shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

LOVE LOVE SHOW / The Yellow Monkey

2012-01-01 | J-Rock/Pop
 新年あけましておめでとうございます。今年も本能の趣くままに古き良きロック、ポップス、ジャズ、歌謡曲を中心に私的名曲名演を取り上げながらマイペースで更新していこうと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します m(__)m
 ということで当ブログの新年一発目は The Yellow Monkey だ。少し前にも彼らの「夜明けのスキャット」カヴァーを取り上げたばかりだが、それをきっかけに改めて彼らの全アルバムを聴き直してみたらコレがもうめちゃくちゃ良くって年末からずっと “イエモン祭り” 状態だ(←何かいつも同じパターンやね...)。
 私が初めて彼らの曲を耳にしたのは1997年のこと... ちょうど洋楽と絶縁して数年が経ち、新譜として聴くモノがなくて仕方なしに J-Pop を聴き始めた頃だった。80年代を「アメリカン・トップ40」と「ベスト・ヒットUSA」一筋で生きてきた私にとって当時の邦楽シーンというのは全く未知の世界だったので、とりあえず CS 放送のスペースシャワー TV で邦楽のチャート番組を見たりして “お勉強” することにした。
 この頃の邦楽は小室系の金太郎飴ダンス・ミュージックやワケの分からん有象無象のヴィジュアル系バンドが幅を利かせており正直ウンザリさせられることが多かったのだが、そんな中で B'z やミスチル(←今とは違って当時はバリバリにロックしてました...)に出会って “日本のロックも捨てたモンやないわ!!!” と大コーフンしたものだった。
 その頃に TV で目にしたのがイエロー・モンキーのシングル「LOVE LOVE SHOW」の PV だ。第一印象は “カラオケなんかでも歌いやすそうな、親しみやすいメロディーを持った鼻歌ソング” というものだったが、いきなり “おっねぇさーん!” で始まり “SHOW” と “しよう” を引っ掛けたチャラい歌詞といい、真っ赤な衣装をヒラヒラさせながら歌うヴォーカリストといい、ちょうどポイズンの「トーク・ダーティー・トゥ・ミー」の PV を初めて見た時のようなキワモノ的な印象がどうしても拭えず(←因みに遊び心溢れるアニメーションのチープな味わいも含め、この PV は今では大好きな1本になっている...)、じっくりと掘り下げて真剣に聴き込もうとは思わなかった。
 そんな私の印象をガラリと変えたのがこの曲のアルバム・ヴァージョン(「パンチ・ドランカード」に収録)だ。このアルバムは実に骨太なサウンド・プロダクションが特徴で、マージー・ビートっぽいギター・フレーズやビートリーなコーラス・ワークetc ありったけのアイデアを投入して大衆ウケを狙ったシングル・ヴァージョンのマッタリしたテンポを高速化し、軽快なポップンロールを疾走系の王道ロックへと昇華させていて、今ではどちらのヴァージョンもそれぞれ味があって大好きだが、当時はこのアルバム・ヴァージョンに痺れまくり、初めてこの曲の魅力に開眼したと言ってもいい。歌詞にもメロディーにもポジティヴな要素が満ち溢れ、いつ聴いても “頑張っちゃうもんね~♪” モードになれる名曲なのだ。
 中でも感心したのが、表面的なチャラさとは裏腹にさりげなく名フレーズを散りばめたその歌詞だ。特に “「愛とは自分のため」だとか言ったら 嫌がられるけど それもあるんだよね~♪” なんか真実をズバリ突いてて吉井さんにしか書けない類の詞だと思うし、 “「愛には形がないよ」とか言うけど 触れられなければ 淋しいもんだよね~♪” なんて名言をサラリと言ってのけるところも “愛を語る伝道師” 吉井和哉の真骨頂と言えるだろう。まぁ “あなたの馬~♪” のラインなんか注意深く聴けばめちゃくちゃエロい内容で、絶妙な比喩でそれとは気付かせずにあれだけストレートに歌えるあたり、さすがは吉井さんと唸ってしまうが...(笑)
 この曲はライヴでも抜群の人気を誇っているのだが、中でも私が一番好きなのがイエロー・モンキー解散後に吉井さんがソロで出演したロック・イン・ジャパン・フェス2006でのライヴ映像だ。 “ら~ぶ ら~ぶ しょお~!!!” という吉井さんの叫びに会場全体が興奮のるつぼと化し、みんな狂ったように手を突き上げて歌い踊り始めるのだが、見渡す限りに会場を埋め尽くしたオーディエンスが一体となって盛り上がる様はまさに鳥肌モノ!!! 吉井さんもこの数万人の大合唱にコーフンしたのか歌の途中で歌詞が飛んでしまい(2:20~)、“知~らない歌詞は知りません♪” (2:31~)とテキトーなアドリブで切り抜けるあたりはご愛嬌だが(笑)、そんなこんなも含めて、ロックが、いや音楽が持っているパワーをまざまざと見せつける感動的なステージだ。
 細身の黒いスーツに黒ネクタイ姿で切れ味鋭いステージ・パフォーマンスを披露し、ロック・スターのオーラ全開で歌いまくる吉井さんがめちゃくちゃカッコ良いこのライヴは、イエロー・モンキー・ファンだけでなくすべてのロック・ファンにとって永久保存版的な価値のある映像だと思う。

YOSHII - LOVE LOVE SHOW RIJF06


LOVE LOVE SHOW PV
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