shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

誰にも見えない、匂いもない 2011 / ランキン・タクシー & ダブアイヌバンド

2011-06-26 | J-Rock/Pop
 昨日サムから “デイヴがこんなん見つけたけど、どうよ(^.^)” というメールをもらった。それがこの「誰にも見えない、匂いもない 2011」(by ランキン・タクシー & ダブアイヌバンド)というメッセージ・ソングで、福島の原発事故発生以降私がずーっと感じていたモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれるような痛快な歌詞に大いに共感、早速このブログでも紹介することにした。
 私は日本のレゲエ・シーンに疎いのでこのランキン・タクシーという人のことは名前すら知らなかった。色々調べてみたところ、この曲はチェルノブイリ事故を受けて1989年に彼が発表した反原発ソングがオリジナルで、今回の事故の直後にダブアイヌバンドの Oki という人がこの曲を再プロデュースしてリメイク・ヴァージョンを作ろうと思い立ち、ランキン・タクシーに連絡を取ってこのプロジェクトがスタートしたという。
 このニュー・ヴァージョンは今回の事故に合わせて原曲の歌詞を一部書き換えたもの(←チェルノブイリの描写が “まだ警戒区域” から “今じゃゴーストタウン” にアップデートされてる...)だが、ランキンのヴォーカルはオリジナル・ヴァージョンよりも更に説得力を増しているし、バックのサウンドもパワーアップされていて、聴く者に強烈なインパクトを与える完成度の高いメッセージ・ソングに仕上がっている。プロモ・ビデオもよく出来ていて、ブラック・ユーモアに満ちたこの曲の世界観を見事に表現している。それにしても原曲で歌われていたシュールな内容の歌詞がまさか現実のモノになろうとは...(>_<) 
 この歌は反原発メッセージ・ソングなのでまず歌詞ありきなのだが、後半部で「Old McDonald Had A Farm(ゆかいな牧場)」のフレーズである “イヤイヤヨ~♪” を織り込むなど、楽曲としても中々巧く作ってあると思う。レゲエの単調なリズムに乗って繰り返される、一聴コミカル実はシニカルなフレーズの数々はライミングも絶妙で(←ウルトラセヴンとレベル7にはワロタ...)、気が付けば脳内リフレイン状態だ。
 それと、 “放射能ツヨイ... 誰にも負けない~♪” のフレーズを聴いて、去年の M1 で準優勝したスリムクラブが漫才ネタで “この世で一番強いのは... 放射能” とやって笑いを取っていたのを思い出したのだが、あの漫才のオチは確か “何とかならんかねぇ”---“民主党ですか?” で、場内大爆笑だった。あれから半年が経ったが、未曾有の大震災の後も無策で迷走を続ける今の日本政治のアホバカぶりにはさすがに笑っていられない。それにしてもホンマに何とかならんのかねぇ、被災地の事は二の次で我がの事しか考えられへんクサレ外道だらけの今の政府は...(*_*)
 尚、この音源は DIY STARS というサイトで投げ銭形式のファイル・ダウンロードでの配信が行われており、その収益はすべて震災の復興支援に充てられるとのことなので、興味のある方はコチラ↓をどうぞ。
http://www.diystars.net/hearts/DL0031.html

Rankin & Dub Ainu Band "You can't see it, and you can't smell it either "


【1989年のオリジナル・ヴァージョン】オバマ、サルコジ、ビヨンセ、、ペヨンジュンらが登場するニュー・ヴァージョンに対し、こちらはマイク・タイソン、ベン・ジョンソン、聖子、明菜、光源氏と、1980年代という時代を感じさせる名前が並んでます。
誰にも見えない、匂いもない / RANKIN TAXI


【おまけ】反原発ソングといえばまず思い浮かぶのがコレ。23年前にエディー・コクランのロックンロール・クラシックにこの歌詞を乗せて歌った清志郎は今の日本の危機的状況をあの世からどういう思いで見ているのだろう...
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