borofesta'06

2006年10月18日 | Live

10月8日(日)晴。

京大西部講堂で10月7日から9日の3日間開催された「ポロフェスタ'06」の2日目を聴きに行った。午後1時からの開演だったが、お目当ての小島麻由美が午後8時10分からの出演だったため、山下達郎の「Sunday Song Book」を聴き終えてから出発した。

JRで京都まで行って市バスの206系統に乗り「京大正門前」へ。バスは道が混んでいることもあって30分くらい乗る羽目となった。京都の交通はやはり京阪電車がいちばんなのだろうか。家から会場に着くまで1時間半くらい。4時半頃京大西部講堂に到着。村八分、フランクザッパ、ポリス...、数々の伝説を生んだ場所。一度はここでライヴを見たいと常々思っていた。それがようやく叶ったのだった。屋根に星の絵が3つ描かれているのを感慨深く思いながら見つめた(画像)。

会場には3つのステージがある。入り口近くに野外特設ステージと講堂前広場、そしてメイン会場の京大西部講堂。僕が着いた時には野外特設ステージでライヴをやっていた。よく知らないがラップのグループみたいだった。野外特設ステージ、講堂前広場と横切り西部講堂の前まで行った。物販売り場があり、学園祭的な雰囲気の模擬店とかもあり、ひじょうにアットホームな感じのするロック・ファスティバルだと思った。外に出ている人も多い。

カジヒデキのライヴがはじまりそうだったので、西部講堂の中に入った。ステージでは折りしもリハーサルが済んだところだった。観客に愛想を振りまくカジくん。開演までは講堂内を観察することにした。天井は高く梁がそのまま。床はコンクリートだ。ライヴハウスとしては大きめだと思うが椅子席はない。いちばん後にP.A.卓がある。噂どおり、かなり古く、そして独特なムードがある。

20分、25分押しでカジヒデキのライヴははじまった。4人組のブリティッシュ・ビート・グループといったマナーでのパフォーマンスだった。知ってる曲は1曲もなかったが楽しい演奏だった。MCでは「京大西部講堂って僕らの世代では伝説になっているので、その場所でライヴが出来てうれしい」と言っていた。グリーンのテレキャスターを弾きながら歌うカジヒデキを見ていて思ったのは、彼はフリッパーズ・ギター周辺のアーティストだけれど、そのポップ・ロック・サウンドの系譜を辿ると佐野元春に到達するのかもしれないということだった。まぁややソフト過ぎる印象はあったが...

セット・チェンジのあいだは一旦会場を出て食事することにした。百万遍のカフェ進々堂に行った。昭和5年に開業したという老舗だ。昨年も二回訪れてるが、京大の近くまで来たらついつい寄ってしまう。しかし僕は知らなかったのだ。進々堂は午後5時45分閉店だということを。時間は6時前だった。まだ開いてはいたが「コーヒーぐらいしかお出しできません...」と言われて仕方なく店を出た。近くの中華料理の店に入って食事して西部講堂まで戻った。

講堂前広場でははじめにきよしがライヴをやっていた。西部講堂ではKen Yokoyamaのステージがはじまろうとしていた。まだ間に合いそうなので中に入ってみたが超満員。しばらく待ってみたがまだ開演しそうにないので講堂を出た。日が落ちてあたりはすっかり暗くなっていた。講堂前広場では一斗缶で焚き火をしていた。僕はベンチに腰掛て見るとはなしに模擬店を見ていた。物販売り場にステージパスを首から下げたDr.kyOnがいてTシャツやCDを見ていた。僕はすぐにDr.kyOnとわかったが、周りに気づいている者は誰もいなかった。そのまま楽屋のある講堂裏に歩いていった。何か話しかければ会話できたかもしれないなと僕は思った。チャンスだったのにな。そう思っていた僕の前を今度は男女の集団が講堂裏に入っていった。小島麻由美だった。ASA-CHANGもいた。西部講堂からは太いベースの音が洩れていた。Ken Yokoyamaのステージがいつの間にか開演していた。

そのまましばらくベンチで休んでいたが冷えてきたので場所を移ることにした。その時、またDr.kyOnが物販売り場の前を通りかかった。僕は反射的に動いて何気なく挨拶した。「今日は見に来ました」と、そう言って右手を差し出した。Dr.kyOnは「あぁ~お疲れ~」と言って握手に応えてくれた。Dr.kyOnは右手にビールを持っていたので手が冷たかった。そしてそのまま講堂の中に入っていった。

僕もKen Yokoyamaのステージを見ることにした。講堂の中に入ってみると大変な盛り上がりになっていた。バンドのメンバーにごつい白人がいて「上を向いて歩こう」を歌っていた。ハードコア・パンクというジャンルになるのだろうか。客席前方ではダイブが繰り返されていた。モッシュ(押しあいへしあい)とかやっているみたいだった。Ken Yokoyamaもギターを弾きながら「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」をスピーディーに歌った。「今回はじめて呼んでもらったけど、手作りのイベントでオレは好きだよ。また来るわ。あぁ」とKen Yokoyama。盛大なアプローズがあったKen Yokoyamaのステージだったが、こういったフェスティバルではトリでもない限りアンコールはない。セット・チェンジになると観客は波が引くようにいなくなった。それで僕はステージの前に行くことができた。

リハーサルはドラムのASA-CHANGとベースの長山雄治が中心となって繰り広げられた。Dr.kyOnはキーボードのセッティングと軽くサウンド・チェックをして引き上げた。途中でベレー帽を被ったスタッフがステージに出てきてモニターを触っていた。チャラチャラした男だなって思って見ていたら、なんとギターを取り出し、セッティングをはじめた。ギターのつかもっちゃん(塚本功)だったのだ。もちろん僕ははじめて見るわけだから知らなかったのだが、小島麻由美の天然キャラと馴染んでいると聞いていたので、もっとナチュラル系でオーソドックスなタイプのギタリストだと勝手に思っていた。実物は派手でイケてる。

ボロフェスタ自体が10分ほど押して進行していたので、小島麻由美のステージもやや押してのスタートだった。20分近く押していたのかもしれない。小島麻由美はリハーサルをしなかったので1曲目はヴォーカルがヴァッキングの音に埋もれてほとんど聞き取れなかった。それにステージの照明も手作りなシロモノなので動き回ると追えないのに、照明のあたらない前のほうに出て行ったりしていた。ちょっぴりハラハラ(笑)。最初、バンドの音に埋もれて聞き取りにくかった小島麻由美のヴォーカルだが、それもやがて解消された。スカのリズムではじまった曲があったり、ヒルビリー風なヴォーカルがあったり、舌足らずのフレンチ・ポップみたいな感じの曲があったりと、猫の目のようにクルクルと曲のスタイルは変わった。それに曲が短いのも特徴的だった。天然キャラ炸裂のMCの後は、越路吹雪の「ろくでなし」のカヴァー。縦横無尽といった感じで圧倒された。

■borofesta'06
2006年10月8日(日) 京大西部講堂/西部講堂前広場
整理番号ぴあ360番

小島麻由美(Vocal)
塚本功(Guitars)
ASA-CHANG(Drums)
長山雄治(Bass)
Dr.kyOn(Keyboards)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« The Essential Cafe Bohemia | トップ | 山弦の十五周年、中年漂流記... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Live」カテゴリの最新記事