shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

東京レコ屋巡り弾丸ツアー (Pt. 2)

2014-05-27 | Paul McCartney
 ユニオン新宿本館を出ると雨はまだ降っていたが、いきなりの収穫に足取りも軽く(←単純!)、紀伊国屋横にある中古センターへと向かう。このお店はレコ屋が入っているとは思えないような大きなビルの3Fにあり、エレベーターを降りて店内に入るとちょうど大阪日本橋のディスクピアみたいにワンフロアにCDとレコードが見やすく並べられている。まずはビートルズ関係のCDをチェック、ポールのスーパーデラックス・エディションからブートレッグに至るまで、在庫量はかなり豊富だし値付けもかなりリーズナブルだ。モノはついでとアナログLPのコーナーを覗くと、「プリーズ・プリーズ・ミー」の金パロ盤や「ラム」のブラジル・モノラル盤、「バンド・オン・ザ・ラン」のUKオリジ・ラウドカット盤といったマニア垂涎の逸品が壁面を飾っている。今回はたまたま欲しい盤がなかったので何も買わなかったが、CD・アナログ共にコレクターにとっては要チェックなお店と言えるだろう。
 さぁ、次はいよいよ本日のメインである西入りだ。外に出ると雨が少し弱くなっている。ラッキー(^.^)  東口から西口への通路を抜けるとユニクロの前に出た。ここから道路沿いに北上し、ダイカンプラザ9Fのライトハウスを目指す。“プラザ” というから私は色んなお店が入ったショッピングセンターみたいなビルを予想していたのだが、いざ行ってみるとごく普通のマンションである。ホンマにここでエエんかいな... と不安に思いながら入居パネルを確認すると905号室に LIGHTHOUSE とある。ちょうど数年前に閉店した横浜の“日本一高いジャズ廃盤専門店”「ディービーズ」みたいな感じだ。早速エレベーターで9Fまで上がり、905号室を探すとすぐに見つかった。ホンマにマンションの一室で、入口のところに「ライトハウス」という表札(?)が掛かっている。
 中に入ると所狭しとCDやDVDが棚一面に並べられており、中にはKENTの通販リストにも載ってないような珍しい盤もいっぱいあって、それだけでコーフンしてしまう。私が行った時、狭い店内には中年女性の先客が一人いて、店主の方に今回のポールの公演中止について熱っぽく(笑)語っていらっしゃる。どうやらポールの熱心なファンらしいのだが、例の “深酒ツイート” やら “ポール仮病説” にかなりご立腹のようで、店主に対して一方的に思いのたけをぶちまけておられる真っ最中だ。 “自分の友人が武道館チケットを取るために愛用のギターを手放したのに公演中止だなんてカワイソすぎる...” だとか、“これでキョードーとポールの関係にヒビが入ったけれど、ウドーとポールは90年の来日時にポール側がウドーに声すらかけなかったことでウドーの社長が激怒しそれ以来絶縁状態やからもうポールを呼ぶプロモーターはいないだろう...” だとか、興味深い話がポンポン飛び出してくる。耳ダンボ状態(笑)の私は彼女の話が気になってCD棚に全然集中できない。
 結局30分ほど喋りまくってスッキリしたのか、その女性は何も買わずに帰って行った。さぁ、これで猟盤に集中できるぞと思ったのも束の間、今度は私と私と同年代っぽいオッチャンが入ってきた。どうやら常連さんのようで、“今日は武道館に行くつもりで有休取ったけど中止になってしまい、友人はみんな働いてて遊ぶ相手もいないから、やけ買いしに来ました...” と店長に話している。“うわー、自分とまったく同じやわ...” と心の中で呟く私。ひょっとして今日はこんなビートルズ・ファンが街に溢れているのだろうか??? しかしちょっと待て。私は他人の話を聞くためにはるばる東京まで来たのではない。自分のミッションに集中せねば...
 LHと言えば何と言ってもギフト・アイテムである。実は前もってお店のHPで “今週のギフト” を確認して目を付けてあったのが「アビー・ロード」の回収日本盤(CP35-3016)をそのままコピーしたCD-Rだ。ギフトの切り替えは水/木で、次週のラインナップには入っていないのでちょうどこの日がラスト・チャンス。LH製の盤を2枚買えば貰えるので(←本末転倒やな...)私はポールのコーナーをチェックし、まだ持っていなかった「ティーンエイジ・キャンサー・トラスト2012」と「バック・イン・ザ・USA」をチョイス、段ボール箱の中に無造作に積まれてあったギフト盤の中から選んだこの「アビー・ロードCP35-3016」と共にレジへ持っていった。しめて9,200円也。


