B-SELSで「My Sweet Lord」のスタンパー1桁盤を買ったことは前回書いたが、あの話には続きがある。3桁盤との比較試聴を終え、“やっぱり違うもんですねぇ... スタンパーがヘタってくると倍音成分が減ってしまうのか、音壁も平凡で1桁盤のような高揚感が出ませんね...” と悦に入っていると、“もしよかったらこんなのもあるんで聴いてみます?” とSさんがエサ箱から2枚のシングル盤を持ってこられた。
どちらも「My Sweet Lord」のソリッド・センター盤なのだがよくよく見ると中央部の DG円の大きさが違う。“PyeプレスとCBSプレスですよ。” とSさん。“「My Sweet Lord」にも他社委託プレスがあったんですか... めちゃくちゃ売れたもんなぁ...” と感心していると“「Hey Jude」の時に Pyeプレスのお話しをしましたけど、PyeとCBSの委託プレスって本やサイトによって書いてあることが違うんで参りました。” と苦笑いされ、“こっちの中心円の小さい方が Pyeでマザーは12/12、大きい方がCBSでマザーは6/8、どちらもスタンパーコードはありません。” とおっしゃりながらレコードを順番にかけて下さった。
まずCBSプレス盤の方だが、イントロのギターの鳴りからしてさっき聴いたEMIプレス1桁盤と全然違う。ハッキリ言ってこの音は私の好みではない。とにかくウォール・オブ・サウンドの構築が中途半端で、逆巻くようなあの “音壁ワンダーランド” が眼前に現れず、思わず個々の楽器の音に耳が行ってしまったほど...(笑) ホーンやストリングスが爆発せずに何のウォール・オブ・サウンドかと言いたい。
しかし次にかけていただいたPyeプレス盤は違った。一言で言うと “面白い音” で、Sさんも “何でこんなに音が違うんですかね?” と不思議そうにおっしゃる。まず気が付くのはヴォーカルで、ジョージにしてはやけに声が力強いしうっすらとエコーがかかってるのかと思うくらい声質自体も微妙に違って聞こえる。バックの演奏もヴォーカル同様にパワーアップ(?)されており、“まるでジャイルズ・マーティンがリマスターしたような音ですね。これホンマにおもろいですわ(^o^)丿” と大笑いの私。自分の中で音質格付けをするとしたら、EMI1桁盤 > Pye盤 > EMI3桁盤 > CBS盤、という感じか。
“それにしても同じマスターから作ってるのに4枚とも音に個性があって面白いですね。” と言うと、“それなんですが、もう一つ面白い話があるんですよ。「My Sweet Lord」初回盤のマト末尾は「1U」って言われてますが、スタンパーが1桁の盤は「1U」じゃなくて「1」なんです。 で、3桁盤のマト末尾の「U」を見ると字体や角度が他の文字と微妙に違ってるのでどうやら後から付け足したようなんですよ。だから多分最初にプレスした後に「U」を付け忘れたことに気付いて慌てて後から「U」を付け足したんじゃないかなぁと思うんですよね。” とSさん。
“へぇ~、ホンマかいな???” と思って1桁盤のマトを見ると確かに「1U」ではなく「1」になっている。いやはや、これにはビックリだ。しかし更に驚いたことには2枚の委託プレス盤では共にマト末尾の「U」が EMIプレス(←要するに3桁盤ね)とは違って大きく右に傾いて刻印されていたのだ。まぁこのあたりの謎に関してはあまり深入りせずに研究家のみなさんに任せるのが賢明だろう。私にとって大事なのは「音」であって「マト刻印」ではない。
ということで本日の結論;「My Sweet Lord」を最良の音で楽しむには...
①まずセンター・レーベル左の表記が“Harrisongs” のみのUK盤シングルを探す。“Essex Int. MCPS Bririco NCB” という長~い文言が書かれているのはレイター・プレス。
②更にその中からマトリクス末尾の枝番が 1U ではなく 1 の盤を見つける。
③最後に盤質をチェック... 最低でもVG++か、出来れば EX以上のものが望ましい。
これで最初期プレス盤の鮮烈なウォール・オブ・サウンドが手に入ることはほぼ間違いなし... 「My Sweet Lord」コレクター同志諸兄の健闘を祈ります。尚、Pyeプレス盤の音が忘れられなかった私は例の1桁盤をいただいた2日後にB-SELSを再訪して首尾よくゲットしました...
