス...、数々の伝説を生んだ場所。一度はここでライヴを見たいと常々思っていた。それがようやく叶ったのだった。屋根に星の絵が3つ描かれているのを感慨深く思いながら見つめた(画像)。

会場には3つのステージがある。入り口近くに野外特設ステージと講堂前広場、そしてメイン会場の京大西部講堂。僕が着いた時には野外特設ステージでライヴをやっていた。よく知らないがラップのグループみたいだった。野外特設ステージ、講堂前広場と横切り西部講堂の前まで行った。物販売り場があり、学園祭的な雰囲気の模擬店とかもあり、ひじょうにアットホームな感じのするロック・ファスティバルだと思った。外に出ている人も多い。

カジヒデキのライヴがはじまりそうだったので、西部講堂の中に入った。ステージでは折りしもリハーサルが済んだところだった。観客に愛想を振りまくカジくん。開演までは講堂内を観察することにした。天井は高く梁がそのまま。床はコンクリートだ。ライヴハウスとしては大きめだと思うが椅子席はない。いちばん後にP.A.卓がある。噂どおり、かなり古く、そして独特なムードがある。

20分、25分押しでカジヒデキのライヴははじまった。4人組のブリティッシュ・ビート・グループといったマナーでのパフォーマンスだった。知ってる曲は1曲もなかったが楽しい演奏だった。MCでは「京大西部講堂って僕らの世代では伝説になっているので、その場所でライヴが出来てうれしい」と言っていた。グリーンのテレキャスターを弾きながら歌うカジヒデキを見ていて思ったのは、彼はフリッパーズ・ギター周辺のアーティストだけれど、そのポップ・ロック・サウンドの系譜を辿ると佐野元春に到達するのかもしれないということだった。まぁややソフト過ぎる印象はあったが...

セット・チェンジのあいだは一旦会場を出て食事することにした。百万遍のカフェ進々堂に行った。昭和5年に開業したという老舗だ。昨年も二回訪れてるが、京大の近くまで来たらついつい寄ってしまう。しかし僕は知らなかったのだ。進々堂は午後5時45分閉店だということを。時間は6時前だった。まだ開いてはいたが「コーヒーぐらいしかお出しできません...」と言われて仕方なく店を出た。近くの中華料理の店に入って食事して西部講堂まで戻った。

講堂前広場でははじめにきよしがライヴをやっていた。西部講堂ではKen Yokoyamaのステージがはじまろうとしていた。まだ間に合いそうなので中に入ってみたが超満員。しばらく待ってみたがまだ開演しそうにないので講堂を出た。日が落ちてあたりはすっかり暗くなっていた。講堂前広場では一斗缶で焚き火をしていた。僕はベンチに腰掛て見るとはなしに模擬店を見ていた。物販売り場にステージパスを首から下げたDr.kyOnがいてTシャツやCDを見ていた。僕はすぐにDr.kyOnとわかったが、周りに気づいている者は誰もいなかった。そのまま楽屋のある講堂裏に歩いていった。何か話しかければ会話できたかもしれないなと僕は思った。チャンスだったのにな。そう思っていた僕の前を今度は男女の集団が講堂裏に入っていった。小島麻由美だった。ASA-CHANGもいた。西部講堂からは太いベースの音が洩れていた。Ken Yokoyamaのステージがいつの間にか開演していた。

そのまましばらくベンチで休んでいたが冷えてきたので場所を移ることにした。その時、またDr.kyOnが物販売り場の前を通りかかった。僕は反射的に動いて何気なく挨拶した。「今日は見に来ました」と、そう言って右手を差し出した。Dr.kyOnは「あぁ~お疲れ~」と言って握手に応えてくれた。Dr.kyOnは右手にビールを持っていたので手が冷たかった。そしてそのまま講堂の中に入っていった。

僕もKen Yokoyamaのステージを見ることにした。講堂の中に入ってみると大変な盛り上がりになっていた。バンドのメンバーにごつい白人がいて「上を向いて歩こう」を歌っていた。ハードコア・パンクというジャンルになるのだろうか。客席前方ではダイブが繰り返されていた。モッシュ(押しあいへしあい)とかやっているみたいだった。Ken Yokoyamaもギターを弾きながら「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」をスピーディーに歌った。「今回はじめて呼んでもらったけど、手作りのイベントでオレは好きだよ。また来るわ。あぁ」とKen Yokoyama。盛大なアプローズがあったKen Yokoyamaのステージだったが、こういったフェスティバルではトリでもない限りアンコールはない。セット・チェンジになると観客は波が引くようにいなくなった。それで僕はステージの前に行くことができた。

リハーサルはドラムのASA-CHANGとベースの長山雄治が中心となって繰り広げられた。Dr.kyOnはキーボードのセッティングと軽くサウンド・チェックをして引き上げた。途中でベレー帽を被ったスタッフがステージに出てきてモニターを触っていた。チャラチャラした男だなって思って見ていたら、なんとギターを取り出し、セッティングをはじめた。ギターのつかもっちゃん(塚本功)だったのだ。もちろん僕ははじめて見るわけだから知らなかったのだが、小島麻由美の天然キャラと馴染んでいると聞いていたので、もっとナチュラル系でオーソドックスなタイプのギタリストだと勝手に思っていた。実物は派手でイケてる。

ボロフェスタ自体が10分ほど押して進行していたので、小島麻由美のステージもやや押してのスタートだった。20分近く押していたのかもしれない。小島麻由美はリハーサルをしなかったので1曲目はヴォーカルがヴァッキングの音に埋もれてほとんど聞き取れなかった。それにステージの照明も手作りなシロモノなので動き回ると追えないのに、照明のあたらない前のほうに出て行ったりしていた。ちょっぴりハラハラ(笑)。最初、バンドの音に埋もれて聞き取りにくかった小島麻由美のヴォーカルだが、それもやがて解消された。スカのリズムではじまった曲があったり、ヒルビリー風なヴォーカルがあったり、舌足らずのフレンチ・ポップみたいな感じの曲があったりと、猫の目のようにクルクルと曲のスタイルは変わった。それに曲が短いのも特徴的だった。天然キャラ炸裂のMCの後は、越路吹雪の「ろくでなし」のカヴァー。縦横無尽といった感じで圧倒された。

■borofesta'06
2006年10月8日(日) 京大西部講堂/西部講堂前広場
整理番号ぴあ360番

小島麻由美(Vocal)
塚本功(Guitars)
ASA-CHANG(Drums)
長山雄治(Bass)
Dr.kyOn(Keyboards)

4 MOONS' LIVE “Something Blue”

2006年10月03日 | Live

■Yukihiro Takahashi Presents 4 MOONS' LIVE “Something Blue”
2006年9月27日(水) なんばHatch

miyauchi yuri
HER SPACE HOLIDAY
Steve Jansen
高橋幸宏

なんばHatchでは整理番号順に入場していたが、開場から30分後に受付して会場に入ってみれば、スタンディングではなくシーティングだった。まだ空席があったのでPA卓の前に座った。会場内の灯りは薄暗くアンビエントな音楽がながれていた。演出上ではもうライヴがはじまっていたのかもしれなかった。スクリーンに注意事項が出たと思ったら、オープニング・アクトのmiyauchi yuriが登場し、ラップトップを見ながらギターを爪弾き始めた。開演時間の5分前だった。

miyauchi yuriが15分演奏した後、スクリーンに高橋幸宏が登場して「ナマステ」と挨拶(笑)。その後、HER SPACE HOLIDAY、Steve Jansenが30分ずつのパフォーマンスを繰り広げた。10分の休憩の後、スクリーンに青い月の絵が浮かび上がった。ようやくステージに高橋幸宏が現れた。時刻は8時35分だった。