 「ティーンエイジ・キャンサー・トラスト2012」はロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたロジャー・ダルトリー主催のチャリティー・イベントのオーディエンス録音盤で、去年の “アウト・ゼア・ツアー” では演らなかった「ザ・ナイト・ビフォア」や「アイヴ・ガッタ・フィーリング」といったナンバーが聴けるのが嬉しい。ただ、演奏はカチッとまとまっていて申し分ないのだが、ポールの歌声に浸って油断しているとテーパーのすぐ右横にいたと思しきオーディエンスのフォーフォーという雄叫びがかなり大きな音でスピーカーから飛び出してきてビックリさせられる。オマエはレイザーラモンか! EV大阪2日目盤や福岡盤の時にも書いたが、私はこのHGみたいな叫び声が大嫌いなので、残念ながらこのCDはNGだ。ボーナス・ディスクとして付属していたYouTubeからの寄せ集め映像集DVD-Rの方にはこのウザい雄叫びは入っていないので、私はそちらの方で楽しんでいる。特にロン・ウッドやポール・ウェラーが参加した「ゲット・バック」のノリノリの演奏は必見だろう。
Paul McCartney, Roger Daltrey, Ronnie Wood and Paul Weller playing Get Back HD




 「バック・イン・ザ・USA」は1989年の北米ツアー初日にあたる11月23日のLAフォーラムでのライヴの模様をバッチリ収録したオーディエンス録音盤で、上記の「ティーンエイジ・キャンサー・トラスト2012」とは対照的なオーディエンス・ノイズ・フリーな録音環境のおかげでポールの歌と演奏を安心して楽しめるところが◎。絶好調ポールの勢いのあるヴォーカルをダイレクトに捉えたオンな録音がたまらんたまらん(^o^)丿  この時期のライヴでしか聴けない「エボニー・アンド・アイボリー」がめっちゃ貴重やし、大好きな「マイ・ブレイヴ・フェイス」も入っていて言うことナシの1枚だ。ボーナス・ディスクの「ローズモント1989・サード・ナイト」は音質的には劣るものの、「フラワーズ・イン・ザ・ダート」を上手くパロったジャケット・デザインが気に入っている。
Paul McCartney - L.A. Forum (November 23 & 29, 1989)



             
 そして今回のギフト・アイテムである「アビー・ロード」の回収盤 CP35-3016 についてだが、メーカー・インフォを要約すると、 “ビートルズ最初のCDといえば日本だけで1983年に発売された「Abbey Road」で、しかもそれがリリース直後に本国EMIからのクレームによって回収されてしまいました。CD化の際に使用したマスター・テープに余計なマスタリングを施さずにフラットな状態で収録したことにより元のマスター・テープに近い音で収録されているという幻のCDです。今回はそんなファン垂涎の1枚をEQ処理一切なしで復刻しました” とのこと。
 実を言うと、私は前々からコレを聴いてみたかったのだが、入手が超困難なコレクターズアイテム(←ヤフオクではウン万円のプレミア価格!)化していたせいもあってすっかり諦めていたのだ。それをCD-Rとはいえタダで貰えるとは... (^.^)  実際に2009年リマスター盤と聴き比べてみると音圧では負けているが、アンプのヴォリュームを上げていくとシャープで抜けの良いクリアーなサウンドがスピーカーから飛び出してきて実に気持ちが良い。私的にはどっちもアリやな... という感じで、ちょうど気分によってファッションを変えるような感覚で両方楽しんでいきたいと思う。やっぱりライトハウスはエエなぁ...(^.^)  (つづく)
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