どちらも「My Sweet Lord」のソリッド・センター盤なのだがよくよく見ると中央部の DG円の大きさが違う。“PyeプレスとCBSプレスですよ。” とSさん。“「My Sweet Lord」にも他社委託プレスがあったんですか... めちゃくちゃ売れたもんなぁ...” と感心していると“「Hey Jude」の時に Pyeプレスのお話しをしましたけど、PyeとCBSの委託プレスって本やサイトによって書いてあることが違うんで参りました。” と苦笑いされ、“こっちの中心円の小さい方が Pyeでマザーは12/12、大きい方がCBSでマザーは6/8、どちらもスタンパーコードはありません。” とおっしゃりながらレコードを順番にかけて下さった。
まずCBSプレス盤の方だが、イントロのギターの鳴りからしてさっき聴いたEMIプレス1桁盤と全然違う。ハッキリ言ってこの音は私の好みではない。とにかくウォール・オブ・サウンドの構築が中途半端で、逆巻くようなあの “音壁ワンダーランド” が眼前に現れず、思わず個々の楽器の音に耳が行ってしまったほど...(笑) ホーンやストリングスが爆発せずに何のウォール・オブ・サウンドかと言いたい。
しかし次にかけていただいたPyeプレス盤は違った。一言で言うと “面白い音” で、Sさんも “何でこんなに音が違うんですかね?” と不思議そうにおっしゃる。まず気が付くのはヴォーカルで、ジョージにしてはやけに声が力強いしうっすらとエコーがかかってるのかと思うくらい声質自体も微妙に違って聞こえる。バックの演奏もヴォーカル同様にパワーアップ(?)されており、“まるでジャイルズ・マーティンがリマスターしたような音ですね。これホンマにおもろいですわ(^o^)丿” と大笑いの私。自分の中で音質格付けをするとしたら、EMI1桁盤 > Pye盤 > EMI3桁盤 > CBS盤、という感じか。
“それにしても同じマスターから作ってるのに4枚とも音に個性があって面白いですね。” と言うと、“それなんですが、もう一つ面白い話があるんですよ。「My Sweet Lord」初回盤のマト末尾は「1U」って言われてますが、スタンパーが1桁の盤は「1U」じゃなくて「1」なんです。 で、3桁盤のマト末尾の「U」を見ると字体や角度が他の文字と微妙に違ってるのでどうやら後から付け足したようなんですよ。だから多分最初にプレスした後に「U」を付け忘れたことに気付いて慌てて後から「U」を付け足したんじゃないかなぁと思うんですよね。” とSさん。
“へぇ~、ホンマかいな???” と思って1桁盤のマトを見ると確かに「1U」ではなく「1」になっている。いやはや、これにはビックリだ。しかし更に驚いたことには2枚の委託プレス盤では共にマト末尾の「U」が EMIプレス(←要するに3桁盤ね)とは違って大きく右に傾いて刻印されていたのだ。まぁこのあたりの謎に関してはあまり深入りせずに研究家のみなさんに任せるのが賢明だろう。私にとって大事なのは「音」であって「マト刻印」ではない。
ということで本日の結論;「My Sweet Lord」を最良の音で楽しむには...
①まずセンター・レーベル左の表記が“Harrisongs” のみのUK盤シングルを探す。“Essex Int. MCPS Bririco NCB” という長~い文言が書かれているのはレイター・プレス。
②更にその中からマトリクス末尾の枝番が 1U ではなく 1 の盤を見つける。
③最後に盤質をチェック... 最低でもVG++か、出来れば EX以上のものが望ましい。
これで最初期プレス盤の鮮烈なウォール・オブ・サウンドが手に入ることはほぼ間違いなし... 「My Sweet Lord」コレクター同志諸兄の健闘を祈ります。尚、Pyeプレス盤の音が忘れられなかった私は例の1桁盤をいただいた2日後にB-SELSを再訪して首尾よくゲットしました...