SKETCH SHOWの活動があったため、ニュー・アルバムの『Blue Moon Blue』は高橋幸宏のソロ作品としては7年振りとなるそうだ。ステージ向かって左から、高田漣、シバオカチホ、高橋幸宏、権藤知彦高野寛。シバオカチホと権藤知彦はSKETCH SHOWのサポートもしている。高野寛とはT・E・N・Tレーベルのオーディション以来だからもう20年近い付き合いだ。高田漣は「細野さんところから引っこ抜いた(笑)。弦モノならなんでもできて、しかも音楽の種類を問わない」と紹介していた。そうそう、最初のスクリーン上での挨拶で言った「ナマステ」がスベったことに触れ(楽屋のテレビで見ていたそうだ)、「大阪の人は笑いにうるさい」とコメントしていた(笑)。

このバンドでしばらく活動していて夏のフェスティバルにも出演したそうだ。音が固まってきたところだが、あまりまとまり過ぎないようにと注文を出しているという。しかし、バンドといっても実際に楽器を演奏しているのは3人に過ぎない。高野寛がギター(セミアコ?)、高田漣がペダル・スチール・ギター、マンドリン、アコースティック・ギター、権藤知彦はユーフォニアム。権藤知彦はラップトップも操作していたように見えた。そして高橋幸宏もよく見えなかったがラップトップだったと思う。シバオカチホはスウェーデン語のヴォイス。 ラップトップ・ミュージックって馴染みがないので、よくわからないのだが、ディスプレイに現れる波形を見ながらマウスをクリックしているとか。ラップトップ機材も何が何やらよくわからない。そのバンドが繰り出す音は音響派というのかエレクトロニカなのか、まぁテクノ・ポップだと僕は思ったわけで、なんかグルッとひと回りしてテクノをやってるといった印象だった。

スクリーンには音とシンクロしていろいろな映像が現れた。YMO時代の「Cue」を演奏した時には歌詞(英語)が様々な方向から出た。『Blue Moon Blue』はインストを除いて英語やスウェーデン語の歌詞が全体を占めている。日本語詞は1曲だけ。開演前に手に入れた公演パンフレットはアート・ブックで3000円だったが、『Blue Moon Blue』の和訳が掲載されていた。

「Cue」は25年の時を経て穏やかな表情を持つ曲に生まれ変わった。のんびりとした牧歌的な雰囲気になっていた。東京公演でこの曲を聴いた坂本美雨はブログに「...心臓が暴れた」と書いた。

続いて演奏された曲はたぶん新曲。更にユルく音がほどけてゆく。新しい高橋幸宏が解き放たれた瞬間だった。そのまま心の草原を揺らすような曲が切れ目無く続いた。僕は覚醒したまま別の場所に導かれ、完全に打ちのめされた。

後半のセットではアルバムに参加したMarc BianchiやSteve Jansenとのセッション、今回は家族が病気のため来日できなかったMARZのカヴァーもあった。アンコールは25年以上も前のソロ作品から。スクリーンには当時の姿が映し出されていた。

高橋幸宏
高野寛
高田漣
シバオカチホ
権藤知彦
Guest
Marc Bianchi
Steve Jansen

Set List
01 I Like The Wright Brothers, But No Airplanes
02 Cue
03 Museum#3(new song)
04 Blue Moon Blue
05 Exit To Reality
06 Still Walking To The Beat
07 Where Are You Heading To?
08 A Star Is Born(with Marc Bianchi)
09 In This Life(with Steve Jansen)
10 Everything Had A Hard Year(MARZのカヴァー)
11 Something New
12 Eternally
Encore
13 Drip Dry Eyes(with Marc and Steve)
14 Murderd By The Music(with Marc and Steve)


高橋幸宏 - BMBATASG / EP

iTunes Storeでアップル・ストア銀座でのインストア・ライヴの音源「BMBATASG/EP」がネットワーク配信されています。

Brad Mehldau Trio Live

2006年09月22日 | Live

■Brad Mehldau Trio Live
2006年9月13日(水) OSAKA BLUENOTE
1st Stage 整理番号19番

雨。

ブルーノート大阪で開催されたブラッド・メルドー・トリオのライヴを聴きに行きました。1st ステージにしたので、会場入りは急いだものの、食事をしてゆったりと楽しめました。

ところで、ブルーノートのDMがこのところやたら多いですね。先日はクレジット・カードの申し込み案内が届きました。やれやれ。この日は店内でアンケートまでありました。簡単なものでしたので書いて出しましたが。僕は約一年ぶりになるのかな、ブルーノートに行ったのは。

これは公演終了後、新聞に出ていたのですが、阪神電鉄の子会社、阪神コンテンツリンクがニューヨークのライヴハウス「ブルーノート」との提携を解消したそうです。新たに「ビルボード」の刊行会社と提携し、来年夏にはブルーノート大阪はビルボードライブ大阪へと衣替えになるそうです。ビジネスとしてはバナナホールを買い取ったIT業者がやりたかったことに近いイメージじゃないでしょうか。でも「ブルーノート」の名前が大阪から無くなるのは寂しいです。前の店舗はどうなっちゃってるのでしょう? もう一度あの場所でやってくれないかな、ブルーノート。

さて、前置きが長くなりました。失礼しました。ブラッド・メルドーはマグカップを手にして登場しました。前にだけ何本かラインの入った黒いシャツ姿。ラフなかっこうが好きなようです。ステージ向かって左側にグランド・ピアノが置いてあり、一旦その前に腰をかけましたが、椅子の高さが低かったのか、自分で椅子をクルクルと回して調整していました。ステージ向かって左からブラッド・メルドー、ラリー・グレナディア、ジェフ・バラード。

ブラッド・メルドー・トリオはブルーノート大阪に13日、14日の二日間出演しました。毎夜、1st ステージと2nd ステージがあったわけなので大阪で4公演パフォーマンスしたことになります。おそらく毎回セットリストは違っていたのだと思います。大阪の1曲目は「Wonderwall」で幕が開けました。あまりにも有名なブリッド・ポップ。オアシスの曲です。僕はブラッド・メルドーを知ってまだ1年と日が浅く、この曲を彼がレコーディングしているかどうかは知りません。でも大変かっこよい演奏でした。

ブラッド・メルドーは曲を演奏する時、自らがカウントしてはじめました。前かがみになって右手を見ながらの演奏。ドラムのジェフ・バラードが1曲の中でブラシを使ったり、スティックに持ち替えたり、パーカッションのような音を出したりと、目まぐるしい変化の中で多彩なリズムを繰り出していました。ベースのラリー・グレナディアが弾いているのはコントラバスではなかったでしょうか。途中で一度弓で弦をこすったのを見ました。気になったのでウィキペディアで調べたところ、ウッドベース、アップライト・ベース、ともにどちらもコントラバスでいいみたいです。知らなかった。とはいえラリー・グレナディアのパフォーマンスが目立ったわけではなく、やはり目を引いたのはドラムのジェフ・バラードでした。

このトリオで製作した最新アルバムが『Day Is Done』(画像)。ニック・ドレイクの曲をタイトルにしています。この日のライヴでもそのタイトル曲「Day Is Done」を演奏しました。ちなみにドラムのジェフ・バラードは『Day Is Done』からトリオに加わったみたいです。来日前に出た2002年の『Anything Goes』のアウトテイク集『House On Hill』でドラムを担当していたのはホルヘ・ロッシです。

