shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ベースが轟く「Silly Love Songs」のUSプロモ・シングル盤

2019-12-11 | Paul McCartney
 私はレコード屋という空間が大好きな “レコード馬鹿” である。しかし毎週末レコ屋巡りをしていたのは遠い昔の話で、京阪神のレコ屋はほぼ壊滅状態となり、レコードを買うのはネット・オンリーという状態がかれこれ10年以上も続いていた。だからちょっと足を延ばせばディスクユニオンを数軒はしごできる東京近郊のコレクターがうらやましくて、“東京か横浜かリバプール(笑)に生まれたかったなぁ... 奈良なんかお寺ばっかりでホンマに何もないわ(>_<)” と自らの不遇を呪った(←そんな大袈裟な...)ものだった。
 しかしそんな状況が一変したのが昨年のことで、何が言いたいのかもうお分かりだと思うが、何とこの奈良の、しかも近鉄奈良駅の真向いという一等地にビートルズのアナログ・レコード専門店が出来たのだから長生きはするモンである。今では “奈良に生まれてホンマに良かったぁ...(^.^)” と喜んでいるが、それもこれも音楽にあまり縁のない奈良という土地にビートルズ・オンリーのレコ屋を開くという暴挙、じゃなかった快挙(笑)を成し遂げられたSさんのおかげと心から感謝している。
 最近は世間ではあまり話題に上らないスタンパー・コードの重要性や他社委託プレス盤の面白さといったディープなネタを色々教えていただいていることもあって、私の音楽日記であるこのブログも自然とB-SELSネタばかりになってしまっているが、懲りずに今日もまたまたB-SELS関連の話をしたい。
 そうそう、本題に入る前に是非とも書いておきたいことが1つあった。先週「My Sweet Lord」のシングル盤を買いにB-SELSに行くと、Sさんが黄色い紙袋を差し出された。“何ですの、これ?” と伺うと、長崎から来られたKさんというお客さんがたまたま私のブログを楽しんでおられる方で、長崎名物のカステラみやげを託ったとのこと。まだお会いしたこともない私なんぞのために何ともありがたいことである。Kさん、ホンマにありがとうございます! 早速美味しくいただきましたです(^.^)  そう言えばKさんがSさんに “これはカステラ界のゴールド・パーロフォンです。” とおっしゃったそうで...(笑) ビートルマニアにだけ通じる名言ですね。金パロごちそう様でしたm(__)m いつかお会いする機会があればニンバス級の美味しさを誇る “つよしのコロッケ” をごちそうさせていただきます(^.^)
 さて、長~い前置きはこれくらいにして、ここからが今日の本題である。少し前のお店HPの「日記」のコラムにSさんが「Jet」「Maybe I'm Amazed」「Sally G」のUSプロモ・シングルのネタを連続投稿されており、それらのプロモ盤でしか聴けないモノラルの野太いサウンドが大好きな私は我が意を得たりとばかりに嬉々として読ませていただいたが、Sさんが第4弾として選ばれたシングルが「Silly Love Songs」で私は “???” となった。というのもこの曲のプロモ・シングルは通常の “モノラル/ステレオ” カップリングではなく、Sさんもコラムの冒頭に書いておられたように両面ステレオで、“エディット・ヴァージョン/フル・ヴァージョン” というカップリングだったからだ。
 私は半年ほど前に B-SELS でポールのUSプロモ・シングルにモノラル・ヴァージョンが入っていることを教えていただいて、鬼のようなプレミア価格が付いた「Country Dreamer」(→eBayで$500、ユニオンで9万円!)以外はすべて手に入れていたが、「Silly Love Songs」はモノラルでないことと、ズタズタに切り刻まれたエディット・ヴァージョンに興味をそそられなかったこともあってあっさりとスルーしてしまっていた。
 しかし、私と音の好みが非常に似ているSさんが “音が素晴らしい”、“ベースとドラムスの音がとてもタイト”、“生に近い鮮度の高さ” とべた褒めし、“聴く価値は十二分にある” と言い切っておられるのだ。これは何としても聴かねばなるまい。
 私はSさんの日記を読み終わるとすぐに Discogs と eBay でこのレコードを検索。Discogsには1枚だけ VGの盤が出ていたがシングル盤1枚に€20近い送料を取るボッタクリ・セラーだったのでパス。一方 eBayの方には $4でNM盤が1枚出品されており、当然こちらを購入。送料込みで2,000円なら御の字だ。
 届いたレコードはSさんが日記に書いておられた通りの轟音盤で、これこそまさに45回転パワーとでも言うべきか、とにかく音がデカいのだ。特にポールのベースが強烈で、まるで鋼鉄の指サックをして(←あるかそんなもん!)弾いてるんじゃないかと錯覚するくらい重々しいベースがブンブン唸る様はまさに圧巻の一言! 「オーディオ・フレッシュンアップ」作戦が功を奏してキレッキレの音で鳴るようになったアルテック・ヴァレンシアから迸り出る重低音の凄まじさに腰を抜かしそうになった。
 このシングル盤を聴いて改めて思い知らされたポールの凄さは「Silly Love Songs」という甘口ナンバーにタイトでヘヴィーな辛口リズムを配したところ。こうして旨口ヒット・ソングが生まれたのだ。ポールの天才ここに極まれりと言いたくなるようなスーパーウルトラ名曲名演... ポールのベースを凄まじい音で聴いてみたいというマニアに超オススメの1枚だ。
Wings - Silly Love Songs - Short Version 45RPM
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