shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

和ボッサの名盤特集②

2023-04-09 | 昭和歌謡・シングル盤

 この4月から新しい職場で働き始めたが、慣れない仕事に苦労して結構ストレスが溜まる1週間だった。ある時はビートルズでテンションを上げ、またある時はガールズ歌謡に癒されながら何とか乗り切ったという感じだ。ぶっちゃけ収入が減るので(→でも税金は去年の年収がベースという糞システム...)最近はレコードもほとんど買っていなかったのだが、901さんとの電話をきっかけにコレクター魂に火がついて(←こんなことしとったら絶対に老後ヤバいと思うけど、まぁ食費とか削ったら何とかなるやろ...)久しぶりにレコードを買ってしまった。今日はそのうちの残り1枚と、元々持っていた和ボッサ愛聴盤1枚を取り上げよう。

③木元泉「どこかでだれかに」
 前回ちょこっと書いた「Japanese Bossa Nova」というコンピレーションCDには聴きやすい曲がいっぱい入っているのだが、中でも断トツで好きなトラックが大橋巨泉とザ・サラブレッズの「どこかでだれかに」だ。大橋巨泉というと例のだみ声で“メンタンピン イーペーコー ドラドラ バンバン!” というフレーズが脳内リフレインしてしまう(→でしょ?)私は “あの巨泉がボサノバ?...ってふざけてんのか!” と思ったが、実際に聴いてみるとメイン・ヴォーカルは木元泉という女性シンガーで、巨泉の巨の字も感じられない洗練された和ボッサだったのだ。巨泉が入っているというバックコーラスも実に控え目で、彼女の透明感溢れるヴォーカルと流れるようなメロディーラインの相乗効果によって品格したたり落ちる名曲名演になっている。このレコードはめっちゃレアらしく色々調べてみてもオークションで7,000円前後、セット・プライスでも9,000円前後と中々手が出しづらいお値段なのだが、ユニオンの通販で「外装VG+、盤Ex-」という盤がその半額近い値段で出ていたのを見つけて“何でこんな安いんやろ??? VG+っちゅーのが気になるけど、これを逃したら買えへんかもわからんからとりあえず買っとこ...” と散々迷った末に購入。届いたジャケットを見ると右端3cmほどの部分が黒くすすけていてめちゃくちゃ汚らしい(>_<) あちゃー、どうりで安いわけや... と凹みながらもダメ元でエタノールをつけたコットンパフで軽く拭いてみるとかなり汚れが取れて(→やりすぎると色が剥げる可能性大なので要注意...)何とか許容できるレベルにまで回復。盤質は良いし、安く買えたので結果オーライだったが、ミズテン買いはやっぱり怖いですな...
木元泉 / どこかでだれかに


④渚まゆみ「アイ・ラブ・ユー」
 菅原文太の大ファンである私にとって渚まゆみという人は「人斬り与太」シリーズ、「仁義なき戦い」シリーズ、そして「山口組外伝 九州侵攻作戦」といった数々のヤクザ映画で文太と共演して薄幸な女を見事に演じきった女優(→特に「仁義なき戦い 頂上作戦」でのチンピラの元情婦役はめちゃくちゃハマってた...)というイメージが強かった。しかしその後、昭和歌謡を色々聴いていく中でフェロモン歌謡の名曲「奪われたいの」を始めとする彼女のキラー・チューンの数々にKOされ、今では昭和ガールズ歌謡を語る上で欠かすことが出来ない超お気に入りのシンガーになっている。彼女の傑作は1972年にCBSソニーに移籍して以降の浜口庫之助作品に集中しているが、初期の作品では大映レコードからリリースされた彼女のデビュー・シングル「アイ・ラブ・ユー」が圧倒的に素晴らしい。初めて聴いた時は “えーっ、女優がデビュー曲でボサノバやってんの?” と驚かされたが、まだまだ生硬な彼女のヴォーカルと哀愁舞い散るメロディーが見事に融合してムード満点の和ボッサになっている。フェロモン横溢のジャケットも最高だ。
渚まゆみ / アイ・ラブ・ユー