僕が最初にブラッド・メルドーを聴いたのは休みの日のお昼でした。ラジオで雨の日に聴きたい音楽を特集していてかかったのです。耽美的なピアノの音がその時に刷り込まれたわけなんですが、実はブラッド・メルドーはそう単純に耽美的、リリカルと片付けることのできないミュージシャンでした。とはいえ僕に難しいジャズの理論が理解できるわけではなく、演奏する曲がだんだん長くなると眠気が襲ってくるのでした。「The Very Thought Of You」ではほんの少し眠ってしまった(苦笑)。

ネットのブラッド・メルドー・コミュニティーでは先週土曜日の東京公演の話題でにぎわっています。昨年出たポール・アンカのアルバム『Rock Swings』の収録曲とセットリストがかぶっているので、何らかの影響を受けたのではないかなんて話があります。そんなわけなんで僕もポール・アンカの『Rock Swings』を買いました。

Brad Mehldau Trio
Brad Mehldau(Piano)
Larry Grenadier(bass)
Jeff Ballard(Drums)

Set List
1.Wonderwall
2.
3.
4.Fear And Trembling
5.Day Is Done
6.The Very Thought Of You
Encore
7.

森山良子 with 矢野顕子

2006年09月02日 | Live

■Ryoko Moriyama 40th special concert 森山良子 with 矢野顕子
2006年8月30日(水) NHK大阪ホール
1階 L5列 5番

曇りのち晴。

NHK大阪ホールで開催された「Ryoko Moriyama 40th special concert 森山良子 with 矢野顕子」を聴きに行った。会場の入り口で特別協賛の味の素から来場者全員に試供品が配られた。CookDo中華合わせ調味料特撰中華「黒酢酢豚用」(熟成鎮江香酢使用)だ。物販売り場にはCDの他、森山良子デビュー40周年記念のパンフレット、妻夫木くんと長澤まさみちゃん主演の映画『涙そうそう』の前売り券もあった。

森山良子のコンサートに足を運んだのは今回がはじめてのことだった。ただ2003年の矢野顕子「さとがえるコンサート」のNHKホール公演に、森山良子がゲストとして出演したことがあって、全くはじめてというわけではなかった。それ以前にもNHK「みんなのうた」で話題になった「さとうきび畑」(マキシシングル)や、その曲を矢野顕子と共演したライヴ・ヴァージョンを収録しているマキシシングル「涙そうそう」(画像)を購入して聴いていたりした。

観客の年齢層がひじょうに高い公演で落ち着いた雰囲気があった。ステージには紫色のカーテンがかかっていて、それが両袖に引かれると、上手の奥からステージ中央に続く道のセットが組んであった。向かって左にピアノとキーボードとドラム・キット、右側奥にウッドベース、手前にギターが置いてあった。下手から白いノースリーブの衣装を着た森山良子がひとりで現れてコンサートは開演した。最初に歌ったのはデビュー曲の「この広い野原いっぱい」。この曲が唯一の昔の歌でそれ以降はここ3,4年のあいだに発表した曲ばかりのセットリストで、「涙そうそう」も3曲目に早々と披露された。

最新アルバムは韓流ドラマと映画のヒット曲集でタイトルは『Tears』というそうだ。韓流ドラマのファン層と森山良子のファン層が重なるのだろうか。僕にはあまりよく理解できない世界だ。このアルバムから『冬のソナタ』のテーマ曲「最初から今まで」とか「雪の華」が披露された。「雪の華」は中島美嘉のヒット曲だと思うが、韓国の映画でカヴァー・ヴァージョンが使われてヒットしたらしい。

「今日のコンサートでいちばんよかった曲」のアンケートを取ると最近はいつも同じ曲がトップになるそうだ。それが「30年を2時間半で...」という曲。この曲は僕もテレビで歌っているのを見た。歌っているというか歌芝居というか、一風変わった曲だ。実は僕も聴くのを楽しみにしていた。あまりに評判がいいので11月にはシングルで発売するらしい。ここまで約50分。ピアノをステージの真ん中に移動するあいだは森山良子のお喋りで繋いで、待ちに待った矢野顕子が登場した。

森山良子 with 矢野顕子で披露したのは「愛をたくさん」、「誰にもいえないけど」、「ウナ・セラ・ディ東京」の3曲。「ウナ・セラ・ディ東京」はピーナッツの曲で、矢野顕子によるとピーナッツは昔の映像の公開を制限しているそうだ。耳にする機会が段々減ってきているので、二人で「落花生」というグループを作って曲を歌い継いで行こう、と矢野顕子は話していた。ちなみにこの「ウナ・セラ・ディ東京」は矢野顕子の2002年のアルバム『reverb』の中でカヴァーしている。その時のデュエットの相手は大貫妙子だった。

続いて矢野顕子のソロ・ステージになった。夏のリサイタルでよく歌っている曲「CHILDREN IN THE SUMMER」ではじまったが、基本的にこのピアノ弾き語りのソロはコンサートの直前に演奏する曲目が決められる。「30年を2時間半で...」のような大人の歌が大好きで、そんな感じの大人の歌を選んだと言って披露されたのは安井かずみ作詞/加藤和彦作曲の「ニューヨーク・コンフィデンシャル」。この曲はずいぶんと久し振りに聴いたと思うのだが実によかった。空気をさーっと入れ替えてしまったのが「ばらの花」だった。矢野顕子ならではの余白がこの曲の主人公の漂泊する感情を浮き彫りにさせた。僕ははじめてこの曲の意味を理解した。あまりにこの曲のパフォーマンスが素晴らしかったので、後の曲の印象が薄くなってしまったが、この後に「椰子の実」、「塀の上で」、「Night Train Home」と続いた。

矢野顕子のピアノ弾き語りは「Night Train Home」で終わり、再び森山良子との共演で唱歌メドレーと二人で作った新曲を披露した。森山良子は衣装替えして一転黒いドレス姿になった。途中に森山良子のリクエストで矢野顕子が「青い山脈」の一節を歌う場面もあった。

新曲は更年期を意味する「メノポーズ」というユニット名で発表する予定だそうだが、タイトルがまだ決まってなかった。7月の末に開催された東京公演でタイトルを募集したが、あまりいいのがなくて、急遽開演前に自分たちでつけることにしたそうだ。新曲のタイトルは「恋愛宣言」。

本編の最後は森山良子が3曲歌った。その中の1曲は息子さんの森山直太朗の曲「さくら(独唱)」だった。

アンコールでは黒の衣装に着替えた矢野顕子が登場。メノポーズで「さとうきび畑」を披露。最後はアカペラでフォスターの「Beautiful Dreamer(夢路より)」。ホリゾントいっぱいに満点の星空が広がっていた。

森山良子(Vocal/Guitar)
根本ひさ子(Drums & Percussion)
古川初穂(Piano/Keyboards)
納浩一(Electric & Acoustic Bass)
三好"3吉"功郎(Guitars)
矢野顕子(Vocal/Piano)

