ちょっと油断して目を離した隙にリリースされたレコードがたまたま運の悪いことに限定盤で、気付いた時には時すでにお寿司...(>_<) どこを探しても中々見つからずに悶々とした、という経験はレコード・マニアなら誰でも一度は覚えがあると思う。逆にそんなブツをやっとのことで手に入れた時の喜びはひとしおで思わず飛び上がりたいたいぐらい嬉しいものだが、私にとってそんな1枚が Analogue Productions から45回転盤の2枚組LPという形でリリースされたビル・エヴァンス・トリオ屈指の名盤「ワルツ・フォー・デビィ」である。
このレコードが45回転盤で出ていることを知ったのは去年の暮れで(←遅っ!!!)、血眼になって eBay、MusicStack、CD and LP、ヤフオクとネット上のどこを探しても見つからなかったのだが、先週たまたまディスクユニオンの通販検索をしていて池袋店に中古で入荷したことを知り、即ゲット。やはり常日頃からマメにネットで網を張って情報収集を怠らないことが充実したコレクター人生を送るのに欠かせないのだなぁと実感した次第。
私はこのアルバムをすでにCDで4種類、LPでもオリジナル・モノ盤と1990年代に同じAnalogue Productions から33回転で出たステレオ盤の2種類持っていて今回のが7種類目の「ワルツ・フォー・デビィ」になるのだが、すべてのジャズ・レコードの中で私が最も愛する1枚を音質的に有利な45回転盤で聴けるチャンスを逃す手はない。音の良さで私が絶大な信頼を置いている Analogue Productions 盤同士の聴き比べというのも興味をそそられるところ。因みに33回転盤はダグラス・サックスが、45回転盤はスティーヴ・ホフマンとケヴィン・グレイがマスタリング・エンジニアとしてクレジットされている。
実際に前から持っていた33回転盤(APJ009)と今回手に入れた45回転盤(AJAZ9399)とを聴き比べてみたところ、どちらも同じ Analogue Productions 盤なのに音の傾向はかなり違っていてビックリ(゜o゜) 33回転盤の方はドラムスの音がグイグイ前面に出てきてモチアンが刻むリズムがチョー気持ちいいのに対し、45回転盤の方はリーダーであるエヴァンスのピアノが主体でありドラムスはあくまでも従者という感じで控え目に後ろからトリオを支えているような印象を受けた。良識あるピアノトリオ・ファンなら後者に軍配を上げるかもしれないが、ブラッシュが刻むリズムを中心にピアノトリオを聴くことを無上の喜びとする私としては断然前者の方が好み(^.^) この違いは回転数というよりはおそらくマスタリング・エンジニアが意図した音作りによるものだと思うが、CDも含めて私が所有している全ての「ワルツ・フォー・デビィ」盤の中で最も鮮烈な音が楽しめるのがダグラス・サックスのミックスによるこの33回転盤なのだ。
そもそもこのレコードの一体何が私をそれほどまでに魅きつけるかというと、一にも二にもA面2曲目に置かれたタイトル曲の圧倒的なスイング感、これに尽きる。もちろん1曲目の「マイ・フーリッシュ・ハート」でのリリカルで繊細なプレイにも心を揺さぶられるが、やはりその次に入っているタイトル曲が一番の聴きものだ。ポール・モチアンがあらん限りのテクニックを駆使しながら刻んでいく軽快なリズムがえもいわれぬスイング感を生み出し、それに乗せられるような形でエヴァンスが必殺のフレーズをキメまくり、そんなエヴァンスに対してスコット・ラファロがブンブン唸るベースで挑みかかるのだ。愛らしいメロディーに凄まじいスイング、そして火の出るようなインタープレイと、まさに言うことなしのスーパーウルトラ大名演だ。
【JAZZ】Bill Evans Trio Waltz for Debby sideA ANALOGUE PRODUCTIONS【レコード】
話がタイトル曲一辺倒になってしまったが、もちろんB面も素晴らしい。特にB面1曲目に置かれた「マイ・ロマンス」のスイング感は最高だ(^o^)丿 この曲は元々スローなラヴ・バラッドで、インストであれヴォーカルであれ原曲に忠実なスロー・テンポで演奏されるケースがほとんどなのだが(←実際、この日のイヴニング・セットで演奏されたテイク2は少しテンポが落とされていた...)、レコードの本テイクに採用されたアフタヌーン・セットのテイク1ではアップテンポでスインギーに演奏することによってひょっとすると作曲者のリチャード・ロジャースですら気づいていなかったかもしれないこの曲の新たな魅力を見事に引き出すことに成功している。そしてその絶妙なスイング感を生み出しているのがやはりポール・モチアンの変幻自在なドラミングなのだ。世間ではエヴァンス・トリオというと猫も杓子もエヴァンスとラファロのインタープレイのことしか言わないが、少なくともこの日のモチアンのプレイは私にとってはリーダーのエヴァンスやラファロをも凌ぐ大名演で、今どきの言葉で言うと “神ってる” プレイと言っていいと思う。
私がジャズに求めるのは “クールで、軽やかで、粋なスイング” なのだが、この「マイ・ロマンス」やタイトル曲「ワルツ・フォー・デビィ」でエヴァンス・トリオが一体となって生み出す極上のスイングこそが私にとっての理想的なピアノ・トリオ・ジャズであり、そういう意味でもこのレコードはその美しいアルバム・ジャケットと相まって私が愛してやまない1枚なのだ。
