shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Let It Be / The Beatles

2011-03-20 | The Beatles
 大地震が起こってから1週間以上が過ぎた。避難所生活を余儀なくされている方々が置かれている過酷な状況、厚顔無恥な東電幹部とアホバカ民主党政府の連中による人災としか言いようがない福島の原発危機、関東一円で行われている計画停電など、“平和で安全な国” であるはずの日本がどんどん崩壊していく。F1の開幕戦バーレーンGPがアラブの政情不安のせいで中止になったことでも明らかなように、スポーツや音楽といったエンターテインメントはあくまでも平和と安全の上に成り立つもの。私の信条は “No Music, No Life” だが、今日本で起きていることを考えると、とてもじゃないがノーテンキに音楽を聴いて盛り上がる気分にはなれない。かと言って募金と節電以外に自分に出来ることも思い浮かばないというジレンマで、何ともやりきれない毎日だ。そんなワケでこのブログも暫く中断していたのだが、いつまでも悶々としているわけにもいかない。ということで再開一発目の今日はクイーン特集をお休みしてビートルズの「レット・イット・ビー」でいきたい。
 この let it be という言葉、 “すべてなすがままに” と訳されているのをよく見かけるが、この表現は取りようによっては受動的にも聞こえるし、ヘタをすると “なるようになれ” という投げやりな意味に曲解されかねない。しかし歌詞全体を読めば分かるように、この曲は聴く者を優しく励ますポジティヴなメッセージを持った “希望の歌” なのである。ライヴ・エイドやフェリー・エイドを始めとする数々のチャリティー・イベントでこの曲が歌われていることからもそれは明らかだ。私はこれまでこの曲を何千回聴いてきたかわからないが、今ほどその歌詞がグッと心に響いたことはない。特に 2nd ヴァースの歌詞を今苦しんでおられるすべての人々と分かち合いたいと思う。

 And when the broken-hearted people   打ちひしがれて
 Living in the world agree          この世に生きる人々の思いはみな同じ
 There will be an answer           いつか答えがみつかる
 Let it be                    今は堪え忍ぼう

 For though they may be parted       たとえ別れ別れになっていても
 There is still a chance that they will see  また会える日が来るかもしれない
 There will be an answer           いつか答えがみつかる
 Let it be                    今は堪え忍ぼう (内田久美子著「ビートルズ全詩集」より)

そういえば映画で使用されたテイクはレコードとは違い、ポールが後半の歌詞の一部を There will be no sorrow と変えて歌っていたが、まったく同感だ。一日も早くこの悲しみと混乱が過ぎ去りますように...

The Beatles.Let it Be
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