shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Highlights Of Wings Over Europe 1972

2020-02-24 | Paul McCartney
 前回は「White Album」の1G盤を取り上げたが、今年に入ってゲットした大物はあの1枚きりで、最近はさっぱり良い出物が無い。ここはひたすら耐えて待つしかないな... などと考えながらいつものようにメールチェックしていたら、浜松のブート屋さんKentからメルマガが来ていたので “まぁどーせストーンズとかフロイドとか、そのへんやろ...” とあまり期待せずに開いてみると、何とそこには今が旬のクイーンを差し置いて(笑)WINGS の文字がデカデカと躍っているではないか! それも3アイテム同時リリースときたもんだ。
 へ?何で今頃ウイングス?と思いながらラインナップを見てみると、「James Paul McCartney」の映像をブラッシュアップしたDVD「JPM Definitive Edition」、アントワープでのライヴをサウンドボードで収録したCD「Antwerp 1972 Soundboard」、そして初期ウイングスのライヴをプロショットで収録したDVD「Highlights Of Wings Over Europe 1972」とのこと。これはえらいこっちゃである。オリジナル盤漁りが小休止かと思ったら今度はブートレッグ... ビートルズ・コレクターに気の休まる時はない(笑)
 これら3アイテムの中で一番私の興味を引いたのは「Highlights Of Wings Over Europe 1972」だった。メーカー・インフォを読んでみると、何とあの「Red Rose Speedway」のスーパーデラックス・エディションに入っていた「The Bruce McMouse Show」からネズミのアニメ部分を取り除き、代わりに演奏シーンをパッチして、更に「Wings 1971-73」ボックスに付いていた「Wings Over Europe」音源をシンクロさせることによってネズミの声を消し去り、実際の1972年ツアーの曲順通りに並べ替えて当時のポールのライヴを疑似体験できるようにしたというスグレモノらしい。
 そもそも私はコンサートのライヴ映像に余計なテーマを付け加えるという手法が大嫌いで、ゼップの「The Song Remains The Same」やマイケルの「Moonwalker」など、大きな期待を持って映画館に行ったものの退屈すぎて途中で寝そうになった音楽映画は枚挙にいとまがない。ゼップならギンギンのハードロックの演奏シーンを、マイケルならキレッキレのダンス・シーンだけをひたすら流してくれればいいものを、ワケの分からんイメージ・シーンやら子供だましの陳腐なストーリー展開やらで大いにガッカリさせられたものだ。
 ポールの「The Bruce McMouse Show」も例外ではなく、“おぉ、ポール若いなぁ... リンダも頑張っとるやん(^.^)” とライヴにのめり込もうとすると例の忌々しいネズミのアニメが出てくるのである。これでは興醒めも甚だしい。そんなネズミどもを退治して消し去ってくれるとは、さすがはライトハウス。そう言えば去年のこの時期にも確か映画「Let It Be」からヒステリックなオバハンを見事に消し去ってくれたっけ。
 ということで届いたDVDを早速視聴。おぉ、これは確かにウザいネズミのアニメがキレイさっぱり消されて... いると思っていたら、4曲目の「Blue Moon Of Kentucky」にネズミのシーンが残っとるやん(>_<) 9曲目の「My Love」もそう。一体どーなってんねん? 何でこんな中途半端な仕上がりになってるのか私には良く分からないが、ネズミとキレイさっぱりおさらばできると思っていた私としては正直ガッカリだった。
 ただ、それ以外のシーンは見事に再構築されているし、エンディングのシーンも実に巧く処理してあるので、この2曲だけ我慢すれば若かりし頃のポールのライヴがオフィシャル級の美麗映像で拝めるというワケだ。少なくともリモコンの早送りが欠かせなかった「The Bruce McMouse Show」よりは遥かにストレスなく楽しめるので、やっぱり買って正解だったと言えるだろう。