Set List
01.この広い野原いっぱい
02.女心は...
03.涙そうそう
04.最初から今まで
05.懐夫歌(フェフガ)
06.雪の華
07.30年を2時間半で...
08.愛をたくさん
09.誰にもいえないけど
10.ウナ・セラ・ディ東京
11.CHILDREN IN THE SUMMER
12.ニューヨーク・コンフィデンシャル
13.ばらの花
14.椰子の実
15.塀の上で
16.Night Train Home
17.唱歌メドレー
  朧月夜~夏の想い出~ちいさい秋みつけた~ペチカ~雪の降る町を
18.恋愛宣言
19.Saints Go Marchin'In
20.さくら(独唱)
21.あなたが好きで
Encore
22.さとうきび畑
23.Beautiful Dreamer(夢路より)

木下航志 & His Friends Live 2006 SUMMER

2006年08月29日 | Live

木下航志は盲目のシンガー・ソングライターで、現在17歳の高校生だ。 僕は4月に大阪城ホールで開催されたOSAKA ROCK CITY「共鳴野郎」で木下航志のパフォーマンスを見ていたが、ライヴはこれがはじめてだった。

会場はエアコンが効いていて寒いくらいだった。観客の年齢層は高く、木下航志と同世代はあまり多くはいないようだった。むしろ彼の親の世代のほうが多いのかもしれない。開演前のオープニング・テーマに吉田美奈子の曲が使われていた。確か「音楽の言葉」だったように記憶している。ライヴへの期待がグッと高まった時、スタッフに手を引かれて木下航志がステージまで歩いてきた。キーボードの前に座りマイクの位置を確かめた。椅子の右手側には点字で書かれた原稿が置かれているようだった。

木下航志の口から、このライヴの模様をテレビ朝日が撮影していて、9月のはじめに(放送日程はまだその時点で決定してなかった)ドキュメンタリーという形で放映されるのだ、と伝えられた。テレビといえばフジテレビの「とくダネ!」でも取り上げられ、話題になっているらしい。

「Amazing Grace」からはじまったライヴはカヴァー・ソング、デビュー・ミニ・アルバム『』からの楽曲、そして新曲と披露された。実は開演前に公演プログラムが配られていて、今夜演奏する曲目が発表されていたのだ。

小柄な木下航志は伸びのある太い声をしている。ソウルフルであたたかいヴォーカルだ。Ceui(セイ)とシオリという女性コーラスを従えて歌うとゴスペルのような感じもした。

ステージには向かって左から、末松一人(Guitars)、Ceui & シオリ(Backing Vocal)、藤井康一(Percussion, Harp, Sax, Backing Vocal)、マイケル河合(Drums)、木下航志(Vocal & Keyboards)、名村武(Bass)、Dr.kyOn(Keyboards)というラインナップが揃っている。ベーシストの名村武は昔、エピック・レコードのディレクターをやっていたと記憶している。鈴木祥子とトリオ編成のバンドを組んでいたりしていた人だ。木下航志のファースト・アルバムのレコーディングでは何曲かでアレンジを担当している。バンドの中では重要人物の一人といったところだろうか。

中盤にソロ・コーナーがあり、カーペンターズの「Superstar」やスティーヴィー・ワンダー・メドレーといったカヴァーが披露された。目が見えない木下航志は観客の声援や拍手の大きさでしか反応を得ることが出来ない。時折、不安になるのか「拍手の大きさがパワーになる」とか言って観客の反応を確かめていた。

観客にしろ、バンドのメンバーにしろ、大方は木下航志の保護者として彼を見つめているような気がした。そこにはもちろん「愛」が介在するわけだが、ソウル・ミュージックにも「愛」は重要なテーマとして存在する。彼がソウル・ミュージックに傾倒していることを考えると、なかなか興味深い話だ。

アンコールで木下航志は「Georgia On My Mind」を歌った。盲目という共通点だけで、レイ・チャールズの歌唱で有名な曲を選曲してしまったような感じがした。何か違うような気がした。

木下航志はMCで今夜会場に母親が来ていることをうれしそうに話した。「絆」という曲が最後の曲だった。終演後には握手会があった。参加している人はやはり保護者のような感じで彼に接していた。僕は彼の前に立って、改めて小柄な身体を目の当たりにして驚いた。握手を交わしまた聴きにくることを約束した。

■木下航志 & His Friends Live 2006 SUMMER
2006年8月13日(日) 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
1階 266番

木下航志(Vocal & Keyboards)
名村武(Bass)
マイケル河合(Drums)
末松一人(Guitars)
Dr.kyOn(Keyboards)
藤井康一(Percussion, Harp, Sax, Backing Vocal)
Ceui & シオリ(Backing Vocal)
Guest
藤本一馬(Guitar)

Set List
01.Amazing Grace
02.月ふたつ(新曲)
03.響けぼくの歌
04.赤とんぼ
05.Tell me lies:誰もが愛を信じたい(新曲)
06.マグノリア
07.Superstar
08.スティーヴィー・ワンダー・メドレー
  Ribbon In The Sky
  My Cherie Amor
 You Are The Sunshine Of My Life
09.僕ひとりになってしまうよ(新曲)
10.通り雨
11.午前4時(新曲)
12.Voice(新曲)
13.You've Got A Friend
14.心の島(新曲)
15.太陽の道、風の道
16.竹田の子守唄
Encore
17.ひまわり
18.Gerogia On My Mind
19.What's Going On
20.絆

ライヴ・レポ

2006年08月08日 | Live
6月に聴きに行った鈴木祥子と7月に聴きに行ったEGO-WRAPPIN'のライヴのことを日記に書きました。

6月17日(土)に聴きに行った鈴木祥子の「Absolutely ALONE IN 桜ノ宮ガラガラ ~Rainydaygirl ON THE RUN~」は、7月21日(金)にShibuya O-EASTで開催された「鈴木祥子ソロライブ"SOLO"」が終れば、ネタバレ解禁ということでライヴ・レポをアップするつもりでしたが、その公演の前に追加公演として9月22日(金)に京都磔磔で「鈴木祥子ソロライブ”SOLO"~地元(?!)編~」が開催されることになり、公開を見送っていました。

前に概要文だけを表示し、本文は「続きを読む」をクリックして読むように設定していましたが、現在は思うところがあり本文表示にしています。今はこの形でブログをやっていこうと思うのでネタバレしたライヴ・レポはツアーが終了するまで書かないようにしています。しかし、あまりに公開が遅いのも意味がないように思っています。

いろいろと考えた挙句、このブログでは投稿日時を変更できるので、あらかじめ本文がネタバレしていることを書いておけば日記を公開しても差し支えないと思いました。僕にとっては新しい取り組みですので大目に見ていただければと思います。

ネタバレしていますので磔磔で今回のソロライブをはじめて聴くという方は見ないよう注意してください。

・鈴木祥子のソロ・ライヴ「Absolutely ALONE IN 桜ノ宮ガラガラ ~Rainydaygirl ON THE RUN~
6月17日(土)の日記にアップしています。

そして同じくEGO-WRAPPIN'の「live tour "ON THE ROCKS!"」なんばHatch公演2DAYS初日もアップしました。

こちらも現在ツアー中です。ネタバレしていますのでこれから聴きに行かれる方は見ないよう注意してください。

・EGO-WRAPPIN'の「live tour "ON THE ROCKS!"」なんばHatch公演2DAYS初日
7月5日(水)の日記にアップしています。

HERBIS SOUND SELECTION「RIKUO」コンサート

2006年08月07日 | Live

7月30日(日)。午後からハービスENTで開催された「HERBIS SOUND SELECTION」を聴きに行った。ハービスENT3Fバルコニー広場でRIKUOがピアノの弾き語りを披露した。バルコニー広場といってもようするに通路である。ステージとなるバルコニー部分との間は吹き抜けになっている。