【JAZZ】Bill Evans Trio Waltz for Debby sideB ANALOGUE PRODUCTIONS【レコード】
このレコードが45回転盤で出ていることを知ったのは去年の暮れで(←遅っ!!!)、血眼になって eBay、MusicStack、CD and LP、ヤフオクとネット上のどこを探しても見つからなかったのだが、先週たまたまディスクユニオンの通販検索をしていて池袋店に中古で入荷したことを知り、即ゲット。やはり常日頃からマメにネットで網を張って情報収集を怠らないことが充実したコレクター人生を送るのに欠かせないのだなぁと実感した次第。
私はこのアルバムをすでにCDで4種類、LPでもオリジナル・モノ盤と1990年代に同じAnalogue Productions から33回転で出たステレオ盤の2種類持っていて今回のが7種類目の「ワルツ・フォー・デビィ」になるのだが、すべてのジャズ・レコードの中で私が最も愛する1枚を音質的に有利な45回転盤で聴けるチャンスを逃す手はない。音の良さで私が絶大な信頼を置いている Analogue Productions 盤同士の聴き比べというのも興味をそそられるところ。因みに33回転盤はダグラス・サックスが、45回転盤はスティーヴ・ホフマンとケヴィン・グレイがマスタリング・エンジニアとしてクレジットされている。
実際に前から持っていた33回転盤(APJ009)と今回手に入れた45回転盤(AJAZ9399)とを聴き比べてみたところ、どちらも同じ Analogue Productions 盤なのに音の傾向はかなり違っていてビックリ(゜o゜) 33回転盤の方はドラムスの音がグイグイ前面に出てきてモチアンが刻むリズムがチョー気持ちいいのに対し、45回転盤の方はリーダーであるエヴァンスのピアノが主体でありドラムスはあくまでも従者という感じで控え目に後ろからトリオを支えているような印象を受けた。良識あるピアノトリオ・ファンなら後者に軍配を上げるかもしれないが、ブラッシュが刻むリズムを中心にピアノトリオを聴くことを無上の喜びとする私としては断然前者の方が好み(^.^) この違いは回転数というよりはおそらくマスタリング・エンジニアが意図した音作りによるものだと思うが、CDも含めて私が所有している全ての「ワルツ・フォー・デビィ」盤の中で最も鮮烈な音が楽しめるのがダグラス・サックスのミックスによるこの33回転盤なのだ。
そもそもこのレコードの一体何が私をそれほどまでに魅きつけるかというと、一にも二にもA面2曲目に置かれたタイトル曲の圧倒的なスイング感、これに尽きる。もちろん1曲目の「マイ・フーリッシュ・ハート」でのリリカルで繊細なプレイにも心を揺さぶられるが、やはりその次に入っているタイトル曲が一番の聴きものだ。ポール・モチアンがあらん限りのテクニックを駆使しながら刻んでいく軽快なリズムがえもいわれぬスイング感を生み出し、それに乗せられるような形でエヴァンスが必殺のフレーズをキメまくり、そんなエヴァンスに対してスコット・ラファロがブンブン唸るベースで挑みかかるのだ。愛らしいメロディーに凄まじいスイング、そして火の出るようなインタープレイと、まさに言うことなしのスーパーウルトラ大名演だ。
【JAZZ】Bill Evans Trio Waltz for Debby sideA ANALOGUE PRODUCTIONS【レコード】
話がタイトル曲一辺倒になってしまったが、もちろんB面も素晴らしい。特にB面1曲目に置かれた「マイ・ロマンス」のスイング感は最高だ(^o^)丿 この曲は元々スローなラヴ・バラッドで、インストであれヴォーカルであれ原曲に忠実なスロー・テンポで演奏されるケースがほとんどなのだが(←実際、この日のイヴニング・セットで演奏されたテイク2は少しテンポが落とされていた...)、レコードの本テイクに採用されたアフタヌーン・セットのテイク1ではアップテンポでスインギーに演奏することによってひょっとすると作曲者のリチャード・ロジャースですら気づいていなかったかもしれないこの曲の新たな魅力を見事に引き出すことに成功している。そしてその絶妙なスイング感を生み出しているのがやはりポール・モチアンの変幻自在なドラミングなのだ。世間ではエヴァンス・トリオというと猫も杓子もエヴァンスとラファロのインタープレイのことしか言わないが、少なくともこの日のモチアンのプレイは私にとってはリーダーのエヴァンスやラファロをも凌ぐ大名演で、今どきの言葉で言うと “神ってる” プレイと言っていいと思う。
私がジャズに求めるのは “クールで、軽やかで、粋なスイング” なのだが、この「マイ・ロマンス」やタイトル曲「ワルツ・フォー・デビィ」でエヴァンス・トリオが一体となって生み出す極上のスイングこそが私にとっての理想的なピアノ・トリオ・ジャズであり、そういう意味でもこのレコードはその美しいアルバム・ジャケットと相まって私が愛してやまない1枚なのだ。
【JAZZ】Bill Evans Trio Waltz for Debby sideB ANALOGUE PRODUCTIONS【レコード】