
太田裕美は④「木綿のハンカチーフ」の大ヒットの後、④と同じく男女の対話形式を用いた⑤「赤いハイヒール」、オー・ヘンリーの同名小説を基にしたドラマチックな⑥「最後の一葉」、歌謡曲からニューミュージックへと大きく舵を切った⑦「しあわせ未満」、今の耳で聴いても古臭さを感じさせない裕美流ボッサ⑧「恋愛遊戯」、初期の集大成的名曲⑨「九月の雨」と、様々なタイプの曲を歌いながらも着実に独自の歌世界を完成させつつあった。
1977年9月リリースの⑨で旧来の歌謡曲とは激しく一線を画すザ・ワン・アンド・オンリーな世界へと踏み出した彼女がわずか3ヶ月のインターバルを置いてリリースしたのが⑩「恋人たちの100の偽り」だった。思わずポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」を思い出してしまうようなインパクトのあるタイトルである。京平さんお得意の風雲急を告げるようなストリングスのイントロがカッコイイこの曲、 “嘘つくの下手ね~♪” から一気にたたみかけ、“さよならとたったひとつの嘘が言えない~♪” でストン!と落とす見事な構成にはもう参りましたという他ない。歌詞良し、曲良し、ヴォーカル良しと三拍子揃った名曲名演だ。そうそう、歌詞と言えば、当時は “ゼラニウム” が何となく化学物質みたいな感じがして(←多分プルトニウムと間違えてた...笑)、意味がイマイチ分からないまま聴いていたが、花の名前やったんやと最近になって知った。あ~恥ずかし(>_<)
⑪「失恋魔術師」は彼女のシングル曲としては初めて筒美京平以外の手になる作品となったのだが、これが何と吉田拓郎というから驚きだ。実は彼女の6th アルバム「背中合わせのランデブー」が彼女の歌謡曲離れを象徴するかのような “A面拓郎曲、B面裕美の自作曲” という一種のコラボ盤で、そこからシングル・カットされたのがこの曲というワケだ。拓郎というとどうしても “フォーク” というイメージが強いが、キャンディーズの「やさしい悪魔」と同じく、ポップに徹した時の拓郎の紡ぎ出すキャッチーなメロディーはまさに絶品で、それが彼女の軽やかでキュートな歌声と絶妙にマッチし、裕美流ストーリーテリングの妙を存分に味わえる逸品になっている。バスの中で失恋魔術師のオジサンに声をかけられ、バスを降りても付きまとわれ(←ストーカーやん!)、待ち合わせの彼が中々現れず、そのオジサンにあっちへ行ってと言っていると彼が遅れて現れ、一件落着でオジサンの負けという何ともユニークな発想の歌詞が実に楽しい。曲の随所で聴かれる細やかな器楽アレンジも見事にキマッたキラー・チューンだ。
⑨から始まった名曲怒濤の4連発の最後を飾るのが⑫「ドール」で、まずは何と言ってもイントロのオモチャのピアノの音に耳が吸いつく。それにしても一体誰がこんな楽器選択を思いついたのだろう?繰り返すがバリバリのヒット曲にオモチャのピアノである。童謡ではないのだ。普通ならあり得ないチョイスだが、にもかかわらずこのピアノの音が忘れ難いインパクトを残し、「ドール」といえばオモチャのピアノが奏でるイントロが即座に思い浮かぶようになる。この発想、このアレンジはまさに天才の仕事である。曲のテーマは男に捨てられた不幸な女の哀しい物語で、舞台設定は異国情緒溢れる横浜... 京平先生の十八番だ。マイナー→メジャー→マイナーと転調を繰り返しながら疾走感溢れるメロディーに乗って哀しみオーラ全開のフレーズが次から次へと登場、特に “涙で瞳が青く染まった ドール、ドール、ドールゥ~ ヨコハマ・ドール~♪” と一気呵成にたたみかける展開は圧巻だし、曲全体が醸し出すエキゾチックな薫りもたまらない(≧▽≦) 「木綿のハンカチーフ」のように邦楽史上に燦然と輝く名曲名演、というのとは又違う妖しげな魅力を持った、クセになる1曲だと思う。