RIKUOはこれまでにFM802のイベントで2002年2003年の2回、そのパフォーマンスを見ている。残念ながらクレフィンのライヴは未だに体験していない。そんなわけで個人的には3年振りとなるライヴだった。

今回は5月にNHK-FMで聴いた「LIVE BEAT」での演奏がすごくよくて(特に「同じ月を見ている」には心が震えた)、それで新しいアルバムを聴いてみようと思ったのだ。RIKUOのソロ作品を聴くのははじめてのことだった。

さて、ライヴは6月に発売された『セツナウタ』のプロモーションで、RIKUOは三十分強に渡って熱唱し全7曲を披露した。『セツナウタ』はRIKUOのシンガー・ソングライターとしての側面が強調された作品だ。「君を探してる」のイントロはキャロル・キングっぽい雰囲気がした。

RIKUOによると『セツナウタ』はある一日の時間の流れに沿ってアルバムの曲が並んでいるとのことだった。アルバムの1曲目「美しい暮らし」は午前中、「君を探してる」はまだ昼。歌の主人公は"君がいないと駄目みたいだ"と弱気な気持ちが頭をもたげて憂鬱になっている。しかし夜になると孤独に慣れようとしている。やかで深い夜を乗り越えたところでアルバムは終るのだという。

その時間の経過をRIKUOは歌った。昼の3時に、ざわついた広場で聴くのは、明らかに場違いであったが、そのRIKUOの思いというものは伝わったきた。

■HERBIS SOUND SELECTION「RIKUO」コンサート
2006年7月30日(日)
ハービスENT3Fバルコニー広場

SetList
1.ヘブンズ・ブルース
2.君を探してる
3.孤独とダンス
4.ぬくもり
5.同じ月を見ている
6.永遠の詩
7.Life Is Beautiful

EGO-WRAPPIN' live tour "ON THE ROCKS!"

2006年07月05日 | Live

■EGO-WRAPPIN' live tour "ON THE ROCKS!"
2006年7月5日(水) なんばHatch
1階立見 整理番号461番

雨の降る中、なんばHatchにEGO-WRAPPIN'を聴きに行った。EGO-WRAPPIN'は今年結成10周年を迎えたという。

よっちゃん(中納良恵)のパフォーマンスは3年前の「ゴンチチ夏祭り」で体験していた。いつかチャンスがあれば今度はEGO-WRAPPIN'でよっちゃんが見たいとずっと思っていた。

オープニング・テーマはトム・ウェイツの「Innocent When You Dream(78)」だった(アイランド・レーベルのコンピレーション『Beautiful Maladies』に収録)。ブランニュー・アルバム『On The Rocks!』の幻想的でサイケな雰囲気はトム・ウェイツの無国籍な音楽と通じると思っていたので正に我が意を得たりの心境であった。

トム・ウェイツの「Innocent When You Dream(78)[夢見る頃はいつも]」にのって暗がりの中登場したEGO-WRAPPIN'。メンバーにはブラスがいて、一人はマルチ・ブラス・プレイヤーの武嶋聡、もうひとりは川崎太一朗。ステージ向かって左からブラス隊(川崎太一朗が左、武嶋聡が右側)、エマーソン北村(Keyboards)、真船勝博(Bass)、菅沼雄太(Drums)、森雅樹(Guitars)。よっちゃん(中納良恵)は最後に現れた。白い燕尾服の下は真っ赤なボディスーツ。真ん中に蝶が描かれていた。

1曲目は最新アルバム『On The Rocks!』の最後の曲「inner bell」だった。よっちゃんはマイク・スタンドにかけられた工事用の赤いランプを点灯させた。工事用の赤いランプといえばトム・ウェイツが昔ライヴの中で効果的に使用していた。映画『ビッグ・タイム』の中で観ることができる。僕は真っ先にそのことを思い出した。ここでもトム・ウェイツが出てくるわけだ。

ところで「inner bell」だが、数週間前にiPodで「曲をシャッフル」して聴いていた時に、この曲がいちばんはじめに出てきた。スローなエンディング・ナンバーだが、オープニングに持ってきても盛り上がってゆくので、おもしろいと思っていたところだった。しかし、ライヴでスローな曲をトップにするというのも考えてみれば無茶な話であった(笑)。いけいけどんどんを期待していたら、肩透かしを喰らったのではないだろうか。僕はよかったのだが...

ステージには万国旗が飾られていた。イルカや月のバルーンや白い風船がプカプカと浮かんでいた。よっちゃんのパフォーマンスは必見だ。客を扇動して会場を熱くした。のっけから畳み掛けるように曲が繰り出された。『On The Rocks!』から多く選曲されたセットリストだった。

ほとんどMCはなかった。アルバム『On The Rocks!』発売直後に東名阪のクアトロでライヴがあった。心斎橋であったライヴの時、よっちゃんは体調不良だったそうだ。開始早々、その「リベンジをやります」と宣言をした。大阪出身のEGO-WRAPPIN'。凱旋ライヴはそれで大いに盛り上がったのだった。サウンドの要となっていたのはエマーソン北村のキーボードのようだった。武嶋聡のマルチ・ブラスの演奏もよかった。

EGO-WRAPPIN'
中納良恵(Vocal/Keyboards)
森雅樹(Guitars)

真船勝博(Bass)
菅沼雄太(Drums)
エマーソン北村(Keyboards)
武嶋聡(Saxophone, Flute)
川崎太一朗(Trumpet)

SetList
01.inner bell
02.カサヴェテス
03.天国と白いピエロ
04.5月のクローバー
05.A LOVE SONG
06.ロッテンマリー
07.Nervous Breakdown
08.The Ruling Class
09.Sundance
10.レモン
11.マスターdog
12.ニュースタイム
13.かつて..。
14.BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド
15.PARANOIA
16.くちばしにチェリー
17.Mother Ship
Encore
18.サイコアナルシス
19.色彩のブルース

元ちとせコンサート・ツアー 2006 "春のかたみ"

2006年06月24日 | Live

オリジナル・アルバムとしては『ノマド・ソウル』以来、2年8ヶ月ぶりとなる新作『ハナダイロ』を携えてのライヴ・ツアー。アルバム・タイトルの「ハナダイロ」は「縹色」のことで薄い青色、サファイア・ブルーのことをいうのだそうだ。空や海の青を指し、色彩言葉では「平和、調和」の色だという。

元ちとせは真っ白な衣装を着て現れた。久し振りで緊張しているが、「みなさんの心に歌声を染めてもらおう」と思うので気合を入れて歌います、と話した。

ステージは向かって左からキーボード、ベース、ドラム、パーカッション、ギター、ヴァイオリン、コーラスという編成。前半はアルバム『ハナダイロ』からの楽曲が披露された。ドラムとパーカッションから繰り出されるグルーヴが重低音で迫ってくる。裸足でステージの上を舞う元ちとせ。シアトリカルな雰囲気を漂わせている。

"それは夢のようにまるで嘘のように
残酷な朝はすべてを奪い去った"

「青のレクイエム」はセプテンバー11をテーマにした歌だと思った。この曲は映画『初恋』の主題歌と、パイオニアのピュアビジョンという薄型テレビのCMソングになっている。タイアップが二つあるのだ。

Dr.kyOnが弾くピアノだけをバックにして元ちとせは「青のレクイエム」を歌った。あの朝の出来事、それはすべてを奪い去った。悲しみが胸に迫り、しじまの中で僕はどこにも行けず、ただぼんやりとしていた。でも何故この曲が映画の主題歌として採用されたのだろう。宮崎あおいの三億事件の映画の。セプテンバー11とは関係ないのか? その時から僕はその疑問の答えを探りはじめた。

