shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Soleil / Clementine

2010-05-29 | World Music
 私は CCCD (コピー・コントロールCD)が大嫌いで、このブログでも “アホバカCCCD” とか “ゴミ同然” とか言って徹底的にコキおろしてきたが、CDプレイヤーのピックアップ部を痛めて故障を引き起こすのだからゴミどころか有害物質扱いが妥当だろう。ビニールに貼ってあるシールには細かい字で “これはは音楽CD規格に準拠していない特殊ディスクで、音響機器での動作・音質を保証できません。再生できた場合でも、音響機器の寿命を縮める可能性があります。再生できなかった場合でも返品・交換はできません。音響機器の故障などの不具合が生じたとしても一切補償いたしません。” という趣旨のことが書かれている。例えるなら “この有毒ガソリンはエンジンを痛める可能性がありますが、車が壊れても一切責任は負えませんので自己責任で給油して下さい...” と言っているようなもの。消費者をナメとんのか!!!
 この音楽ソフト界最低最悪の詐欺商品は今では完全に駆逐されたようだが、2004年~2005年あたりにリリースされた作品の中には CCCD 汚染された盤が結構存在しており、中古で買う時なんかは特に注意が必要だ。この CCCD の爪痕はクレモンティーヌのディスコグラフィーの中にも唾棄すべき汚点として残っており、ファンにとっては頭の痛い問題になっている。具体的に言うと2004年にソニーから出た「ソレイユ」と2005年に東芝から出た「メイド・イン・フランス」がそれである。「メイド・イン・フランス」の方はeBayで中国盤 CD を $7 でゲット、コピー天国な中国に感謝感謝だ(^.^) 消費者無視のアホな日本のレコード会社なんか潰れたらエエねん!
 「ソレイユ」の方はアマゾンで調べると、不思議なことに CCCD と CD の両方が存在しており、どちらも2004年リリースとなっている。何なん、それ? 色々調べてみると、どうやらソニーは2004年7月に “レーベルゲート CD” という呼称で発売(←どっかの国のルーピー総理なみの姑息なやり方やねぇ...)した CCCD 版「ソレイユ」(ESCL-2563)を1年後の2005年7月に廃盤にし、その面替商品として CD 版(ESCL-2687)として再発したというのが事の顛末らしい。あまりのバカさ加減に笑うしかないが、アマゾンの中古価格が CD 版は2,100円なのに対し、CCCD 版は1円でも誰も買わないという事実がすべてを物語っている。私は状態の良い中古 CD を300円で買えて超ラッキーだった(^o^)丿
 ジャケットの右下隅に“No Cle, No Summer” とあるように、夏にピッタリの開放感溢れる10曲にボートラ2曲を加えた全12曲収録で、一般ピープル向けの目玉は TUBE のカヴァー①「シーズン・イン・ザ・サン」だろう。TUBE に何の興味もない私ですら CM か何かで聞いたことのある夏向け J-Pops をクレモンティーヌが歌うというだけで話題性は十分、といったところか。確かに面白いけれど私はすぐに飽きてしまった。ベン・シドランとのデュエット②「サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」も悪くはないがあまりにも予定調和に過ぎるというか、聴く前に予想した通りのワン・パターンなアレンジで、この二人の組み合わせはマンネリ化してきているように思う。興味津々で聴いた⑦「ベサメ・ムーチョ」は何か喉を絞めるような歌い方で、この曲は彼女に合っていないと感じた。
 シャルル・トレネの名曲③「ラ・メール」はポール・マッカートニーの「カリコ・スカイズ」を想わせる爽やかなアレンジが夏の日の午後にピッタリ。夕暮れ時には「ショコラ・エ・スイーツ」収録のスロー・ヴァージョンがオススメだ。⑤「もしも」は彼女のウィスパー・ヴォイスとスインギーなバックのサウンドが巧く溶け合ったナンバーで、初期の彼女を想わせるようなジャジーな雰囲気が横溢だ。ミディアム・スローな⑧「みんなが言うの」はヴァイブが良い味を出しており、マッタリした気分が味わえる癒し系ナンバーだ。
 しかし私が一番気に入ったのは何と言っても⑨「Garasugoshi ni kieta natsu」である。何やコレ、ローマ字やん、と思って解読すると「ガラス越しに消えた夏」... 初めて聞くタイトル名だ。誰か日本人のカヴァーか書き下ろしかな...と思って YouTube 検索すると、鈴木雅之と大沢誉志幸という名前が出てきた。鈴木雅之って確かシャネルズのリーダーやん。大沢某は知らんけど、彼が作曲したらしい。中々エエ曲やとは思うが、クレモンティーヌはスローな原曲を一気に高速化することによって曲の魅力が倍増、実に軽快で爽やかなヴァージョンに仕上げている。もちろん歌詞はフランス語だが、唯一 “サヨナラ~♪” の部分を日本語で残したのは慧眼と言うべきだろう。言葉をサウンドの一部として捉えるセンスの良さに脱帽だ。パリのエスプリを感じさせるアレンジも絶品で、まさに洗練の極みと言えそうなこの1曲に出会えて大ラッキー。やっぱり祭りはオモロイなぁ...(^o^)丿

Garasugoshi ni kieta natsu

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