shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ポールの2015 ヨーロッパ・ツアー特集 ~Marseille & Oslo~

2015-08-04 | Paul McCartney
 ロンドン、バーミンガム、リヴァプールと、母国イギリスで4公演を行った後、ポールはフランス→オランダ→フランス→アメリカ→北欧という風にヨーロッパと北米を行き来しながら精力的にツアーをこなしているのだが、今日取り上げるのはフランスのマルセイユ公演とノルウェーのオスロ公演。どちらもネットに上がった音源をLHがギフト化したものだ。

①Out There Marseille 2015
 イギリスを離れてまずポールが向かったのがフランスのマルセイユで、6月5日にスタッド・ヴェロドロームという屋外競技場で行われたライヴの模様を収めたのがこの「アウト・ゼア・マルセイユ2015」だ。LHのインフォには “巨大屋外会場らしいマイルドな音質” “臨場感豊かな録音ですが、総合的に大変良く出来た仕上がり” “巨大屋外会場録音ゆえ、決してベストな音質ではありませんが、間違い無く水準以上のサウンド” と、かなり控え目な表現が並んでおり、“それって要するに音が遠いんちゃうの?” と早合点した私は、短いながらも「オン・ザ・ラン・ロッテルダム」以来の「イエロー・サブマリン」が聴けるもう1枚のフランス公演盤「アウト・ゼア・パリス2015」の方をギフトで選んだ。
 ところがこのパリ盤が大ハズレ(>_<)  音質はめっちゃ不安定やしチャットはガンガン拾ってるしで(←よりにもよって「ミッシェル」の最中にペチャクチャ喋るなよ、このクソ女!)、聴いてて結構ストレスが溜まるのだ。アウト・ゼア・ツアーで「ミッシェル」が聴けるのはフランス公演だけなのでコレはいかんと思い、慌てて翌週にこのマルセイユ盤をオーダーした次第。
 盤が届いて恐る恐る聴いてみるとこれが実にゆったりまったりした開放感を感じさせる気持ちの良い音で、私的には十分満足。確かにLHが標榜する “オンな音像と圧倒的なクリアネス”(笑)というのとはかなり違う音だが、このように悠揚迫らない雄大なサウンドというのも大いにアリだと思う。前回紹介したバーミンガム盤といい、このマルセイユ盤といい、ポールのポスト・ジャパン・ツアーは色んな音のオーディエンス録音盤を生み出していて、ファンとしては楽しくて仕方がない。
 ポールによるフランス語のMCは「ボンソワー」と「メルシーボクー」ぐらいしか分からないが、この数ヶ月の間ポールのカタコト日本語ばかり聴き続けてきた私にとってはかえって新鮮に響く。オーディエンスの盛り上がりもハンパなく、フランス人ってどこか乙に澄ましているというイメージを勝手に抱いていたのでこれにはちょっとビックリ。特に「ブラックバード」後半で自然発生的に湧き起こる手拍子がめっちゃエエ感じだ。もちろんフランス公演に欠かせない「ミッシェル」も文句なしに素晴らしい。ウィックスのアコーディオンが醸し出すフランス特有のエスプリがたまらんたまらん(≧▽≦)
 それともう一つ特筆すべきは「死ぬのは奴らだ」で、屋外会場ということもあって大花火大会と相成ったワケだが、まるでB29の爆撃でも始まったのかと勘違いするような(笑)凄まじい爆発音にビックリ(゜o゜) 最近武道館やドームといった屋内ライヴばかり聴いている私の耳にこの音は衝撃的だった。去年もし大阪の長居スタジアムでのライヴが実現していたらこんな感じやったんかなぁと思うと何か複雑な思いだ。次の来日公演はぜひとも屋外会場でやってもらってこのスーパー花火大会を楽しみたいものだ。
Paul McCartney - Blackbird / Here Today (Marseille Out There 2015)

Paul McCartney Marseille 2015 - Michelle

Paul McCartney Live and Let Live Marseille 05-06-2015


②Out There Oslo 2015
 6月後半に1週間ほどの短い北米レグを済ませ、次にポールが向かったのが北欧だ。7月初旬にデンマーク、ノルウェー、スウェーデンでそれぞれ1回ずつライヴを行っているのだが、その中でネット上にフルでアップされたのが7月7日にノルウェーのオスロにあるテレノール・アリーナで行われたコンサートの音源で、例によってLHがそれに目を付け音盤化したのがこの「アウト・ゼア・オスロ2015」なのだ。
 インフォによると “とてつもなくダイレクトでクリアー、海外公演録音でここまで凄いのは聴いたことが無い程で、「だったらプレスCDでリリースすれば?」と思われるのは当然であり、当初はそのつもりで「これは凄い・・・」と聴き入っていたのですが、この音源、悲しい欠点があるのです。” とのこと。その “悲しい欠点”というのが “マイクの右に派手なクラップをする人がいて、たまにそれがラウドに入ってくる” “しかもテンポがずれてる” ということで、特に「Nineteen Hundred and Eighty-Five」「I've Just Seen a Face」「We Can Work It Out」「Another Day」が酷いという。音は良いのに調子っぱずれのラウドな手拍子のせいでLHが泣く泣く(?)プレス・リリースを諦めたというこの “ギフトに最適な「訳あり」超高音質盤”... そうまで言われたら逆に聴いてみたくなるのがファン心理というものだろう。
 実際に聴いてみた感想だが、私はこの程度の手拍子なら全然気にならない。アウアウやホーホーの方が何十倍も不愉快だ。アウアウと言えば、この音源の所々に武道館と同じような “アーゥ!” が聞かれるのだが(←下に貼り付けたYouTubeで言うと41分35秒、43分25秒あたりの雄叫びなんか武道館そっくり!)、まさかわざわざノルウェーまで日本の恥を晒しに行ったのではあるまいな...(笑)
 冗談はさておき、この音は確かに魅力的だ。一言で言い表すとするなら “端正な音”。豊かな低音域とクリアーでソリッドな中高音域のバランスの取れた、派手さはないけどどっしりとした重心の低いサウンドなのだ。しかもこの日は4曲目に激レアな「グッド・デイ・サンシャイン」をやっており、「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」との連続コンボで聴けるというのもリヴォルヴァー好きの私としてはたまらなく嬉しい。更にアンコール・パート1での「アナザー・ガール」「バースデー」(←7月7日はリンゴの誕生日!)「キャント・バイ・ミー・ラヴ」という “武道館チューン3連発” にも涙ちょちょぎれる。とまぁこのように聴き所満載のこのギフト、下のYouTubeを試聴して手拍子が気にならない人は今のうちに手に入れておきましょう。
Paul Mccartney - Oslo, Norway on July 7, 2015 (Full Show - Audio)
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