メンバー紹介の後に「散歩のススメ」。軽快な曲調に乗りステージには地元のスタッフ(イベンター)が呼び込まれた。彼らはタイガースの法被を着て登場した。

「蛍草(つゆくさ)の夜」、「甘露(アムリタ)」、「音色七色」、「ワダツミの木」、「語り継ぐこと」と続き会場は沸点へと登りつめた。そして照明がステージを赤く染める中で披露されたのが「死んだ女の子」だった。実はこの「死んだ女の子」、レコード・デビュー前に一度レコーディングが試みられたらしい。その時は元ちとせがあまり乗り気ではなくて、テーマも重すぎたということで中断された。それが昨年になり急にこの曲をレコーディングしたいという申し入れが元ちとせからあったという。

広島に原爆が投下されてから60年が経った昨年の8月6日には原爆ドームの前で坂本龍一とコラボレーション。TBSの「NEWS23」で生中継されたことは記憶に新しい。その後「死んだ女の子」は10日間限定で音楽配信され、収益はユニセフに寄付された。CD化を求める声が多くアルバム『ハナダイロ』の初回限定盤にのみボーナストラックで収録されることになった。ライヴでは「語り継ぐこと」、「死んだ女の子」、「祈り」がひとつの流れの中で演奏された。本編のハイライトだった。

アンコールは「この街」、「Perfect」、「翡翠」。「Perfect」はFairground Attractionのカヴァー。元ちとせは島歌の文体からなる歌唱なのでこぶしをまわして歌う。Dr.kyOnのアコーディオンがフィーチャーされたアンプラグド演奏はFairground Attractionのイディオムに通じるものがあったものの、全体的にはトゥーマッチという感じ。

ツアー直前のテレビ出演では明らかにヴォーカル・スタイルを変えていたが、ライヴで聴くとそれもあまり気にならなかった。声はよく伸びていたし、素晴らしい歌唱力を発揮していた。地元奄美大島で収録されたライヴDVDには独特のノリがあった。奄美大島出身が多い第二の故郷大阪(高校を出て就職したのが大阪なのだそうだ)も、そんな空気かもしれないと想像していたが、予想外に普通のコンサートだった。日曜の公演ということもあってか小学校低学年くらいの子どもの姿があった。60代ぐらいの夫婦もいた。年齢層はかなり幅広かった。

■元ちとせコンサート・ツアー 2006 "春のかたみ"
2006年6月4日(日)
グランキューブ大阪メインホール
1階Ck列44番

元ちとせ(Vocal)
Dr.kyOn(Keyboards)
間宮工(Guitars)
井上富雄(Bass)
杉野寿之(Drums)
藤井珠緒(Percussion)
土屋玲子(Violin)
斎藤久美(Chorus)

Set List
01 春のかたみ
02 羊のドリー
03 前兆
04 詠みびと知らず
05 黎明
06 はなだいろ
07 恐竜の描き方
08 いつか風になる日
09 夏の宴
10 青のレクイエム
11 散歩のススメ
12 蛍草(つゆくさ)の夜
13 甘露(アムリタ)
14 音色七色
15 ワダツミの木
16 語り継ぐこと
17 死んだ女の子
18 祈り
Encore
19 この街
20 Perfect
21 翡翠

Absolutely ALONE IN 桜ノ宮ガラガラ

2006年06月17日 | Live

■Absolutely ALONE IN 桜ノ宮ガラガラ ~Rainydaygirl ON THE RUN~
2006年6月17日(土) 入場整理券 No.29
桜ノ宮ガラガラ

昼から雨が降り出した。大粒の雨は瞬く間に路面を黒く染めた。鈴木祥子のソロライヴ「Absolutely ALONE IN 桜ノ宮ガラガラ ~Rainydaygirl ON THE RUN~」を聴きに行った。会場となったのは桜ノ宮ガラガラ。50人が定員といった小さなハコだった。会場内にはジャズのライヴがかかっていた。よく聴くとそれはジョニ・ミッチェルのライヴのようだった。メンバー紹介の時にギターがパット・メセニーだと紹介されたので、たぶん『Shadows and Light』だろう。

狭いステージに向かって左から、ローランドのキーボード、フェンダー・ジャガー(レッド)、ウーリッツアーがあった。定刻から少し経った頃、女の人がバーカウンターの横のあたりのお客さんに頭を下げて横切った。それが鈴木祥子だった。ウーリッツアーの前に座る時、足元の何かに蹴躓いたのか、「あっ」と小さく悲鳴を上げた。

「ジョニ・ミッチェルがながれていたので、ジョニ・ミッチェルの曲をやりたいんですけど」そう言って「Woodstock」を弾き語りした。ウーリッツアーでの演奏は「この愛を」、「Swallow」、「I was there, I'm here」と続いた。

子供の頃にテレビで見た「銀座ナウ」の話があった。大阪では放送されてないので全く盛り上がらない。その「銀ナウ」で清水由貴子が歌っていた「お元気ですか」をカヴァー。途中にパッヘルベルのカノンを引用していたが、オリジナルがそうだったのか思い出せない。

ウーリッツアーからギターに楽器を交換。ここでアクシデントがあった。ジャガー(エレクトリック・ギター)のチューニングが狂っていた。鈴木祥子は「雨なのでチューニングが狂ってます」と言ってチューニングを合わそうとしたのだが、ステージの上では全く駄目で、とうとうスタッフの手を借りることになった。なんとかチューニングを合わせて「A型のこいびと」を歌いはじめたのだが、僕のような素人が聴いてもひどい音だった。ジョニ・ミッチェルの素晴らしいライヴを開演前に聴いた後では、その演奏はあまりにもひどいと思えた。見かねたスタッフがお店の壁に飾られていたストラト(ギター)に代えたらどうかと提案。それで「A型のこいびと」をもう一度歌いなおした。

鈴木祥子はギターは諦めてウーリッツアーに戻り、ニュー・アルバム『鈴木祥子』から「Frederick」と「忘却」を歌った。しかし僕の頭ではクエスチョンマークが溢れていた。どうしてスペアのギターを用意してなかったのか。雨が多い梅雨時期にライヴを行うというのに。その心の中のひっかかりは最後まで消えてくれなかった。

ギターは使えないのでウーリッツアーの弾き語りでライヴは進行した。鬼束ちひろの「眩暈」、片平なぎさの「純愛」をカヴァー。「純愛」は「my love, my love」とメドレー形式だった。

ローランドのキーボードで「Happiness」。"生まれてからもう..."のところは40歳ネタを披露。鈴木祥子は40歳になって少しはものが分かるようになってきたと言った。ほんの数年前、37,38なんてまだまだ若かったんだと。心の許容範囲が僅かだが増えて、それは自分でも驚きだったのだと。この先、年を重ねるごとに、そのキャパシティーが広がってゆくのだと思うと、案外年を取るのも悪くないかもしれない、そう鈴木祥子は言った。