恋人たちの100の偽り~太田裕美さん
失恋魔術師・・・太田裕美
ドール ~ 太田裕美さん
1977年9月リリースの⑨で旧来の歌謡曲とは激しく一線を画すザ・ワン・アンド・オンリーな世界へと踏み出した彼女がわずか3ヶ月のインターバルを置いてリリースしたのが⑩「恋人たちの100の偽り」だった。思わずポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」を思い出してしまうようなインパクトのあるタイトルである。京平さんお得意の風雲急を告げるようなストリングスのイントロがカッコイイこの曲、 “嘘つくの下手ね~♪” から一気にたたみかけ、“さよならとたったひとつの嘘が言えない~♪” でストン!と落とす見事な構成にはもう参りましたという他ない。歌詞良し、曲良し、ヴォーカル良しと三拍子揃った名曲名演だ。そうそう、歌詞と言えば、当時は “ゼラニウム” が何となく化学物質みたいな感じがして(←多分プルトニウムと間違えてた...笑)、意味がイマイチ分からないまま聴いていたが、花の名前やったんやと最近になって知った。あ~恥ずかし(>_<)
⑪「失恋魔術師」は彼女のシングル曲としては初めて筒美京平以外の手になる作品となったのだが、これが何と吉田拓郎というから驚きだ。実は彼女の6th アルバム「背中合わせのランデブー」が彼女の歌謡曲離れを象徴するかのような “A面拓郎曲、B面裕美の自作曲” という一種のコラボ盤で、そこからシングル・カットされたのがこの曲というワケだ。拓郎というとどうしても “フォーク” というイメージが強いが、キャンディーズの「やさしい悪魔」と同じく、ポップに徹した時の拓郎の紡ぎ出すキャッチーなメロディーはまさに絶品で、それが彼女の軽やかでキュートな歌声と絶妙にマッチし、裕美流ストーリーテリングの妙を存分に味わえる逸品になっている。バスの中で失恋魔術師のオジサンに声をかけられ、バスを降りても付きまとわれ(←ストーカーやん!)、待ち合わせの彼が中々現れず、そのオジサンにあっちへ行ってと言っていると彼が遅れて現れ、一件落着でオジサンの負けという何ともユニークな発想の歌詞が実に楽しい。曲の随所で聴かれる細やかな器楽アレンジも見事にキマッたキラー・チューンだ。
⑨から始まった名曲怒濤の4連発の最後を飾るのが⑫「ドール」で、まずは何と言ってもイントロのオモチャのピアノの音に耳が吸いつく。それにしても一体誰がこんな楽器選択を思いついたのだろう?繰り返すがバリバリのヒット曲にオモチャのピアノである。童謡ではないのだ。普通ならあり得ないチョイスだが、にもかかわらずこのピアノの音が忘れ難いインパクトを残し、「ドール」といえばオモチャのピアノが奏でるイントロが即座に思い浮かぶようになる。この発想、このアレンジはまさに天才の仕事である。曲のテーマは男に捨てられた不幸な女の哀しい物語で、舞台設定は異国情緒溢れる横浜... 京平先生の十八番だ。マイナー→メジャー→マイナーと転調を繰り返しながら疾走感溢れるメロディーに乗って哀しみオーラ全開のフレーズが次から次へと登場、特に “涙で瞳が青く染まった ドール、ドール、ドールゥ~ ヨコハマ・ドール~♪” と一気呵成にたたみかける展開は圧巻だし、曲全体が醸し出すエキゾチックな薫りもたまらない(≧▽≦) 「木綿のハンカチーフ」のように邦楽史上に燦然と輝く名曲名演、というのとは又違う妖しげな魅力を持った、クセになる1曲だと思う。
恋人たちの100の偽り~太田裕美さん
失恋魔術師・・・太田裕美
ドール ~ 太田裕美さん