鈴木祥子が作曲した坂本真綾の最新マキシシングル「風待ちジェット」は6月14日に発売され、オリコン・チャート初登場14位のスマッシュ・ヒットとなった。 曲を紹介する時、鈴木祥子は某所で集中砲火を浴びているが気に入ってる曲だと言った。某所がどこなのかはわからなかったが、アマゾンのレビューを見ると批判的な意見があった。 坂本真綾が作詞した「風待ちジェット」。鈴木祥子は歌詞を引用して、"手を取って"、"声にして"、そうして触れることによるコミュニケーションって大事だと思うと話した。今の世の中、メールなどで全く触れ合わずにコミュニケーションが取れてしまうけれど、それに慣れてしまうのはとても危険だと言った。だから人と分かりあうには、何かを伝えようとするには、触れて、手を取って、声に出して伝えるべきだと。

京都の町屋に移り住み1年になるという鈴木祥子。関西の人はいい意味でマイペースだと話した。自分が楽しむためには他人と無理して意見を合わせたりしない。自分のものさしを持っている人が多いので、とても勉強になるのだと話した。「風の扉」はタイトルも歌詞も言葉の響きで作ったという。その歌詞にこんなラインがある。

"この世の中に 信じられるのは 空に 風の扉が開く 音を 聴いたことのある人と 同じ数ね"

この社会は情報に溢れていて、その中から何を選別してゆくのか迷う時がある。なにが本当に自分にとって大切で、何がいらないものなのか、時々わからなくなる。本当はそんなに必要でないものを必要だと思い込んでいたり、その逆で必要なものを捨てたりしているのではないのか。大事なものは少なくて、人生において一つか二つしかないはず。自分の本心に気づくのがあまりにも遅すぎたかもしれないと鈴木祥子は話した。

今回は1年振りの大阪ということで人数限定の公演となった。僕はこれを「クローズド・ライヴ」というふうに受け取った。でもそれは間違いであることに気がついた。鈴木祥子は今回のライヴでメールよりも手紙の方がロマンチックだと話した。また、坂本真綾が詞を書いた「風待ちジェット」の歌詞"手を取って"と"声にして"を引用して、自分にとってライヴという場は手を取り、声を出してコミュニケーションする場なのだと話した。限られたコミュニティーのための閉鎖的なライヴではなく、互いの距離を縮めようとするライヴだったのだ。

本編の最後の曲「Goin' home」がはじまった時、小さな声だったがオーディエンスは一緒に歌っていた。僕がここ数年聴きに行った鈴木祥子のライヴは、カーネーションと一緒だったり、何組かと共演というイベントだったので、鈴木祥子の曲をオーディエンスが一緒になって歌うという光景を目の当たりにすることがなかった。僕は歌えなかった。曲名を思い出すだけで精一杯だった。歌詞は全く出てこなかった。彼らが一緒になって歌っていたその曲を僕はここのところよく聴いている。こんな歌詞がある。

"さみしい時はいつも あたしに教えて 一番好きな曲を 歌ってあげるよ"

また今度、鈴木祥子のソロ・ライヴを聴きに行こうと思う。その時一緒に「Goin' home」を口ずさめたらいい。

未発表曲だった「A型のこいびと」は先日、通販で発売されたCD付きブックレット『創作ノオト(中)”SHE SAID,SHE SAID,SHE SAID”』に収録され初公開となった。このCDをさっそく聴いたが、初恋の嵐のカヴァー「真夏の夜の事」(ライブテイク、於・京都拾得、05/6)が素晴らしい。「A型のこいびと」は主人公はB型獅子座の女性でA型の恋人と相性が良くないという曲。レコーディング・ヴァージョンには語りが挿入されているが、これは実在の人物に言った言葉だそうだ。どこまでが実話なのか知らないけど、すごい歌です。

画像は鈴木祥子の6月23日にリリースされた最新DVD『I don’t play no instruments/I wanna play my instruments』。

SetList
01.Woodstock
02.この愛を
03.Swallow
04.I was there, I'm here
05.お元気ですか
06.A型のこいびと
07.Frederick
08.忘却
09.眩暈
10.純愛
11.my love, my love
12.Happiness
13.Sickness
14.Goin' home
Encore
15.いつかまた逢う日まで
16.風待ちジェット
17.水の冠
18.風の扉
19.海辺とラジオ
20.風に折れない花

ゴンチチの花鳥風月音楽

2006年03月28日 | Live

■GONTITIニュー・アルバム『我流一筋』発売記念インストア・イベント
2006年3月26日(日)
タワーレコード梅田NU茶屋町店6Fイベント・スペース
整理番号131番

ゴンザレス三上(Guitar, Soprano Guitar)
チチ松村(Guitar, Ukulele)
辻コースケ(Percussion)

Set List
1.My Favorite Things
2.楽しみな週末
3.青天白日
4.桜舞う道
5.忘我の調べ
6.しじま
7.緑の性格~黒い蟻の生活

ゴンチチのふたりはこのところ定着した感のあるストライプのダーク・スーツを着て現れました。今回は辻コースケさんという若手のパーカッショニストと3人のユニット。実はこのユニットで昨年(2005年)のフジロックやライジングサンにも出演したそうです。

インストア・ライヴはチチ松村さんの「やります」という一言ではじまりました。ゴンチチのライヴは結成25周年の夏祭り以来になります。なんと2年7ヶ月振り。昔はよく聴きに行ったものだけど最近はご無沙汰しております。

こういうインストア・ライヴは早めに行くとリハーサルの模様が見れたりします。「My Favorite Things」はリハーサルでやっていました。曲が終ってチチ松村さんが「最初から飛ばしすぎて血圧が上がった(笑)」と話してました。

2曲目に入る前、仕切りの向こうのレジから「チン」という音がしました。三上さんは「物凄いキレイな音ですねぇ。僕たちの演奏はいくらやってもアレには勝てないです(笑)。点数が出たんじゃないですか」と言うと、松村さんが「レジでしょうね。合計が出た音じゃないですか?」と。「今どきあんな音のレジはないでしょ(笑)」と三上さんは言って、「いいですか? ちょっと...。あの、喫茶店やるんですよ」と喫茶店トークをいきなり話しはじめました。「NU茶屋町で『ネー』という喫茶店をやるんです。それでノン定食で。ぬー、ねー、のー...」、さぁーと引き潮が(笑)。

2曲目からは新作『我流一筋』から。ジャック・タチの映画音楽を思わせる曲調の「楽しみな週末」。パーカッショニストの辻さんはぶっつけ本番で初めてあわせたそうです。

3曲目の「青天白日」はその辻さんが休みでゴンチチふたりだけの演奏でした。『我流一筋』はアルバムのジャケットが和風調で、サウンドにも「和」のテイストを採り入れているそうです。それを代表する楽曲が「桜舞う道」で4曲目に披露しました。

5曲目の「忘我の調べ」はレコーディング中に辻さんとセッションする中で出来た楽曲だといいます。この曲では三上さんがソプラノ・ギター、松村さんが8弦ウクレレの演奏を披露しました。三人が紡ぎ出すグルーヴが気持ちよかったです。

6曲目はアルバムのラスト曲「しじま」。再びふたりだけの演奏。聞くところによると故中島らもさんの追悼コンサートでも演奏したそうです。演奏中にまた「チン」という音がしました。三上さんは「たぶん、店員さんが電子レンジで何か作って食べてるんじゃないですか。静かな曲の時にマクドナルドとか食べたくなるんですよ」と言ってました。

最後はアンコールのような扱いで「緑の性格~黒い蟻の生活」。激しい演奏の後、松村さんが「終わりです」と言ってインストア・ライヴは終了しました。

画像はアルバム『gontiti 25th Anniversary CD』とイベント参加特典のサイン色紙、そしてイベント参加チケット。実はイベント参加チケットを家に忘れてきて、会場でスタッフに泣きついたのでした。それで本当は新作だけイベント参加の対象商品だったのだけど、救済処置で旧譜でも参加チケットを渡すということにしてもらったのでした。というわけで買いそびれていた『gontiti 25th Anniversary CD』を急遽購入したわけです。

Earth, Wind & Fire JAPAN TOUR 2006

2006年01月20日 | Live

■Earth, Wind & Fire JAPAN TOUR 2006
2006年1月15日(日) 大阪フェスティバルホール
2階G列R35番

Earth, Wind & Fire
Verdine White(Bass)
Ralph Johnson(Vocal, Chorus)
Philip Bailey(Lead Vocal, Percussion)

Set List
01 Intro
02 Rock That
03 Lovely People Feat. Will.I.Am
04 Shining Star
05 This Is How I Feel Feat
06 Saturday Nite
07 Sun Goddess
08 Boogie Wonderland
09 Serpentine Fire
10 Kalimba Story
11 Evil
12 Brazilian Rhyme
13 Pure Gold
14 After The Love Has Gone
15 Reasons
16 Keep Your Head To The Sky
17 Devotion
18 The Way You Move / The OutKast
19 Fantasy
20 Sing A Song
21 September
22 Let's Groove
23 Lover's Dance
24 Getaway
Encore
25 That's The Way Of The World
-----------------------------------------

「子どもの時に大阪体育会館で観て感動したの。はじめて観た外タレなのね、アースは...」

そんなメールが届いたのは昨年の11月。いつもいろいろとお世話になっている友人からだった。でも僕はEarth, Wind & Fireなんてちゃんと聴いたことがない。それにチケットは発売された後だった。

ネットで調べると大阪公演は1月14日15日の二日間、大阪フェスティバルホールで開催されるとのことだった。ネットではチケットの販売が終了していたのでぴあに電話してチケット2枚を確保した。ファミリーマートで発券してもらったところ2階席だった。

Earth, Wind & Fireについてはザック・コーポレーションのサイトが詳しい。バンドのイニシアチブを取っていたモーリス・ホワイトはパーキンソン病で療養中のこと。ちなみにベーシストのヴァーディンはモーリスの実弟ということだ。

ステージは2段になっていて、中央の上段には5台のキーボードが並べられていた。上段の向かって左からドラムス、キーボード、ホーン・セクション(トロンボーン、サックス、トランペット)。下段はパーカッションが両脇、ギターが左右にいてバンドは全員で7人、ほかに若手のヴォーカリストが2名。

友人が子どもの頃に観たときはドハデ衣装で、ホーン・セクションの人数も多くて、ステージにマジック(手品)も取り入れていたそうだ。ベーシストはソロを弾きながら臍を中心にして360度回転し、ドラムスはピラミッドの中に入って天井まで上がって、ピラミッドが開いたら消えていたりしたという。それに比べたら今回は超地味なセットだったらしい。それでも純粋に音楽が聴けてよかったらしく、フィリップ・ベイリーのバラード「Reasons」が最高によかったという。

僕はというとドレッド・ヘアーの大男がフィリップ・ベイリーだと気づいたのはメンバー紹介の時という間抜けぶりだった(苦笑)。それでも天を突くファルセットの伸びやかな声は凄いと思った。「September」では振りつきで踊ってしまった(笑)。ホーン・セクションやパーカッションをフィーチャーした大編成のバンドで、ドラム、パーカッションのソロやキーボードのソロもあってなかなか楽しめるライヴだった。後半の怒涛のヒット・パレードは素晴らしかった。

坂本龍一 Playing The Piano /05

2005年12月26日 | Live

■坂本龍一 Playing The Piano /05
2005年12月15日(木) 大阪フェスティバルホール
1F LEFT F列 025番

坂本龍一(Piano)

Set List
01 Asience
02 Amore
03 Fountain
04 Undercooled
05 Seven Samurai
06 Chanson
07 Bibo No Aozora
08 Energy Flow
09 Shining Boy & Little Randy
10 A Flower is not a Flower
11 Merry Christmas Mr.Lawrence
12 The Last Emperor
13 The Sheltering Sky
14 Tibetan Dance
15 Riot in Logos
16 +33
Encore
17 Happy End
18 Thousand Knives
19 Aqua
20 Tamago 2004
21 Dear Liz

教授は神戸公演の後、岡山、広島とツアー。大阪公演の前日が広島だった。いつも開演前には緊張をほぐすためにワインを飲んでから出てくるのだそうだ。広島でも演奏前にワインを飲んだのだが、少し飲みすぎてしまい、最後の曲で大失敗をしたのだとか。

そんなわけで大阪の開演前はワインをやめてシガー(葉巻)にしたと話していた。タバコは健康のために何年か前禁煙したが、タバコのにおいは今でも好きなので葉巻を嗜んでから出てきたと。

神戸公演ではしもて側だったものの、ステージの奥に掲げられたスクリーンがほとんど見えなかった。大阪でも左端だったのだが、なんとかスクリーンに何が映し出されているのか見えた。教授は「fallin' letters」と言ってたけれど、字が上から下に落ちてくるのだ。それはCO2フリーの使用電量とか削減される二酸化炭素の数字であったらしい。

このような環境問題に関わる活動によって、最近は「ロハスな人」と呼ばれることが多いのだという。"LOHAS"は"Lifestyles of Health and Sustainability"の略で「環境と健康を重視しつつ、持続可能な暮らしを心がける生活スタイル」という意味。

冬のフェスティバルホールは寒い。それでも今夜は暖房が効いていたと思ったが、ステージは極寒だったらしい。教授はもっと暖かくしてくれるようにと注文を出していた。それで急遽用意されたのが暖かい飲み物。指を温めるために使っていたが、コーヒーカップに何が入っているかを、横を向いて尋ねていたが、カプチーノといったのだろうか。声がくぐもっていて聞き取りにくかった。一口飲んでいたがあまりおいしそうではなかった。

教授は曲順を入れ替えていた。大阪のファンはフランクだ。「教授、歌って~」とか「教授、こっち向いて~」とか「きゃあ~かっこいい~」とか。からかっているようにも思える(笑)。

そんな雰囲気に教授も「『Bibo No Aozora』はなぜかイタリアで受ける。アメリカでは地味だと思われてるのに、イタリア人の琴線に触れる何かがあるんでしょうね。『Energy Flow』はヒットしたけど、自分ではそこまで評価される曲だと思ってないです(苦笑)」と吐露していた。

映画主題曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」ではなぜかイントロが異常に長かった。神戸と同様、「The Last Emperor」がその後に続いたのだけど、今夜は客席から「The Sheltering Sky」のリクエストが飛んだ。「お願いします」というひと押しが効いたのか教授は急遽リクエストに応えて「The Sheltering Sky」を演奏した。

アンコールの声援に教授は「予定調和というのが嫌いなんだけど、こればかりは仕方ないよね(苦笑)」と話していた。ここで本来は「The Sheltering Sky」のはずだったのだ。

今夜は客電がついた後にも登場して「Tamago 2004」を演奏。更にアプローズがあった。まさかと思っていたが教授は現れてアンコールは4回になった。客席からは「東風」のリクエストが飛んだものの、やはり教授は首を横に振るばかり。様々な曲がリクエストされた中、「Dear Liz」を演奏して幕を閉じた。

画像はピアノ・ベスト『/05』。今回のツアーで演奏された楽曲は"ゆるみ系"のベスト『/04』にも収録されています。